最適状態推定技術の基礎と実時間推定システムへの応用

~ 確率統計とベイズ推測、状態空間モデルと状態推定、カルマンフィルタ、パーティクルフィルタ、モンテカルロフィルタ ~

・より柔軟で高度な推定が可能となり、実システムへの応用が進んでいる最適状態推定技術を修得し、応用するための講座

・逐次的な計算アルゴリズムである為、実時間での推定に適し、人工知能などとの融合でより高度な処理もできる最適状態推定技術を先取りし、システム開発へ活かそう! 

講師の言葉

 最適状態推定技術は、数学で厳格に定式化された最適フィルタの枠組みを更に発展させたもので、コンピュータの計算能力の劇的な向上とあいまって、より柔軟で高度な推定が可能となってきています。その典型例が「パーティクルフィルタ」と呼ばれるモンテカルロ近似に基づく状態推定法で、1990年代に発明された後、更なる研究が進み、より高度な方法論へと発展しています。逐次的な計算アルゴリズムである為、実時間での推定に適しており、さまざまな実システムへの応用も進んでいます。
 確率論と統計学(ベイズ統計)に基づき定式化されているので、他の確率的な手法との親和性も高く、最新のさまざまな方法論(知能情報技術・人工知能など)との融合も可能です。例えるなら、まるでピザのように、他の各種手法や方法論をトッピングとして載せることができる、そういうフレームワークを提供するのが最適状態推定技術です。本講義では、最適状態推定技術の基礎から応用までを、順に、幅広く学びます。

セミナー詳細

開催日時
  • 2019年04月02日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー ソフト・データ・画像・デザイン
受講対象者 ・研究開発において、時系列解析、センサ信号処理、動画像処理、ビッグデータの分析、自律移動ロボット、ドローン、自動運転などに取り組んでいる方
・あるいはそういった課題に興味のある方
予備知識 ・数学的素養(理系の大学卒業程度以上の知識)
・プログラミング(C言語など)の経験があると望ましい
修得知識 ・最適フィルタの歴史と概略がわかる
・確率統計およびベイズ推定の基礎がわかる
・状態空間モデルと状態推定の理論的な定式化がわかる
・カルマンフィルタのアルゴリズムと用途がわかる
・パーティクルフィルタの基本として、最もシンプルなアルゴリズムの「モンテカルロフィルタ」がわかる
・パーティクルフィルタのさまざまな発展形を知ることができる
・状態推定技術の応用事例を知り、状態空間モデル構築の具体例を知ることができる
プログラム

1.最適状態推定の歴史概観
  (1).ノイズ除去とフィルタ
    a.用語「フィルタ」について
    b.信号のノイズ除去
    c.周波数フィルタ
  (2).最適フィルタと最適状態推定
    a.ウィナーフィルタの目的と概要
    b.カルマンフィルタの概要と応用
    c.最適フィルタの更なる発展

2.確率統計とベイズ推測
  (1).確率の基礎
    a.確率の定義
    b.条件付き確率
    c.確率における独立
    d.確率変数と確率密度関数
  (2).統計の基礎
    a.統計モデルとパラメータ推定
    b.最尤推定と最小二乗法
  (3).ベイズ推測
    a.ベイズ推定と最尤推定
    b.共役事前分布
    c.逐次ベイス推定

3.状態空間モデルと状態推定
  (1).状態空間モデルの定式化
    a.問題設定
    b.マルコフ性と条件付き独立性
  (2).状態推定の定式化
    a.状態推定の種類
    b.状態推定の形式的な解
  (3).パラメータ推定とモデル選択
    a.固定パラメータの推定
    b.モデル選択

4.各種の最適フィルタアルゴリズム
  (1).カルマンフィルタ
    a.非定常信号源と観測過程を持つモデル
    b.線形ガウス状態空間モデル
    c.カルマンフィルタのアルゴリズム
  (2).パーティクルフィルタの基本形
    a.モンテカルロフィルタ
    b.動画像における検出前追跡~CONDENSATION
    c.モンテカルロ自己位置推定
  (3).パーティクルフィルタの発展形
    a.補助変数パーティクルフィルタ
    b.逐次モンテカルロフィルタ
    c.ラオブラックウェル化による分散減少法
  (4).複数対象の同時追跡
    a.ランダム有限集合による状態空間モデル
    b.PHDフィルタによる1次近似状態推定
    c.PHDフィルタの各種実装法
    d.LMBフィルタなど発展的なフィルタ

5.応用事例と状態空間モデリング
  (1).簡単なモデル
    a.トレンドモデル
    b.非線形モデル
  (2).実際的なモデル
    a.ターゲット追跡
    b.成分分解
    c.自己位置推定
    d.SLAM:自己位置と地図の同時推定
  (3).動画像における検出前追跡
    a.特定色対象の追跡
    b.両手挙動の推定
    c.顔姿勢の推定
  (4).発展的なモデル
    a.複数異種センサの情報融合
    b.複数対象の同時追跡
    c.知能情報技術(人工知能)との融合

キーワード 最適状態推定技術 ノイズ除去 フィルタ ウィナーフィルタ カルマンフィルタ ベイズ推測 パラメータ推定 状態空間モデル 自己位置推定
タグ 統計・データ解析AI・機械学習SLAM・自己位置推定信号処理センサ画像
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
こちらのセミナーは受付を終了しました。
次回開催のお知らせや、類似セミナーに関する情報を希望される方は、以下よりお問合せ下さい。
contact us contact us
各種お問い合わせは、お電話でも受け付けております。
03-5322-5888

営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日