機械材料の基礎と適切な選定 および機械設計への活かし方

〜材料の許容応力に基づいた設計と疲労・高温・腐食環境下における材料の基準強さ〜

各材料の特性を正しく把握し、機械や構造物の開発設計へ活かすための特別講座

・機械や構造物の使用環境に合わせて適切な材料を選定し、機械・構造物の高強度・長寿命化を実現しよう!

講師の言葉

 人類の快適な生活支える機械は色々な材料の組み合わせで作られています。従って、機械の設計において、材料の特性を理解し、適材適所に組み合わせ使いこなすことが重要です。
 しかし、その材料は世の中に数万種類存在するとされ、日々新しい材料が出現しています。材料工学の専門家でも材料の持つ多様性に手を焼いています。
 まして、専門外の方には整理しにくい分野であり、材料に関する教科書は材料工学の基礎に重点が置かれた本や種々の材料の羅列的紹介に偏った本が多いように思います。材料の多様性をもたらしているのは「材料を構成する元素の多さ」、「材料が構造を持ち、構造により特性が変化する」、「材料の多くが非平衡の状態で使われる」ことだと考えます。
 この三つの側面から材料の持つ多様性を整理し、種々の材料の特性が環境、材料の持つ構造によりどのように変化するか理解して頂き、自社製品の高信頼性を実現できるよう設計の際に適切な材料選択を考える指針が得られるよう解説致します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年01月18日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・これから機械設計や製造の実務に就かれる技術者の方 ・機械設計や製造の経験があり、機械材料の知識の幅を広げたいと考えておられる方 (自動車をはじめとした輸送機器、各種機械、プラント、電子機器、建材などの研究開発、設計技術、信頼性保証、解析等に関わる研究者、技術者の方)
予備知識 ・応力・ひずみの知識があれば理解が深まります
修得知識 ・機械材料に関する俯瞰的整理 ・材料の分類と各材料の力学的特性 ・材料に対する要求特性を理解した上で、機械や構造物の設計時に適切な選定が出来る ・馴染みの無い材料に出会ったときに、どう考え対処するかの手がかりが得られる
プログラム

1. イントロダクション 〜材料と産業、発展の歴史〜
  (1). 講演の主旨と概略の説明
  (2). 身の周りにある材料と生活
  (3). 材料と日本の産業
  (4). 材料の発展の歴史

2.機械設計と材料
  (1). 機械設計の概要
  (2). 機械設計における機械工学と材料工学の役割
  (3). 機械設計に関わる要素と材料特性
  (4). 許容応力に基づく設計概念:壊れず安全に使用できることが機械設計の基本
  (5). 許容応力に基づく設計概念における「設計応力」、「許容応力」、「基準強さ」、「安全率」の意味
  (6). 機械設計における材料力学の役割と限界
      a. 材料力学の基礎は単純:材料力学の基礎は「力の釣合と幾何学上の近似」と「材料の弾性係数」
      b. 材料力学を使って求められる値と意味
      c. 実際の設計における材料力学の限界と有限要素法の活用(CAE:CADとFEM)
  (7). 許容応力に基づく設計概念における材料基準強さを決める要因と材料の構造
  (8). 許容応力に基づく設計概念における安全率の意味
  (9). 許容応力に基づく設計概念による材料選択の簡単な例

3.機械に使われる材料の分類
  (1). 材料の果たす機能からの分類
     ・構造材料と機能性材料
  (2). 材料を構成している物質による分類
     ・金属材料、高分子材料、セラミックス(ガラス)、複合材料
  (3). 金属材料の分類
     ・鉄鋼材料、非鉄金属材料(アルミ、銅、チタン、マグネシウム、など)
  (4). 高分子材料の分類
     ・熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー
  (5). 材料の種類と材料記号

4.材料の基本的力学的特性を知る
  (1). 引張り試験法
  (2). 公称応力-公称歪み線図
  (3). ヤング率、降伏応力、耐力、引張り強度、均一伸び、全伸びの定義とその意味
  (4). 強度と延性・靱性

5.材料の構造と性質
  (1). ミクロからマクロまでの材料の構造
  (2). 材料の構造を知る方法の発達と原理
  (3). 材料の最もミクロな構造
      a. 原子の結合形態と量子力学(ダイヤモンドからDNAまで)
      b. 一次結合 (共有結合、イオン結合、金属結合)
      c. 二次結合(水素結合、ファンデルワールス結合)
  (4). 原子の結合形態と材料の基本的特性

6.熱力学的平衡と速度支配現象
  (1). 熱力学的平衡と非平衡
  (2). 平衡状態図
  (3). 速度支配現象
  (4). 速度支配現象と材料の多様性

7.材料の強化法
  (1). 金属材料の強化法
    ・固溶体強化、析出強化、歪み強化、変態強化、結晶粒微細化による強化
  (2). 高分子材料の強化法
  (3). セラミックスの強化法
  (4). 複合材料の強度

8.金属材料の加工・熱処理
  (1). 熱間加工・冷間加工
  (2). 溶体化後時効
  (3). 焼き入れ・焼き戻し・焼きならし
  (4). 加工熱処理と材料記号

9.材料の使用環境と材料基準強さ
  (1). 静荷重
    ・静荷重下で使用される機械の設計に対する考え方
  (2). 繰返し荷重
      a. 疲労破壊の実例
      b. 疲労破壊の機構と疲労強度
      c. 繰り返し荷重下で使われる機械の設計に対する考え方
  (3). 高温
      a. 材料にとって高温とは
      b. クリープ破壊の実例
      c. クリープ変形の機構とクリープ強度
      d. 高温で使われる機械の設計に対する考え方
  (4). 腐食
      a. 腐食の実例
      b. 乾食と湿食の機構と防食法
      c. 腐食環境で使われる機械の設計に対する考え方

10.その他の材料特性と設計の関わり
    ・溶接性、加工性など

11.インターネットを活用し「設計」・「材料」に関する情報を取得する例を説明

12.まとめ
 
講演後に、講演で参考にした資料の引用元、参考になるウェブサイトのアドレス一覧および講演の資料を載せたDVDを配付します

キーワード 熱力学的平衡 速度支配現象 熱可塑性  熱硬化性樹脂 引張り試験 ヤング率 降伏応力 引張り強度 熱間加工 冷間加工 焼き入れ 焼き戻し 焼きならし 許容応力 静荷重 繰返し荷重 クリープ破壊
タグ プラスチック金属金属材料機械強度設計
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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