金属腐食の基礎と防食技術のポイント:電気化学から微生物腐食・表面改質とその対策技術 <オンラインセミナー>

~ 腐食環境とその支配因子、腐食の形態と機構、防食の3原則、デジタルツインを活用した腐食モニタリング ~

・電気化学の基礎から材料別の腐食機構や最適防食設計まで修得し、効果的な防食技術に応用するための講座
・腐食の進行を抑えるための具体的な防食手法を体系的に修得し、製品や設備の信頼性向上、品質管理、保全計画に活かそう!

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講師の言葉

 金属腐食は、私たちの身近な設備や構造物の寿命を左右する重要な現象であり、その本質は電気化学反応にあります。
 本講座では、まず電気化学の基礎から出発し、腐食が「科学」として体系化された背景を解説します。そのうえで、全面腐食、孔食、隙間腐食などの代表的形態を整理し、鉄鋼・非鉄金属など材料別の腐食機構を紹介します。さらに、近年注目される微生物腐食(MIC)とバイオフィルムの形成機構について、最新の知見を交えて説明します。防食技術の章では、表面処理、めっき、塗装などの材料的手法に加え、犠牲防食などの電気化学的制御法を解説し、両者の組み合わせによる最適防食設計を考察します。最後に、デジタルツインや抗バイオフィルム材料など、次世代防食技術への展望を示し、腐食・防食研究の新しい方向性を共有します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2026年03月30日(月) 10:00 ~ 17:00
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー加工・接着接合・材料
受講対象者 ・腐食や防食技術に関心のある、機械、化学、材料系分野の技術者・研究者の方
・製造設備やプラント、インフラなどの維持管理・設計・品質保証に携わる方
・表面処理、塗装、めっき、材料開発などに関係する企業の担当者や、腐食対策製品の企画・営業に関わる方
・腐食現象の基礎から最新の防食技術まで体系的に学びたい方を対象としています
予備知識 ・特別な専門知識は必要ありません
・高校卒業程度の物理や化学の基礎知識
・工業高校・高専・大学初年度レベルの一般的な理科の理解
・講義では、腐食現象の基礎となる電気化学の考え方を、図や具体例を用いて平易に解説しますので、初めて腐食や防食を学ぶ方でも理解しやすい構成としています
・実務で腐食・防食に関わっている方にとっても、原理の整理と最新動向の把握に役立つ内容です
修得知識 ・金属の腐食がなぜ起こるのか、その根本的な仕組みを電気化学の視点から理解できます
・腐食の進行を抑えるための考え方や具体的な防食手法(材料選定、表面処理、電気化学的防食など)を体系的に学ぶことができます
・受講後には、腐食現象を論理的に説明できるようになり、自社製品や設備の信頼性向上、品質管理、保全計画などに活かせます
・研究開発や新素材設計、防食技術の応用分野でも、基礎から応用へとつながる確かな知識を得ることができます
プログラム

1.はじめに-腐食研究の意義と最近の動向
  (1).腐食が引き起こす社会的・経済的損失
  (2).腐食科学の歴史-経験から科学へ
  (3).新しい視点:バイオフィルム・デジタルツイン・サステナビリティ

2.腐食の基礎理論-電気化学の視点から
  (1).金属の安定性と自然電位
  (2).酸化還元反応と電極電位の考え方
  (3).ネルンストの式と電位の支配要因
  (4).分極曲線と腐食速度の定量化
  (5).アノード・カソード反応と腐食機構
  (6).電気化学インピーダンス法(EIS)の基礎

3.腐食環境とその支配因子
  (1).環境因子:pH、温度、溶存酸素、塩分
  (2).金属表面状態と皮膜の役割
  (3).溶液組成と腐食生成物の影響
  (4).環境の変動が腐食を誘発するメカニズム

4.腐食の形態と機構-各論
  (1).全面腐食(Uniform Corrosion)
  (2).孔食(Pitting Corrosion)とその電気化学的条件
  (3).隙間腐食(Crevice Corrosion)と酸化還元環境の局所化
  (4).応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking)
  (5).粒界腐食・脱合金腐食・電位差腐食
  (6).ガルバニック腐食と異種金属接触の問題
  (7).高温酸化・溶融塩腐食の特徴

5.材料と腐食挙動-材料科学的視点から
  (1).鉄鋼材料の腐食:炭素鋼からステンレス鋼まで
  (2).非鉄金属(アルミニウム、銅、ニッケル、チタンなど)の腐食
  (3).合金設計と耐食性の関係
  (4).溶接部・接合部における局部腐食
  (5).新素材(高エントロピー合金、金属ガラスなど)の腐食挙動

6.微生物腐食(MIC)とバイオフィルム
  (1).微生物腐食とは何か-定義と発見の歴史
  (2).バイオフィルムの構造と機能
  (3).微生物と電気化学反応の相互作用
  (4).好気性・嫌気性微生物の腐食機構
  (5).海洋・土壌・配管環境でのMIC事例
  (6).バイオフィルムと防食表面の競合関係
  (7).デジタルツイン・AIを活用したバイオフィルム解析の試み

7.防食技術の基礎と応用
  (1).防食の三原則:材料・環境・電位制御
  (2).表面処理による防食-めっき・被覆・塗装
  (3).電気化学的防食法:犠牲防食と外部電源防食
  (4).有機/無機ハイブリッド皮膜の新潮流
  (5).自己修復型防食材料とインテリジェントコーティング
  (6).抗菌・抗バイオフィルム機能を併せ持つ防食表面
  (7).評価技術:EIS・電位測定・光学観察・AI解析

8.将来展望と実用的指針
  (1).脱炭素社会における防食技術の役割
  (2).再生可能エネルギー設備(風力・水素)の腐食課題
  (3).マテリアルズ・インフォマティクスによる腐食予測
  (4).デジタルツインを活用した腐食モニタリングの新時代
  (5).抗バイオフィルム・抗菌技術と防食の融合
  (6).日本発の表面技術研究が世界に果たす役割

9.質疑応答・まとめ
  (1).受講者からの質問・議論
  (2).腐食研究の今後の方向性と若手へのメッセージ

キーワード バイオフィルム デジタルツイン 自然電位 ネルンストの式 分極曲線 アノード・カソード反応 電気化学インピーダンス法 腐食環境 全面腐食 孔食 隙間腐食 応力腐食割れ 粒界腐食 脱合金腐食 電位差腐食 ガルバニック腐食 異種金属接触 高温酸化 溶融塩腐食 微生物腐食 めっき 犠牲防食 外部電源防食 インテリジェントコーティング
タグ 金属金属材料腐食・防食
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
本セミナーは、Web会議システムを使用したオンラインセミナーとして開催します。
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営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日