新FTA技法の基礎とトラブル未然防止への応用

〜システムの信頼性モデル化手法、FTA実施手順と活用事例、トラブル根本原因分析(RCA)と未然防止技法および活用のポイント〜

安全性・信頼性解析としての新FTA活用法を学ぶための講座

根本原因を科学的かつ合理的に分析できる新FTAの基礎と活用のポイントを修得し、トラブルの未然防止へ役立てよう!

講師の言葉

 故障の木解析(FTA)は種々のトラブルを未然に防止するのに役立つ ツールで、特に根本原因分析(RCA)といわれるトラブルの根源を突き 止めるのに有効です。
 FTAは、望ましくない結果をもたらしている原因 を合理的に解析する手法として信頼性・安全性の分野で開発されまし たが、今ではいろいろな分野(例えば製品の製造業や販売業だけでな く、サービスにかかわる医療、教育、接客など)で幅広く活用されるようになっています。
 2011年には、国内で初めて工業規格JIS C 5750-4-4 「故障の木解析 (FTA)」が制定されました。これは国際規格IEC 61025:2006 Fault tree analysis(FTA)とも整合がとられています。  本講座ではこれら の規格の内容を盛り込み解説します。
 事象の木解析(ETA)は、FMEAと同様に原因から結果を解析する手法 ですが、FTAと同じようにET図という樹木図を用いて視覚的に表現します。
 ETAは発端となる事象(できごと)の発生を防止するために種々の 防御手段を用いたときにもたらされるすべての結果を解析するため、 安全性を高める問題の解決によく用いられます。
 動的FTAは一時的な状態変化を表現できるように、通常のFTAを拡張 したもので、動的ゲートが用いられます。動的な現象の全体像を把握 するのに優れ、マルコフ技法を用いて頂上事象などの故障確率やアン アベイラビリティを計算することができます。
 二分決定グラフ(BDD)はブール関数を記号化して処理するためのデ ータ構造でコンピュー
タ化に優れ、可視化される特長があります。信 頼性・安全性工学への応用も行われておりFTAとの相補的利用が期待 されます。
 この他、逆ETA法や記述式FTAなど、FTAと類似した新しい手法も紹介 します。
 FTAは故障モード・影響解析(FMEA)と一緒に用いると、シナジー効 果により有効性が高まるといわれています。
 それは原因から結果を解析する手法であるFMEAと、結果から原因を解析する手法であるFTAを組合せることで、抜けのない分析を可能にするためです。
 実際に、問題解決に効果を上げている多くの企業が両者をうまく使っています。
 すでにFMEAを使っておられる企業の方も、このセミナーによってFTAを学 んでいただき、さらなる合理化・効率化を図って頂きたいと思います 。

セミナー詳細

開催日時
  • 2015年09月15日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 品質・生産管理・ コスト・安全
受講対象者 ・設計・開発、製造技術、品質保証、信頼性管理、安全性管理、および保守・保全サービス,  技術営業などの分野の方々 ・各種トラブルの根本原因を科学的・合理的に分析する新FTA技法について学び実務に活用したい方
予備知識 ・次の知識をお持ちであれば十分です。 ・簡単な数学知識(代数式や数学記号など) ・確率の基礎知識
修得知識 ・未然防止のためのトラブルの根本原因分析および、そのリスクの危害への波及防御効果分析などの方法 ・信頼性及び安全性の基礎知識
プログラム

1.信頼性・安全性と根本原因分析
  (1).トラブル未然防止技術と根本原因分析(RCA)
  (2).故障とその関連用語
  (3).信頼性の概念と尺度
  (4).安全と安全性
  (5) .FTA、ETAとFMEA

2.システムの信頼性
  (1).信頼性ブロック図(RBD)
     a.ブロック図の描き方
     b.ブロック図とブール代数表現
     c.信頼度と故障確率の計算法
  (2).非修理システムの信頼性モデル
     a .冗長システムの信頼性特性値
     b.ベイズ法
     c.コヒーレントシステム
     d.カットセット法
  (3).修理システムの信頼性モデル
     a.確率過程とマルコフ技法の基礎
     b.定常状態のアベイラビリティ
 
3.FTAの概要
  (1)FTAとは
  (2)FTAの沿革
  (3)システムの前提条件
  (4) 故障の分類
  (5)FT図の表現法
     a.事象と事象記号
     b.論理ゲートの種類と役割
     c.移行ゲート記号

4.FTAの実施
  -FTAの実施手順-
  (1). 解析の準備
      ・解析チーム編成、目的の明確化、システムの定義と 理解
  (2).解析の実行(頂上事象の決定、解析範囲の明確化、FT図の 作成、FT図の評価、
     頂上事象の発生阻止・抑制対策の検討
  (3).解析結果の報告
     a.解析結果のまとめと報告、
       ・解析チームの解散とライン部門への定着化
     b.定量的アプローチと定性的アプローチ
     c.基本事象の発生確率の予測
  (4).頂.上事象の発生確率の計算法
     a.反復事象が存在しない場合
     b.反復事象が存在する場合
     c.簡易計算法
  (5).基本事象の重要度の算定法
     a.確率重要度
     b.構造重要度
  (6).FTA実施上の考慮事項
     a.単独故障(単一点故障)への配慮
     b.共通原因故障への配慮
     c.非展開事象の取扱い
     d.論理ゲートの省略
  (6).FTAの活用事例

5.ETAの概要
  (1).ETAとは
  (2).ETAの定義
  (3).ETAの手順
  (4).ET図の構造と作成手順
  (5).ET図の定性的解析
  (6).ET図の定量的解析
  (7).ET図の特徴と使用上の制限
  (8).ETAの周辺とその発展
     a.FMEAとの関連
     b.FTAとの関連
     c.ET図の発展系

6.その他の未然防止技法
  (1).二分決定グラフ(BDD)
  (2).記述式FTA
  (3).逆ETA

7.動的FTAの概要
  (1).FTAと時間要素
  (2).動的FTAとは
  (3).動的論理ゲートの種類と役割
  (4).動的FTAの定性的解析
  (5).動的FTAの定量的解析
  (6).動的FTAの実施例

8.まとめと質疑応答

キーワード 信頼性 安全性 故障確立 FTA ETA トラブル未然防止 動的FTA BDD         
タグ 未然防止
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
こちらのセミナーは受付を終了しました。
次回開催のお知らせや、類似セミナーに関する情報を希望される方は、以下よりお問合せ下さい。
contact us contact us
各種お問い合わせは、お電話でも受け付けております。
03-5322-5888

営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日