熟練技術者の「暗黙知の見える化による技能伝承」の具体的手法とそのポイント ~ 演習付 ~

~ 認知的スキルの抽出・分析、整理・表現、認知的タスク分析と技能分析による共有の仕組み構築と暗黙知の見える化手法 ~

・熟練技術者の技能ノウハウを見える化し、社内で効果的に共有し活用するためのポイントを学ぶ講座
・ベテランの熟練技術者の暗黙知であるカン、コツ、ノウハウ等を見える化し、技能伝承や新人教育の効率化に活かそう!

講師の言葉

 設計・開発等の仕事を通じてベテランの頭や身体の中に蓄積されてきた暗黙知(経験に基づくカン、コツ、ノウハウ)を、「認知的タスク分析」という手法を使って引き出し、「タスク分析表」に整理することで、ベテランの暗黙知を継承する具体的手法をお伝えします。
 理論的裏付けから具体的手法まで、少し学んで経験すれば現場で使えそうなレベルのお話をします。
 「暗黙知」とは、人が経験を通じて体得した、言葉では伝えられない(伝えにくい)知識や知恵のことです。
 人は経験を通じて有益な知識・知恵を創造・蓄積します。その知識・知恵は、判断(意思決定)の機会が多く、且つ判断の如何によって成果が大きく変わる仕事ほど、高い価値を持ちます。
 「タスク分析表」を作れるようになれば、団塊の世代が持つ熟練技術・技能の継承や、日常的な業務の引継、新人教育の効率化などが実現可能です。
 日本を代表する大企業を始め、多くの中小企業やベンチャー企業を相手に、暗黙知の塊と言える弁理士業務を長年やってきた弁理士が、暗黙知見える化の具体的手法をお伝えします。奮ってご参加ください。

セミナー詳細

開催日時
  • 2019年02月21日(木) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 研究開発・商品開発・ ビジネススキル
受講対象者 ・製品、部品、生産ライン等の設計や開発に携わる技術者及び管理者
・熟練技術・技能の伝承と社内共有に関心のある技術者及び管理者
・熟練技術・技能の共有による人材育成に関心のある技術者及び管理者
予備知識 ・企業における何らかの頭脳労働に関する知識と経験
(設計・開発業務の経験がある方が好ましいですが、講義では、これらの経験がなくても理解できる事例を採りあげて解説します。)
・好ましくは、企業における頭脳労働の熟練者が持つ技術・技能の伝承に関する知識・経験や、当該の技術・技能の共有による効率的な人材育成・開発に関する知識・経験等
修得知識  本講座により、以下のことを知ることができ、またそれらが実現可能であることが分かります。

・熟練技術者のノウハウ(暗黙知)を見える化する具体的手法がどのようなものか、分かります。
・熟練技術者のノウハウ(暗黙知)を次世代に伝承し社内で共有する仕組みとしてどのようなものがあるか、分かります。
・熟練技術者は、ノウハウ(暗黙知)言語化に習熟したインタビュアーとの対話を通じて、無意識でやっていた自分の思考法や習慣、思い込み等に気づくことができるので、自分のノウハウの改善・発展が容易になり、より価値の高いノウハウの創出が期待できます。
・この効果があるため、自分のノウハウの開示を積極的には望まない熟練技術者にも、言語化への協力を伝承してもらいやすくなります。
プログラム

1.暗黙知とは何か
 (1).二種類の知識
  ・形式知と暗黙知
 (2).暗黙知の二つの側面
 (3).暗黙知は人の直接経験から生まれる
 (4).仕事に含まれる暗黙知
  ・多くは認知的スキル
 (5).重要な認知的スキル
   a.状況認識(情報収集、情報解釈、状況予測)
   b.意思決定(問題明示、選択肢の比較検討)
   c.選択肢の選択と実行、結果の評価)が中心

2.暗黙知見える化を弁理士が始めた経緯
 (1).特許明細書作成という仕事で培われた3スキル
   a.準拠枠を使って技術情報から発明の本質・特徴を抽出するスキル
   b.準拠枠を使って技術情報を発明として概念化・抽象化するスキル
   c.準拠枠を使った面談・質問で発明者から必要情報を引き出すスキル
 (2).弁理士が使用する準拠枠
   ・発明の三要素-目的(課題)・構成(手段)・効果
   ・発明の課題解決原理(作用)と目的(課題)および効果との関係
   ・発明把握(クレーム作成)の思考パターン
   (3).弁理士の3スキルの暗黙知見える化への転用

3.暗黙知見える化の内容
 (1).暗黙知見える化の対象となるタスクの選定
   ・価値ある暗黙知の潜在可能性を考慮
   ・〇〇の設計、〇〇の企画等
 (2).暗黙知見える化の対象となる熟練者の選定
   ・経験〇〇年以上
   ・社内評価の高さ
 (3).選定熟練者の選定タスクに係る情報の予備調査
   ・社内標準
   ・社内蓄積の選定タスク関連文書
   ・社内標準の選定タスク実行手法に係る情報
 (4).選定熟練者との予備的打ち合わせ
   ・暗黙知見える化の実施要領の説明、協力依頼
   ・(3)の文書・情報の提供依頼
   ・タスク分析表の記入要領の解説
   ・選定タスクの内容に応じて熟練者の仕事現場を写真・動画で撮影
 (5).選定熟練者によるタスク分析表の記入(自問自答による)
   a.選定タスクの概要(全体像、要点、基準、使用ツール、必要な知識・経験等)を記入
   b.選定タスクをサブタスクに分解して記入
   c.各サブタスクの概要を記入
   d.各サブタスク実施中に行う思考・行動の概要を記入
   e.初心者・中堅者が失敗しやすいサブタスク、経験がものを言うサブタスクを特定
   f.特定サブタスクを選択した理由を記入
 (6).選定熟練者に対するインタビューの実行
   ・選定熟練者記入のタスク分析表を考慮して質問を準備
   ・インタビュー時間は通常2時間程度
   ・回答の如何に応じて複数回のインタビューもあり
   ・インタビューを録音(可能な場合は録画)
 (7).補足的な質疑応答
   ・インタビューで得た情報の不足を解消
   ・Eメール・電話を活用
   ・回答の如何に応じて複数回の質疑応答もあり
 (8).インタビュアーによるタスク分析表の完成
   a.選定熟練者記入のタスク分析表を補充・修正
   ・特定サブタスクを中心として熟練者の思考プロセスを分析
   ・インタビューと質疑応答で得た情報を使用
   ・(3)の予備調査で得た文書・情報を使用
   ・全サブタスクにおける思考・行動を記入
   ・全サブタスクにおける認知的スキルとカン・コツ・ノウハウを記入
   ・使用される準拠枠、思考プロセス等を記入
   b.補充・修正したタスク分析表内で参照する情報の収集・整理
    ・タスク分析表の該当箇所に対応する参照情報(文書、写真、動画等)を貼附
 (9).タスク分析表の検証
   ・完成したタスク分析表が使えるものかどうかを検証
   ・タスク分析表に基づく教材の使用予定者(後継者)にチェックを依頼
   ・チェック結果と必要に応じてタスク分析表を修正
   ・Eメールを活用
   ・必要に応じて、後継者・熟練者・インタビュアーによる三者間面談を実施
 (10).教材の作成
   ・完成したタスク分析表と参照情報を使って教材(テキスト)を作成
 (11).教材の利用
   ・座学による研修
   ・熟練者本人による指導・解説
   ・後継者による独習(トレーニング)
   ・OJT

4.暗黙知見える化に必要な知識
 (1).熟練者の特徴
   ・領域固有性、パターン認識、記憶能力、知覚能力
 (2).認知的タスク分析(Cognitive Task Analysis、CTA)とは
   ・認知とは
   ・タスクとは
   ・分析とは
 (3).認知的タスク分析の具体例
   ・タスク分析表の例
   ・ タスク分析表作成のコツ
   ・インタビュー・質疑応答のコツ
   ・教材の例

5.事例を用いた演習
   ・タスク分析表の作成演習(Excelを使用)
   ・教材の作成演習(PowerPointを使用)

キーワード  言語化 暗黙知 特許明細書 認知的タスク分析 技能伝承 タスク分析 技能分析手法
タグ 規格・標準技術経営技術伝承教育業務改善人材育成
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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