電子機器の熱設計の基礎と強制対流冷却技術への応用　〜 1人1台PC実習付〜

講師の言葉

　電子機器の冷却でファンを用いた強制空冷は広く使われています。しかし.,高密度実装された電子機器にファンを設置した場合に、ファン近傍の構造の複雑さから流れが乱れ、ファンの正しい冷却性能が簡単に見積もれなくなるケースが多々あります。

一方で、設計の高速化の要求から、熱設計における実験や3D-CFDベースの検討の負荷を最適化するための、1D熱設計ツールの導入に対する要望が大きくなっています。

このような動きは、水冷デバイスや熱交換器の熱設計などでも見られます。

　今回の講座では、特に強制対流冷却を行う電子機器の1D熱設計技術の構築に向けた基礎情報を整理して頂くことを目的に、設計の『現在』を理解するための一連の話題を提供いたします。

特に流体工学の基礎、高密度実装電子機器の熱設計において必要なファンの性能予測手法の紹介、1D熱設計技術の基礎について分かり易く解説いたします。

　この講座を通じて、受講者の皆さんが、ファン空冷熱設計の簡易化につながる1D設計に、手持ちのPCで簡単にトライできるようになることを目標とします。

　一方で、更なる電子機器の高集積化に伴う高発熱密度化に対応するための伝熱促進技術の開発や、冷却システムの消費電力の低減が強く求められています。

　講座では、熱設計の『未来』に繋がる技術シーズとして、「バイオミメティクス（生体模倣科学）」、生物の優れた構造や機能などを解析して、そこに潜む原理を解析し、新たな工学技術の開発につなげる観点から取り組まれている最新の冷却技術について話題提供いたします。

　製品の熱設計を考えるひとつのきっかけにしていただければ幸いです。

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