ガスケット付フランジ締結体の力学特性と漏洩防止策および設計への活かし方と施工のポイント実践講座 【弊社研修室】

~ 漏洩に関する事故例とその原因、ガスケットを用いた設計法、ガスケットの種類と使い方、ガスケット付フランジ締結体の力学と漏洩率を考慮した設計のポイント ~

・合理的なガスケット付フランジ締結体の設計法を実践的に修得し、漏洩事故防止に活かすための講座

・適切なガスケットの基礎知識と設計のポイントを修得し、技術者の経験や勘に頼らない漏洩に強いフランジ設計に応用しよう! 

講師の言葉

(第一部)

 ガスケット付フランジ締結体からの漏洩事故はしばしば発生している。この原因の一つは明確な科学的設計施工法が確立されていないためと、初期ボルト締付け力を如何に目標の締め付け力に近づけることができるか、などの問題がある。1980 年代に欧米では石綿ガスケットの健康被害から、非石綿ガスケットの使用に切り替わり、従来の石綿ガスケット時代に使用していたガスケット係数(m, y)に対する検証を行い、さらに気体を内部流体に使用すると、ガスケット接触面から微小でも漏洩が発生することが共通認識とされている。従来の漏れるか漏れないかではなく、漏洩率(単位時間当たりの漏洩量)を基準に設計施工する動きが一気に拡大している。

 しかし日本においては石綿製品の使用の禁止は 2008 年からであり、欧米とはかなりの時間的差が発生している。このため輸出産業ではかなり厳しい漏洩率をクリアするガスケット付フランジ締結体の設計施工が必須となっている。現実にはこれをクリアできる技術は一般化されておらず、早急な合理的設計施工法の確立が必要となっている。 本講習ではガスケットに関する過去の設計の流れを一瞥し、ガスケット付フランジ締結体の力学特性とこれに対する最新の設計施工法を紹介することを目的としている。特に 10-8Pam3/s レベルの漏洩率を達成するための試みも紹介する。

(第二部)

 設備の経年化や技術者の減少が進み漏洩事故は年々増加している。フランジ締結は見える化が難しく、未だ作業者の経験と勘に頼わざるを得ない状況である。また、漏洩事故に対し年々厳しい目が向けられており、現場の技術力の向上は喫緊の課題である。

 今回の講義は現場作業に対する基礎的な知識習得を目的として、ガスケットの基礎知識からボルト締め付け工程が漏洩率に及ぼす影響について説明する。さらに具体的に現場の管理ポイントを説明し、漏洩事故防止に向けた取り組みを紹介する。

 

セミナー詳細

開催日時
  • 2025年01月28日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・プラント系企業における現場の作業者、設計者の方、またはガスケット企業の方
・ボルト施工の計画者、管理者、現場責任者の方
予備知識 ・機械工学における初歩的力学知識、材料力学など
・高校レベルの力学
修得知識 ・実戦的なガスケット付フランジ締結体の合理的設計法が修得できる
・現場の問題点の把握や管理のポイントと漏洩事故防止策
プログラム

(第一部) 許容漏洩率を満足するガスケット付フランジ締結体の最近の力学特性と設計施工法

1.漏洩に関する事故例とその原因
  (1).漏洩事故の事例
  (2).漏洩事故の原因と対策

2.ガスケットを用いた設計法の変遷
  (1).ガスケット係数(m, y)を用いたガスケット付フランジ締結体の設計
  (2).タイトネスパラメータ Tp と新ガスケット係数(Gb, a, Gs)とガスケット付フランジ締結体の設計
  (3).上記設計法の問題点と現在の設計法の動向

3.ガスケットの種類と使い方分類
  (1).ガスケットの種類と使い方
    a. ガスケットとは
    b. ガスケットの種類
     ・ソフトガスケット
     ・セミメタルガスケット
     ・メタルガスケット

4.ガスケット、フランジ及びボルトに関わる基礎事項
  (1).初期ボルト締付け力の決定とばらつき
  (2). PCC-1及び JIS B 2251 によるガスケット付フランジ締結体のボルト締付け法と軸力のばらつき及び漏洩率の比較
  (3).ボルト締め付け方法と漏洩率の関係
    a. ボルト締め付け法
      ・締結体のボルト軸力のばらつきと漏洩率の官営及び組み立て効率ηの値
    b. ガスケット面圧と漏洩量 ( プラテン試験 )
  (4).内力係数の計算法と締結体特性(合理的締結体設計において何が必要か?)
    a. 内力係数の定義と一般的ガスケット付締結体の内力係数の求め方 ( ガスケット面圧 )
    b. ガスケット付フランジ締結体の内力係数 ( ガスケット種類、フランジの口径による差異、減少するガスケット接触応力をより正確に推定する )
    c. フランジ締結体の変形挙動とガスケット面圧
    d. ガスケット面圧と漏洩率
  (5).高温あるいは低温におけるガスケット付フランジ締結体の力学と特性

5.外荷重と内圧を受けるガスケット付フランジ締結体の力学特性と漏洩率を考慮した設計のポイント
  (1).内圧を受けるソフトガスケットを用いたフランジ締結体の特性 ( クリープ等を含めて ) ボルト締め付け及び漏洩率基準の締結体設計法に関して
  (2).内圧を受ける渦巻ガスケットを用いたフランジ締結体の特性と設計
     (大口径フランジ締結体は何故漏れやすいか?)
    a. ガスケット面圧分布の変化(初期ボルト締付け力時及び内圧作用時)
    b. ハブ応力について
    c. 最適初期ボルト締付け力の決定法
  (3).内圧を受ける金属平型ガスケット付フランジ締結体の特性解析と耐漏洩設計
    a. ガスケットの変形が弾性域と塑性域での漏洩率の変化
  (4).内圧を受ける O リングあるいはリングジョイントガスケット付フランジ締結体の特性と漏洩率及び設計について(10-8Pam3/s レベルの漏洩率を得るために)
  (5).内圧と曲げモーメントを受けるガスケット付フランジ締結体の特性解析と設計
  (6).高温における内圧を受けるガスケット付フランジ締結体の特性解析と設計

6.設計法のまとめ
  (1).内圧を受ける漏洩率を考慮したガスケット付締結体の設計の基本的考え方
  (2).ガスケット接触応力―漏洩率線図を用いた実際への同線図の変形法
     (ガスケットの内径と外径の比と直径及び内圧変化に対しての対応)
  (3).組み立て効率(ボルト軸力のばらつきによる漏洩を考慮)と内力係数を考慮した漏洩率を満足する締結体の初期ボルト締付け力の決定法
  (4).ボルト強度のチェック ( ボルト最大応力、座面応力、疲労強度 )
  (5).その他曲げモーメント及び高温温度条件下での設計法のまとめ

(第二部)漏洩事故防止のためのフランジ締結体に使用するガスケットの基礎と評価およびボルト締付方法のポイント

1.ボルト締め付け方法のポイントと漏洩率の関係
  (1).ボルト締め付け方法
    a. ボルト締結体の工具
    b. ボルト軸力のばらつき
    c. ガスケット面圧分布
  (2).ガスケット面圧と漏洩量
    a. フランジ締結体の変形挙動とガスケット面圧
    b. ガスケット面圧と漏洩率

キーワード ガスケット フランジ締結体 ボルト ソフトガスケット セミメタルガスケット メタルガスケット 初期ボルト締付け力 漏洩率 
タグ リスク管理安全規格・標準研究開発商品開発検査ねじバルプ・ポンププラント機械機械要素設備
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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