自動車操縦安定性の基礎と運転フィーリングへの応用

〜 タイヤの力学、車両諸元と車両応答特性の関係、フィーリングと物理特性の関係 〜

・物理特性の違いが運転フィーリングにどう影響するかが理解できる特別講座

操縦安定性について式の導出だけではなく、物理的な意味も含めて体系的に理解し、製品開発へ応用しよう!

講師の言葉

 車の基本性能である「走る、曲がる、止まる」の中で、「曲がる」はいかに曲がるかに注目されがちであるが、安定性の重要性はあまり注意を向けられていない。それらの内容を理論的に説明する操縦安定性理論は、式で表す事が一般的であるが、その物理的な意味も併せて理解する事は重要である。たとえば、スピンする条件は式で明確に示すことは容易であるが、その時の力のバランスを説明している本は少ない。
 本講義では、物理的な意味の説明にも多くの時間を割くようにする。
 また、理論から得られる定量的な評価量や、シミュレーションによる応答波形の違いが、実際の運転フィーリングとどう結びつくのかも重要である。しかし、まだ学会などでも考え方が定まっておらず、ノウハウ的な面もあり、共通の評価尺度がない状況である。講師の一見解ではあるが、メーカー時代に経験した内容を、できるだけ整理した形で紹介する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年12月14日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・自動車、自動車部品、電装品関連企業の技術者の方 ・操縦安定性の基礎理論を、これから学ぼうとする方 ・操縦安定性の基礎は理解しているが、復習して、全体像を体系的に整理したい方 ・シミュレーション結果などが、運転フィーリングにどう影響を与えているかを知りたい方
予備知識 ・機械力学(物体の運動、回転)の基礎知識 ・古典制御理論(ブロック線図、伝達関数、など)は理解していることが望ましいが、なくても理解はできるように説明する
修得知識 ・操縦安定性の基礎理論を、式の導出だけでなく、物理的な意味も含め体系的に理解することができる ・シミュレーションや実験から得られた物理特性の違いが、運転フィーリングにどう影響するかについても理解を深めることができる ・タイヤの基本特性と、力を発生するメカニズム
プログラム

1.イントロダクション(旋回運動の難しさ)
 (1).意外に難しい「理想的な旋回」に必要な力
 (2).加減速運動に比べて旋回運動で苦労する内容
     a.回転は並進より速く出さねばならない
     b.系の安定性も確保しなくてはならない

2.タイヤの力学
 (1).コーナリングフォース(および横力)の発生メカニズム
     a.横力/コーナリングフォース
     b.前後方向の力
     c.タイヤの変形と発生力
     d.制動力/駆動力
     e.スリップ角とスリップ比が同時に生じた場合
 (2).非線形域ではどうなっているか(誤解の多い摩擦円特性)
 (3).キャンバスラストの発生メカニズム
 (4).その他
     a.タイヤ間の荷重の移動による影響
     b.タイヤ間の荷重の移動による影響

3.運動方程式
 (1).5つの基本方程式とその力学的意味
     a.剛体の運動の式
     b.タイヤのコーナリングフォースの式
     c.旋回運動を表現する式
 (2).旋回運動を表す、ヨーレイト、横加速度、車体横滑り角、3者の関係と見方

4.固有特性(車両諸元から直接読み取れる特性)
 (1).スタビリティファクタ
     a.一般的な定義式;旋回半径の車速依存性としての意味
     b.安定/不安定を左右している、力学的な意味
 (2).ステア特性(アンダーステア、オーバーステア)
     a.スタビリティファクタとステア特性
     b.ステア特性と安定性のズレ
       オーバーステアでも、なぜ低速では安定か。この状態は、OK領域か
 (3).ニュートラルステアポイントとスタティックマージン
 (4).操安キャパシティ

5.伝達関数
 (1).ヨーレイト、車体横滑り角、横加速度、の伝達関数
 (2).状態方程式表現との得失
     a.伝達関数
     b.コーナリングパワーの変化(サスペンション剛性の影響)

6.車両諸元と車両応答特性の関係
 (1).車速の影響
 (2).車両諸元の影響
    (質量、ヨー慣性モーメント、重心位置、ホイルベース、前輪コーナリングパワー、後輪コーナリングパワー)の影響

7.フィーリングと物理特性の関係
 (1).応答性を支配する物理量
 (2).収束性・安定性を支配する物理量
 (3).ロール感を支配する物理量
 (4).車体横滑り角が影響するフィーリング

キーワード 操縦安定性 コーナリングフォース 車体横滑り角 スタビリティファクタ アンダーステア オーバーステア ニュートラルステアポイント スタティックマージン フィーリング 物理特性
タグ 自動車・輸送機
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
こちらのセミナーは受付を終了しました。
次回開催のお知らせや、類似セミナーに関する情報を希望される方は、以下よりお問合せ下さい。
contact us contact us
各種お問い合わせは、お電話でも受け付けております。
03-5322-5888

営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日