設計プロセスにおける技術の暗黙知(ノウハウ)の見える化と言語化手法、およびその承継・共有化への応用・例

〜アイデアの言語化、技術の暗黙知の見える化、言語化の具体的手法、言語化した暗黙知(ノウハウ)の文書化、熟練技術者の暗黙知(ノウハウ)の承継・共有の仕組み構築法〜

 暗黙知のノウハウを引き出し、言語化と整理・体系化することで問題解決や技能伝承に活かす
ための講座

 企業存続、生き残りに不可欠となるノウハウの喪失を防止し、問題解決をはじめ自社の「技術力」「組織力」「人財力」をアップさせるための留意点を修得し、実務に活かそう!  

講師の言葉

私は弁理士として、30年以上、日本を代表する大企業(NEC)を始め 多くの中小企業やベンチャー企業((株)ザイキューブ)の特許 を取るお手伝いをしてきました。
 その間ずっと、「力の限りを尽 くす」というポリシーで仕事をしましたので、クライアントには 高い評価をいただき、やりがいや達成感を感じてきましたが、最 近は無力感が募っていました。  強い特許は必ずしも企業の業績改善につながらないからです。
 そこで、最近は、「暗黙知翻訳家」 を標榜し、「暗黙知見える化によるノウハウ・技術承継法」を伝授するセミナー/コンサルティングに注力しています。
 これは、 広く設計・開発等の頭脳労働における熟練技術者のノウハウ・暗黙知を見える化するもので、見えないアイデア(発明)を言語化する弁理士のスキルと経験を最大限活用して、人材育成に直結し 且つ環境に左右されない成果が期待できます。10年の試行錯誤を経て見出した、この内容を分かりやすく解説します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2015年02月04日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 研究開発・商品開発・ ビジネススキル
受講対象者 ・製品、部品、生産ライン等の設計に携わる技術者と、その上司の方 ・熟練技術・ノウハウの次世代への承継と社内共有に関心のある 技術者及び管理者 ・熟練技術・ノウハウの共有による人材育成・開発に関心のある 技術者及び管理者
予備知識 ・企業における設計・開発業務の経験、何らかの知識労働に関する知識があることが望ましい ・講義では、 これらの経験がなくても理解できるように、主として機械系の設計事例を採りあげて解説します ・好ましくは、企業における知識労働の熟練者が持つ技術・ノウハウの承継問題に関する知識や、当該の技術 ・ノウハウの共有による効率的な人材育成・開発法に関する知識
修得知識 ・従来の暗黙知(ノウハウ)の見える化や文書化の効果が出に くい理由は、暗黙知(ノウハウ)の所有者が発する言葉を、暗黙知(ノウハウ)言語化のスキルのない人がそのまま聞き取り 、言語化・図像化しただけだからです。本講座でお伝えする手法で言語化・図像化すれば、期待する効果は現実になります ・熟練技術者の暗黙知(ノウハウ)の見える化・言語化する具体的手法がどのようなものか、分かります。 ・熟練技術者の暗黙知(ノウハウ)を次世代に承継し、社内で 共有する仕組みとしてどのようなものがあるか、分かります ・暗黙知(ノウハウ)の見える化 言語化と、その承継・共有とを、社内で自主的に実践できるようになる途が開けます ・自分の暗黙知(ノウハウ)を言語化する要領が分かると、自分の発明の内容を弁理士に伝えやすいため、特許取得プロセスが 効率的になります。 また、言語化の際に発明の本質が  明確になるので、包括的で漏れのない特許を採りやすくなります ・熟練技術者は、暗黙知(ノウハウ)言語化に習熟した「暗黙知翻訳家」(ナレッジ通訳)との対話を通じて、無意識でやっていた自分の思考法や習慣、思い込み等に気づくことができるので、 自分のノウハウの改善・発展が容易になり、より価値の高いノウ ハウの創出が期待できます。 この効果があるため、自分のノウハウの開示を積極的には望まない優秀社員や熟練社員にも、言語化への協力を承諾してもらいやすくなります
プログラム

1.組織における知識資産の活用状況
  (1).初級レベル=導入は容易だが、効果は限定的
  (2).中級レベル=導入は少し難しくなるが、効果は増大
  (3).上級レベル=導入は決して容易ではないが、効果は最大

2.人は言語化できない知識を持っている
  (1).二種類の知識−形式知と暗黙知
  (2).−暗黙知の二つの側面
  (3).暗黙知は人の直接経験から生まれる
  (4).形式知と暗黙知の相互作用−知識変換

3.暗黙知(ノウハウ)の言語化を弁理士が始めた経緯
  (1).特許明細書作成という仕事で培われたスキル=アイデアの 言語化・概念化
  (2).企業にとっての特許の価値と無力感
  (3).特許明細書作成は「発明」の言語化・体系化
  (4).特許明細書作成は「発明」の本質を押さえた抽象化と具象化
  (5).特許明細書作成に使われるフレームワーク

4.特許明細書を書く時の弁理士の思考法
  (1).特許明細書とは特許庁審査官あてに書く発明解説書
  (2).特許明細書を書く時に使う思考パターン
  (3).弁理士の仕事は発明の本質把握とその言語化・概念化
  (4).発明の抽象化と具象化を通じた発明言語化・図像化
  (5).発明の抽象化によりその本質を掴む−請求項
  (6).本質に基づいて発明を具象化する−実施形態
  (7).発明の抽象化と本質把握の事例−六角形鉛筆の発明の場合
  (8).アイデア言語化・概念化スキルの暗黙知への転用

5.暗黙知とその意義
  (1).暗黙知は言葉にならない有益知識
  (2).暗黙知は心に深く潜在する技術常識
  (3).暗黙知の本質は経験に基づく状況判断と最適対策選択にあり
  (4).暗黙知の必須要素を言語化すれば足りる
  (5).知識労働は暗黙知の固まり  
  (6).熟練者は論理ではなく直観で仕事する
  (7).直観の元は知識・経験の蓄積からなる暗黙知

6.暗黙知(ノウハウ)言語化の手法
  (1).人の行為ではなく状況判断を可視化する
  (2).状況判断の手法
  (3).判断の類型とロジック
  (4).判断のために必要な状況把握と参照情報
  (5).状況把握に含まれる暗黙知の抽出
  (6).状況判断後の対策立案のために必要な推論
  (7).抽象化により本質を掴み言語化する

7.暗黙知(ノウハウ)言語化の具体的手法
  (1).熟練者とのインタビュー=ロジカル・コミュニケーション が基本
     a.論理の3点セット=事実・根拠・意見
     b.ロジカル・コミュニケーションの基本ステップ
  (2).論理では伝えきれない暗黙知
     a.暗黙知伝達の3点セット=アナロジー、メタファー、スト ーリー
     b.熟練者の観察・模倣による暗黙知の伝達
     c.行動・体感による暗黙知の体得
  (3).コンテクスト(文脈)の重要性
     ・コンテクストの3P(Purpose, Perspective, Position, 目的・視点・立場)
  (4).熟練者の意見(発言)の構造化
     a.意見(発言)の先鋭化、組織化(グループ化)、体系化
     b.各種フレームワークを利用
  (5).物事の本質を見極める思考法=目的思考と全体思考
     ・ロジックツリーが有用
  (6).図像(グラフィック)の活用
     ・発言者の言葉・表現をビジュアルに整理する
  (7).オートクラインで熟練者に気づきを与える
  (8).上位概念化と下位概念化(抽象化と具象化)
     a.チャンクアップとチャンクダウンを自在に
     b.ビッグチャンク、ミドルチャンク、スモールチャンク
  (9).意図・目的をもって質問を作り発する。
     a.視点を変える、問題をはっきりさせる具体的にする、気づきやひらめきを促す
     b.オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける
  (10).アクナレッジメント(承認)の重要性
     ・アクナレッジメントの三つの立場=I、You、We

8.言語化した暗黙知(ノウハウ)の文書化
  (1).暗黙知(ノウハウ)は一般化・上位概念化する
     a.一般化・上位概念化の手法=「つまり」と「要するに」
     b.具体化・下位概念化の手法=「例えば」と「具体的に言う と」
  (2).ノウハウ発案時に熟練者が悩んだ点を明記する
  (3).ノウハウ中の状況判断が基礎としている原理を抽出する
  (4).ノウハウ発案までの脈絡・背景を明記する
  (5).ノウハウの整理・体系化の例
    ・ナレッジブックの形で保管
  (6).ノウハウを新人・若手が体得する場の構築

9.熟練技術者の暗黙知(ノウハウ)の伝承・共有の仕組みの構築法の例
  (1).ベテランと新人・若手の間に「ナレッジ通訳としてじて熟練
     ・弁理士(暗黙翻訳家)が入り教え方を知らないベテランと
      教わるための知識と経験が足らない新人・若手の間の
      コミュニケーションギヤップと世代間ギャップを解消
  (2).新人・若手がベテランから教わりたい仕事上のノウハウやコツを
    「ナレッジ通訳が伝わり」やすい言語・表現に翻訳して「教わりたいリスト」にする
  (3).ベテランが新人・若手に教えたい仕事上のノウハウやコツを「ナレッジ通訳」が
      伝わりやすい言語・表現に翻訳して「教えたいリスト」にまとめる
  (4).「仕事のコツ勉強会」を定例開催し、新人・若手とベテランの双方
      (全員でなくても良い)が参加し、「教わりたいリスト」と「教えたいリスト」
      について  質疑応答を行い、両者間の相互理解を促進する
  (5).教わった仕事上のノウハウやコツを新人・若手が実践し、結果を次回の
      「仕事のコツ勉強会」で報告する、伝え方を改善しながら繰り返す
  (6).「仕事のコツ勉強会」見つかったベテランのしごとのノウハウやコツを文書化し
      「ナレッジブック」として保存する
  (7).「ナレッジブック」を使った新人・若手の教育体制を構築する
  (8).上記プロセスを1年かけて社内で仕組み化する
  (9).言語化してノウハウやコツ(暗黙知)に特許性があれば、直ちに特許出願(申請
      して権利化を狙う(あるいは企業秘密として秘匿する)

キーワード 知的資産活用 暗黙知 言語化 特許明細書 発明 熟練技術者 ナレッジブック 文書化
タグ 技術伝承業務改善人材育成文章の書き方使いやすさ・ユーザビリティ
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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