官能評価の基礎と実践におけるポイント ~1人1台PC実習付~

~ 官能評価の実験計画・実践の基本とポイント、統計手法およびPCを活用した演習 ~

・実習を通して官能評価技術を学び、製品・サービス開発で活用するためのスキルを身に付けるための講座

・製品・サービスの開発や改善に必須である官能評価技術をマスターし、自社の競争力を更に高めるためのセミナー!

※PCは弊社でご用意致します

講師の言葉

 私の専門は、人の視知覚特性を考慮した(主に観察者の対象の主観的大きさを考慮した)3D映像の再生法となっています。この研究はMR技術(URCF)の基礎技術の一つとなっています。ご存じのように、人の目はカメラとは異なる原理・原則で外界を認知してます。さらには、同じものを見ても人によって感じ方が異なっています。
 現在の物作りの現場では、このような主観的な“個性”を客観量な量として考慮した品質(感性品質)は、高い競争力を維持するために必須となってきています。

 そこで本講座では、その最も基本的な考え方と手法について紹介することで、
1)人は個性があるため、主観的な感じ方は一人一人異なること
2)一方で、統計学などの手法を駆使すると、一定の傾向が見いだせる場合があること

 以上の2点を実践的に理解していただければと思います。

セミナー詳細

開催日時
  • 2018年08月29日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー ソフト・データ・画像・デザイン
受講対象者 ・官能評価の経験のない方
・官能評価を行っているが、評価実験計画の立案、実践、結果の評価に関して総合的な理解が十分に得られていないと感じている方
(自動車、機械、電子機器、情報機器、食品、香粧品など業種は問わず、商品開発や評価に関わる研究・開発、マーケティング、商品企画、営業技術関連の方)
予備知識 ・予備知識はなくても十分です。講義で紹介した内容、参考文献と実習の内容を十分に復習していただければ、官能評価の概要をご理解いただけます
修得知識 ・実践的な事例や小実験を通し、官能評価の意味・意義の確認と評価実験計画の立案・実践・結果の評価方法を修得します
プログラム

1. 官能評価とは何か、いつ始まったものなのか?
  (1). 官能評価の始まり
      a. 具体的方法について
      b. その目的と適用例
  (2). 日本での官能評価
      a. 学会の定義から
      b. 官能評価の評価の特徴
      c. なぜ“官能評価”との名称になったのか?
      d. QC(品質管理)と官能検査
        ・分析型の検査と嗜好型の検査(Ⅰ型、Ⅱ型検査)
      e. 官能検査から官能評価へ
        ・官能評価検査の手法の重要性の拡大
      f. 官能評価で保証すべき点(客観性をいかに担保するか)
        ・信頼性を確保するために必要条件(信頼性と妥当性)
        ・測定法と感度
        ・パネリストに求められる能力
      g. 人をはかる(心理的手法と解析方法の実践:小実験)
        ・Weber–Fechneの法則の検証
        ・作業難度と作業時間の関係からのモデル構築
      h. 官能評価の重要性について(教示の重要性,インフォームドコンセント)
        ・人間でなくては、はかれないこと。人の特性:(順序効果等)

2. 実験計画・実践の基本(実験のやり方では何が大切か)
  (1). さまざまな官能評価実験 (感覚別の実験方法の差異)
      a. 官能評価は何のためにあるのか?
        ・官能評価システムと技術
        ・官能評価に影響を与える要因(要因の多い“食”を例に)
      b. 官能評価技術と実験環境(最も注意が必要な“食”を例に)
        ・評価方法(個室法、円卓法)
        ・施設機器(評価用サンプルの準備・提示、パネリストと教示)
        ・パネリストの選別・教育・能力維持,管理方法
        ・官能評価技術に与える生理的・心理的要因について
        ・“食”における代表的な評価手法
      c. 視覚を用いた評価実験の特徴
        ・他の感覚器の評価方法との差異
        ・評価対象とサンプルを同時に提示できる視知覚実験
        ・講師が普段実験に用いてる評価手法の紹介
        ・代表的な測定機器(心理学)
        ・移調法による方法
        ・移調法の方式の差異による測定結果の違い
        ・マグニチュード法による方法
      d. 錯視図形の主観的大きさのマグニチュード法による測定(:小実験)
        ・測定実験
        ・一人一人の特性と集団としての統計的特徴
        ・集計と統計的な検討 
        ・分散分析と下位検定
  (2). 第2章 まとめ
      a. 官能評価の評価手法について
      b. 感覚の特徴に従って、別に異なる手法が採用されている

3. 評価手法・尺度の考え方(統計手法の利用)
  (1). 官能評価におけるものさし
      a. 尺度の意味
      b. 尺度構成時の注意点
      c. 統計と尺度(4種類)
  (2). 官能評価と統計手法
      a. さまざまな官能評価手法
        ・測定における信頼性と妥当性
      b. 統計的特徴(採点法を例にして)
      c. 仮説検定の考え方
      d. 尺度の一元性の検定
        ・尺度の一元性の重要性
  (3). まとめにかえて
      a. 5%でなぜ検定するのか?
        ・ミルクが先か、紅茶が先か?
      b. (討論、統計手法そのものの持つ意味について)
        ・少し時間を使って、受講生の方々と議論したいと思います
      c. 偶然でない確率と検定の考え方
        ・第1種の誤りと第2種の誤りについて(第1種・第2種の誤りの持つ危険性/
医学や食品で本当に扱うべき誤りはどちらか?)

4. 自分の感覚を測ってみよう(官能評価の実践:視覚(錯視現象))
   注意点:測定手法によって、測定結果に差がないこと。人の主観的な印象を測ってみよう

  (1). 視覚の特徴について
      a. 赤色と青色が隣り合って矛盾のない視覚特性…とても客観的とは思えない
      b. では、対象の大きさに関してはどうか?
  (2). 錯視図形の紹介
      a. 古くから研究されている錯視図形の研究
      b. ミュラー・リヤー錯視図形の錯視量の測定について
      c. 測定の目的と測定方法
        ・測定することで何が知りたいのか?
        ※測定法によって測定結果が変わることがないことが重要
  (3). 測定環境による測定誤差の可能性
      a. 測定環境の工夫の必要性 …何のためにするのか?
        ・工学的な目的と理学的な目的の差異
      b. ミュラー・リヤー錯視図形の錯視量の測定(2):実習
        ・被験者個人と統計的な傾向について必ずしも個性が十分反映されているとは
         限らないことを確認する。工学的利用時の注意点
  (4). まとめにかえて
        ・VR(両眼立体視映像)における対象の大きさの決定方法について
         (講師の研究結果を参考にして)実験環境の構築、教示、分析
        ・主観的透視投影法について

キーワード 官能評価 分析型 嗜好型 Weber–Fechneの法則 順序効果 個室法 円卓法 パネリスト 第1種の誤り  第2種の誤り
タグ 感性・脳科学・認知工学生理・官能検査
受講料 一般 (1名):50,600円(税込)
同時複数申込の場合(1名):45,100円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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