破面解析(フラクトグラフィ)の進め方と破壊事例および破損原因究明の実践 〜サンプル品による実習付〜

〜 破損解析の適切な正しい手順、第一破損・破損経過の特定法、各種破壊の事例と破面写真、破損品試料を用いた原因究明の実習と観察ポイント 〜

  • 講師の豊富な経験に基づき、破損原因調査の正しい手順と目視による破面観察および判断のコツを、実習を通して解説する講座!
  • 材料力学の知識を有効活用して破断面解析を行う技術を基礎から学び、正確で効率的な破損原因究明に活かそう!

講師の言葉

 機械・構造物の設計、製造、運転管理に携わる技術者はしばしば製品や設備の破損破壊を経験します。その原因を調査する場合、まず材料の顕微鏡組織観察や化学分析、材料試験などから始めていませんか?これは必ずしも正しい手順ではありません。

 私は北海道大学機械工学科在任中から約50年近く破損破壊事故の鑑定、調査に携わり、250件以上の調査実績を有しています。その経験から、まず破壊の状況と破面から「第一破損」を特定し、破損経過を推論すること、詳細な試験や分析は、その推論の検証確認と位置付けるべきことを推奨しています。

 本セミナーでは多くの調査事例を紹介しながら、このような観点による破損解析の手法を講義し、また手順の中で最も重要な「目視による破面の観察、判断の実習」を行います。破損破壊の原因調査に携わる技術者研究者が、適切な手順で調査し、正しい結論を導けるようになることを期待しています。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年06月19日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・企業で設計、製造、品質保証、設備の保守保全等に携わる技術者の方 ・企業あるいは公的試験研究機関で破損品の原因調査を担当する技術者、研究員の方
予備知識 初等材料力学の知識(引張圧縮、梁の曲げ、ねじり、組合応力、応力集中など)および鉄鋼材料の基礎知識(鋼種、熱処理など)があることが望ましいが、必要に応じて解説しながら進めます。
修得知識 (1).破損原因を調査する場合の手順と、特に「まず全体の把握」が重要であることを理解する。 (2).破損破壊の種類とその特徴、破壊に寄与する力学条件、材料条件、環境条件の基本事項を理解する。 (3).破壊の種類は、殆どの場合、破損状況および破面から、目視観察で判断できることを理解する。また破壊に寄与した要因に関する多くの情報が、破面の目視観察で得られることを理解する。 (4). (2)(3)を、実際の破面観察実習で学び、基本的な判断法を習得する。 (5).破損原因の調査の正しい手順を習得する。特に、SEM観察や化学分析、金属組織、材料試験等の詳細試験の位置づけを再確認する。詳細試験は、手順を誤ると正しい調査結果が得られないことを理解する。 (6). 多くの破損事故調査事例の解説から、事故の殆どが特殊な現象ではなく、延性破壊、脆性破壊、疲労破壊等のごく一般的な破壊現象によって生じていること、その調査には高度な計算や詳細な試験分析よりも、目視観察と初等材料力学の知識が最も有効であることを理解する。
プログラム

第1部 破損解析の概要と解析事例

1. 破損解析概要

  (1). 破損解析の目的

  (2). 損解析の手法と手順

  (3). 講師による破損解析事例のまとめ(破壊型式別、主要因別データ)

2. 破損破壊の種類・分類とその概要

  (1). 破損破壊の種類と分類、その意義

  (2). 各種破壊(延性破壊、脆性破壊、疲労破壊 など)の特徴と破面

3. 破損解析におけるフラクトグラフィ

  (1). 巨視フラクトグラフィと微視フラクトグラフィ、その位置づけ

  (2). 巨視破面から読み取れる情報

  (3). 各種破壊の破面例とその解説

4. 破損解析の進め方

  (1). 第一破損の判断と破損経過の推定

  (2). 調査による判断、推定の検証と確認

  (3). 不適当な調査手順によって誤った結論となった例

5. 破壊事故調査事例:破面の写真も多数紹介します

  (1). 延性破壊、過荷重による破壊の事例

  (2). 脆性破壊の事例

  (3). 疲労破壊の事例

  (4). 環境脆化による破壊の事例

  (5). 座屈および腐食、摩耗による破壊の事例

第2部 破面の目視観察実習 (3時間程度予定)

 約40点の破損品試料を用い、各試料について、破壊状況、破面を観察してスケッチし、破壊の種類(判断の理由)、破壊の起点、作用した応力の種類と大きさの概略、材料欠陥あるいは他の要因の寄与の有無、などを判断する。破損品には延性破壊、脆性破壊、各種応力条件下での疲労破壊が含まれる。基本課題、応用課題、困難課題を含む13〜15点の破面を判断する。

 その後、講師が全試料について観察の重要ポイントと判断、結論を解説する。また関連する問題(聴講者の実務上の課題を含む)について質疑討論する。

キーワード 破損解析 破損破壊 延性破壊 脆性破壊 疲労破壊 巨視フラクトグラフィ 微視フラクトグラフィ 第一破損
タグ 金属材料疲労強度設計材料力学・有限要素法設計・製図・CAD
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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