高性能リチウムイオン電池開発のための電気化学測定技術と安全性・耐久性向上を実現する電極活物質の表面改質技術

〜 電気化学と測定法、リチウムイオン電池合剤電極内イオン輸送の解析と評価、活物質の表面改質の目的と効果、炭素質電極活物質 〜

  • 高性能リチウムイオン電池開発に不可欠な電気化学測定法と電極活物質の改善技術を学び、製品開発に活かすための講座
  • リチウムイオン電池の電気化学測定・解析・評価と正・負極の特性改善技術を解説する特別セミナー!

講師の言葉

<第1部>

 すでに小型機器はもちろん電気自動車にも搭載されているリチウムイオン電池(LIB)ですが、さらなる高性能化が期待されています。もちろんさらに高性能な次世代型二次電池の研究も行われていますが、やはりLIBの高性能化が重要となっています。LIBの高性能化には基礎に立ち返った研究が必要です。そのため、最近では基礎研究も盛んに行われています。LIBの基礎研究は材料の物性評価だけでなく、電気化学測定が必要不可欠です。最先端の分光手法も盛んに適用されており、新しい知見が得られていますが、やはりLIBの基礎は電気化学特性です。

 本セミナーでは電気化学測定で何がどこまで研究できるのかを電気化学の基礎と電気化学測定の基礎とともに説明します。特に、基礎研究を進めるにあたって有効なバインダーフリー材料(薄膜電極)を用いたリチウムイオン電池電極の評価、電極/電解質界面の評価を中心に、サイクリックボルタンメトリー測定や交流インピーダンス測定などの電気化学測定に関して実施例を紹介し、また、合剤電極との違いなど測定の注意点とともに解説します。なお、各受講者の解析に関する質問も受け付ける予定です。

<第2部>

 リチウムイオン二次電池は、エネルギー貯蔵デバイスとして大きく発展している。このデバイスの主要素材である正・負極の電極活物質の性質と課題を理解し、この課題の改善方法としての表面改質について解説する。

 この表面改質によれば、電極活物質材料粒子の表面のみの僅かな改質で粒子全体の特性を改善でき、弊害が少なく、大きな効果を得ることができ、きわめて有用な技術である。そして、今後のリチウムイオン二次電池の特性向上を進めるにおいて、その有用不可欠な重要技術である。本講では、正・負極の各活物質について、それぞれの課題とそれに対応した表面改質技術について解説する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年10月27日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備加工・接着接合・材料化学・環境・異物対策品質・生産管理・ コスト・安全研究開発・商品開発・ ビジネススキル
受講対象者 ・リチウムイオン二次電池関連の技術者、研究者の方 ・企業などでリチウムイオン電池の研究開発に携わっているが、電気化学測定によりどのようなことが分かるのか、何が分かるのかなど、リチウムイオン電池の研究を行うにあたり、電気化学測定を基礎から学びたい方 ・電気化学測定は一通りできるが、原理やどのような系に適用すべきかなどに疑問を持たれる方
予備知識 ・大学学部レベルの電気化学の知識があることが望ましいですが、未履修でも考え方は分かるように説明します
修得知識 ・リチウムイオン電池の基礎研究を行うにあたって必要な電気化学測定に関する知識 ・電極活物質の性質特長使用方法に関する知識
プログラム

<第1部>

1.リチウムイオン電池及び電気化学の基礎

 (1).リチウムイオン電池の基礎

   a.リチウムイオン電池の構造(正極、負極、電解質)

   b.二次電池のエネルギー密度の考え方

   c.リチウムイオン電池における内部抵抗

 (2).電気化学の基礎

   a.電流と電位

   b.電気化学セル(二電極式?三電極式?)

   c.電位の制御とポテンショスタット

  d.電荷移動過程と物質輸送過程

2.リチウムイオン電池における電気化学測定法の基礎

 (1).サイクリックボルタンメトリー測定

   a.サイクリックボルタモグラムの分類・特徴(可逆系・非可逆系・準可逆系等)

   b.サイクリックボルタモグラムから得られる情報

   c.測定上の注意点(電子伝導性・電気二重層・対極)

 (2).充放電測定

   a.充放電容量に影響する因子

   b.サイクリックボルタモグラムとの関係

 (3).交流インピーダンス測定

   a.抵抗とコンデンサの回路とナイキストプロット

   b.種々のセル(二電極式・三電極式・四電極式)の考え方

   c.等価回路の基礎

  d.界面イオン移動過程の活性化エネルギーと測定上の注意点

3.薄膜電極を用いた電気化学測定例

 (1).バインダーフリー電極の基礎

   a.合剤電極の問題点

   b.薄膜電極と合剤電極のNyquistプロット

 (2).各種薄膜電極における電気化学測定例と電極/電解質界面におけるリチウムイオン移動

4.リチウムイオン電池合剤電極内イオン輸送の解析

 (1).モデル多孔性材料を用いたイオン輸送解析

 (2).合剤電極内イオン輸送解析

5.質疑応答

<第2部>

1.リチウム電池と活物質

 (1).リチウム電池概論 

 (2).各活物質の性質と課題

2.活物質の表面改質の目的と効果

 (1).機能付加効果

   a.導電性付与

   b.犠牲腐食性付与

   c.高容量化

 (2).粒子バルクへの効果

   a.結晶変形抑制

   b.結晶変態抑制

   c.イオン拡散性向上

 (3).被着封止効果

   a.粒子割れ抑制

   b.酸素放出抑制

   c.表面反応抑制

 (4).電解液界面への効果

   a.SEIの生成と制御

   b.金属イオン溶出抑制

3.LiCoO2

 (1).高充電圧化による容量向上

 (2).活物質による被覆処理

   a.Li(NiCoMn)O2

   b.LiMn2O4

   c.LiFePO4

 (3).金属酸化物による被覆処理

   a.ZrO2

   b.Al2O3

   c.MgO

   d.TiO2

   e.SiO2

4.LiNiO2系(高Ni-NC、高Ni-NCM、NCA)

 (1).コアシェル型・組成傾斜型活物質

 (2).金属酸化物による被覆処理

   a.ZrO2

   b.TiO2

   c.La2O3

5.NiMnCo三元系

 (1).活物質による被覆処理

   a.Li(NiMn)O2

   b.LiFePO4

 (2).金属酸化物による被覆処理

   a.Al2O3

   b.ZrO2

   c.LiAlO2

6.Li過剰固溶体系

 (1).金属酸化物による被覆処理

   a.TiO2

   b.SiO2

   c.Li2ZrO3

 (2).金属リン酸化物による被覆処理

   a.AlPO4

   b.LiNiPO4

7.LiMn2O4系

 (1).活物質による被覆処理

   a.LiCoO2

   b.スピネル系活物質

 (2).金属酸化物による被覆処理

   a.SiO2

   b.ZrO2

   c.ZnO

   d.CeO2

 (3).導電性材料による被覆処理

8.5V級スピネル系

 (1).金属酸化物による被覆処理

   a.Al2O2

   b.SiO2

   c.ZnO

   d.LiAlO2

 (2).金属リン酸化物による被覆処理

   a.AlPO4

   b.FePO4

   c.LiFePO4

9.LiFePO4

 (1).導電性向上技術の位置付け

 (2).炭素質導電層の形成処理

 (3).非炭素質導電層の形成処理

   a.金属材料導電層の形成処理

   b.非金属導電層の形成処理

   c.リチウムイオン導電層の形成処理

10.Li4Ti5O12

 (1).炭素質導電層の形成処理

 (2).非炭素質導電層の形成処理

   a.金属導電材料による被覆処理

   b.非金属導電層の形成処理

11.炭素質電極活物質

 (1).表面の化学的改質

   a.表面酸化処理

   b.表面フッ素化処理

 (2).炭素質の被着処理

   a.ソフトカーボン被覆処理

   b.ハードカーボン被覆処理

 (3).非炭素質の被着処理

   a.金属・金属酸化物の被着処理

   b.有機高分子材料の被着処理

12.まとめ

キーワード リチウムイオン電池 電解質 電気化学セル 電気化学測定法 電子伝導性 充放電測定 等価回路  界面イオン 活性化エネルギー イオン輸送解析 電子伝導性評価 活物質 表面改質 高容量化 電解液界面 高充電圧化 被覆処理 導電性 形成処理 炭素質電極活物質
タグ 分析安全化学化学物質環境リチウムイオン電池表面改質表面処理・めっき電気電気化学電池
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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