転がり疲れの基礎と転がり軸受の寿命予測および長寿命化技術　～演習付～

講師の言葉

　転がり軸受は回転を伴う機械に使用され、大きな力を受けながら滑らかな回転を担う重要な機械要素です。転がり軸受内部の接触部位では点あるいは線接触し、繰り返し高い応力を受けながら転がり運動が行われるため、正常な潤滑条件下で使用された軸受であっても、転がり運動に伴う疲れ現象が生じ、荷重の大きさによって接触部表面がうろこ状に剥がれる「はく離」を生じます。転がり軸受のはく離による損傷は機械の信頼性に大きな影響を及ぼすため、古くからはく離の寿命予測式が研究されており、現在も使用されています。
　本セミナーでは、転がり疲れ寿命について基本から解説をし、寿命計算式を用いた計算および寿命データーの統計的な解釈について演習を行うことで転がり軸受の寿命の取り扱いについて理解していただきます。更に実際に発生しているはく離損傷について解説し、各はく離損傷に対する適正な長寿命化技術について理解を深めます。