金属の靭性低下の低減法の基礎と金属材料の錆および水素脆化への応用

~ 腐食の基礎知識、全面腐食と局部腐食、金属と水素の物理化学的性質の基礎、水素添加方法とその注意点、水素脆化評価方法、水素脆化メカニズム ~

金属材料の腐食と水素脆化の基礎を修得し、長期間使用可能な金属材料を研究、開発するための講座

金属の腐食と水素脆化の基礎を修得し、環境に適した金属を選定できるようにしよう! 

講師の言葉

(第一部)

金属は自動車、電子機器、建築物など私たちの身近で様々なところに使用されており、生活にはなくてはならない材料の一つです。しかし、鉄を含めたほとんど全ての金属にはさびや腐食が発生します。金属が腐食すると板厚が減少したり、製品の一部が急激に腐食されたり、場合によっては穴が開いたり破壊することもあります。また腐食の特徴として、金属の周囲に水分や湿気が多いと、保管や輸送中にもさびや腐食が発生する可能性もあります。

金属が腐食する時に重要な要因としてイオン化傾向や、表面の酸化皮膜の性質があります。これらが腐食に対して弱ければ、腐食はどんどん進行してしまいます。また、腐食の進行も全体的、平均的に進行する全面腐食もあれば、孔食やすき間腐食のように、表面の一部だけが集中的に腐食することもあります。

本セミナーではこのような腐食に関する基礎知識から、実際の腐食の発生メカニズムとその対策について解説します。

(第二部)

水素脆化とは水素と応力により材料が脆くなる現象であり、近年、水素脆化に対する知見が強く求められています。例えば、環境問題を背景に、輸送 機器の軽量化のため材料の高強度化が求められていますが、材料を高強度化するほど水素脆化感受性が高まり、突然の破壊が危惧されます。また、水素をエネルギーとする燃料電池システムは次世代エネルギーの主役として期待されていますが、燃料電池車の部品や水素ステーションでは極めて過酷な水素環境で材料が使用される傾向にあり、安全性と信頼性の確立が急務といえます。これらの問題を克服するため、水素脆化の基礎を修得することを目的とします。

セミナー詳細

開催日時
  • 2025年02月28日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー加工・接着接合・材料化学・環境・異物対策研究開発・商品開発・ ビジネススキル
受講対象者 ・腐食についてわからないことがある技術者
・自動車、建築、インフラ、材料メーカー、化学プラント等、初めて水素脆化を学ぶ初学者から、実際に業務でお困りの研究・開発者まで
予備知識 ・原子やイオンなどの化学的な知識
修得知識 ・腐食の基本原理
・鉄とステンレス鋼の腐食の違い
・孔食やすき間腐食など局部腐食のメカニズム
・金属と水素の物理化学的性質の基礎
・水素分析手法の種類と用い方
・遅れ破壊・水素脆化のメカニズム
・水素脆化を抑制するための考え方、方法
プログラム

(第一部)腐食の基礎とメカニズム

1.腐食の基礎知識

(1).原子とイオン

(2).腐食は酸化還元反応

(3).腐食と電池反応

(4).イオン化傾向

(5).ステンレス鋼と不動態皮膜

(6).腐食の環境要因

 

2.全面腐食と局部腐食

(1).全面腐食

(2).異種金属接触腐食

(3).酸素濃淡腐食

(4).粒界腐食

(5).孔食

(6).すき間腐食

(7).脱亜鉛腐食

(8).エロ―ジョン・コロージョン

(9).応力腐食割れ

 

3. さまざまな金属材料の腐食

(1).ステンレス鋼

(2).アルミニウム合金

(3).銅合金

 

(第二部)金属材料の水素脆性の基礎 ~金属と水素・水素添加・水素分析・水素脆化評価・メカニズムから最新の動向まで~

1.金属と水素の物理化学的性質の基礎事項

(1).金属(bcc, fcc, hcp)中の水素の固溶

(2).金属表面での水素の吸着、侵入過程

(3).金属中の水素拡散(Fickの第1法則、Fickの第2法則)

(4).金属中の水素トラップサイト

 

.水素添加方法とその注意点

(1).陰極電解水素チャージ法

(2).浸漬法

(3).水素ガス環境暴露法

 

3.水素分析方法の特徴・注意点

(1).昇温脱離法

(2).水素可視化方法

 

4.水素脆化評価方法

(1).低ひずみ速度試験

(2).定荷重試験

 

5.水素脆化破壊の特徴

(1).材料強度の影響

(2).金属組織、析出物の影響

(3).試験温度の影響

(4).水素存在状態の影響

(5).破壊形態

 

6.水素脆化の原因と考えられるメカニズム

(1).内圧

(2).格子脆化

(3).局部変形助長

(4).空孔凝集

 

7.金属中の水素存在状態と脆化メカニズム解明へ向けた最近の研究

(1).転位と水素の相互作用

(2).水素存在状態と水素脆化の関係

(3).水素脆化メカニズムに立脚した水素脆化抑制指針

 

8.総括

 

キーワード ステンレス鋼 アルミニウム合金 銅合金 腐食 全面腐食 異種金属接触腐食 酸素濃淡腐食 粒界腐食  孔食 すき間腐食 脱亜鉛腐食 エロ―ジョン コロージョン 応力腐食割れ 水素脆性 
タグ 水素金属金属材料疲労表面処理・めっき
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
本セミナーは、Web会議システムを使用したオンラインセミナーとして開催します。
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