製品開発の期間短縮、コスト削減のための多目的満足化設計手法（セットベース設計手法）とその実践　＜オンラインセミナー＞

講師の言葉

　背反性・異種性を含む多目的性能の同時満足化に関する設計開発手法に関する講義です。

　従来からのこの種の製品開発のパターンはどちらかといえば、製品機能ごとにＣＡＥ解析を行って、その解析結果を他の機能の解析結果とすり合わせで解を得ることが多かった。また設計と加工、メカと制御系の設計など順序性が存在する場合、あるいはコスト、感応性、環境対応性など制約条件的な扱いになる場合など、同時・同等処理になっていないことが一般的であった。また多目的最適化手法では、実際に扱える目的数は多くはなく、最適とされる値の設計的意味の不明瞭性や設計プロセスへの依存性、あるいは高精度を得るための計算機の高速度と大容量の必要性などの課題があった。

　ＰＳＤ手法では、製品機能だけではなく、設計対象性能の分野を問わず、また背反性・異種性を含み、望小・望大特性も考慮して多性能のそれぞれの目標範囲を満たす複数の設計変数の解範囲を同時処理により求めることが可能となる。また範囲解の設計上の意味を明確にできる。あるいは各性能に重みを付けた多目的設計の解範囲を得ることが可能である。さらに範囲解が無ければ無いことを示すことも可能となる。またＰＳＤでは性能も設計変数もすべて範囲で表現するので、範囲内の情報はほとんど不要であり、ＰＳＤのソフトウエア処理は通常のパソコンによる短い処理時間となる。

　以上のことから、実際に製品開発における多目的性能の同時満足化が可能になるとともに、その処理に要する時間とコスト（工数）は大幅に短縮・削減できることになる。

　本講座では、このPSD手法を実践的に解説する。

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