塗布膜乾燥の基礎とプロセスの解明および塗布膜の設計とトラブル対策への応用 <オンラインセミナー>

~ 塗工と乾燥の基礎、フィルムの構成要素、スロットダイの塗工適性と重層塗布、スロットダイの設計技術、非ニュートン粘性、Roll To Roll工程のクリーンルーム、オンライン除塵によるクリーン化、膜厚制御、様々なトラブルの原因とその対策技 ~

・塗布膜乾燥機構の本質とメカニズムを理解し、乾燥トラブル対策に活かすための講座

・塗布膜乾燥の基礎から膜乾燥における様々なトラブル、欠陥、問題の対策と、均一で膜厚分布の制御技術の実務に活かすセミナー!

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講師の言葉

 塗布膜の乾燥機構の解明は、様々な工学等の分野で求められている重要な課題である。塗布膜の乾燥においては、例えば乾燥後の膜厚分布が均一になることが求められるが、多くの場合、膜厚分布が均一にならず、また乾燥条件によって膜厚分布が変化することが経験的に知られていた。均一な乾燥後の膜厚分布を得るためには、塗布膜の乾燥過程の機構を解明することがまず必要で、その解明を経て、必要な制御を系に施すことにより、均一な乾燥後の膜厚分布を得るという目標へ近づくことになる。均質な膜分布を得る場合も同様である。また、乾燥後の様々な欠陥を克服する際にも、同様のプロセスが必要となる。

 本講演では、塗布膜の乾燥工程の機構を解明するにあたり必要となる物理学的知識、考え方の講義から始めて、それらを基にした上記工程のモデル化の実際、およびその数値シミュレーションの実際を概説し、塗布膜乾燥機構の本質を理解する。また、これに基づいて様々な塗布膜不具合の原因を物理学的に考察する。そして、膜乾燥における様々なトラブル、欠陥、問題の克服と、膜厚分布の制御の方法について考察する。

 この講演が、今後参加者が実際に扱う系の乾燥過程の理解および乾燥トラブル対策のヒントとなることを目指す。

 

セミナー詳細

開催日時
  • 2024年06月27日(木) 10:30 ~ 17:30
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー加工・接着接合・材料化学・環境・異物対策
受講対象者 ・塗布膜乾燥工程に従事する研究者、技術者
・塗布膜乾燥過程のトラブル解決にお悩みの方
・効率的に乾燥条件を設定したい方
・塗布膜乾燥機構を理解したい方
予備知識 ・大学理工学部程度の物理学の基礎知識があることが望ましいが、必ずしも必須ではない
・塗布膜乾燥工程に従事されている方は、課題を明確にして受講されると効果的である
修得知識 ・塗布膜乾燥機構の理解
・上記理解に基づいた各種乾燥工程における乾燥条件の適切な設定
・塗布膜乾燥工程における各種トラブルの原因の理解とその対処法
・より適切な塗布膜乾燥方法の提案
プログラム

1.塗布膜の乾燥工程の概要と課題

  ・塗布膜乾燥機構の理解

  (1).乾燥させるとは?

    a.乾燥が進行する原理

    b.乾燥を進行させる方法

  (2).レジスト塗布工程の例

    a.塗布方法

    b.乾燥方法

    c.乾燥後に求められるもの

 

2.液体の理論(裏付け)のモデルへの導入のポイント

  (1).液体の一般理論

    a.液体中の分子に働く力

    b.液体を固体から乱れた状態としてとらえる

    c.液体を気体論的に考える

  (2).液体論からみた蒸発の理論

  (3).液体の凝集力の起源

  (4).液体の理論のモデルへの導入のポイント

 

3.溶液の理論のモデルへの導入のポイント

  (1).溶液の一般論

    a.溶液とは

    b.平衡状態の溶液の化学ポテンシャル

    c.非平衡状態の溶液の化学ポテンシャル

  (2).高分子溶液の特徴

  (3).溶液の理論のモデルへの導入のポイント

 

4.表面・界面の理論のモデルへの導入のポイント

  (1).表面張力

  (2).界面のぬれ

  (3).界面のゆらぎ

  (4).表面張力波と緩和時間

  (5).表面・界面の理論のモデルへの導入のポイント

 

5.溶媒の蒸発速度の理論と理解

  (1).蒸発速度の式

 

6.溶液中の溶質・溶媒の動力学

  (1).拡散方程式

  (2).流体方程式

  (3).揮発中という非平衡状態での動力学

    a.化学ポテンシャルからの拡散係数の導出(平衡系)

    b.化学ポテンシャルからの拡散係数の導出(非平衡系)

 

7.平坦な基板上に塗布された高分子溶液の揮発過程

  (1).レイリー数とマランゴニ数

  (2).最もシンプルな数理モデル化

  (3).シンプルなモデルの改良

  (4).精密なモデル

  (5).数値シミュレーション結果の例

    a.膜厚分布の時間発展

    b.乾燥後の膜厚分布の乾燥速度依存性

    c.乾燥後の膜厚分布の塗布膜厚依存性

    d.乾燥後の膜厚分布の濃度の拡散係数依存性

    e.乾燥後の膜厚分布の溶媒の拡散係数依存性

    f.乾燥後の膜厚分布の固有粘性率依存性

    g.乾燥後の膜厚分布の蒸発潜熱依存性

    h.乾燥後の膜厚分布に対する高分子溶液特有の蒸気圧変化の効果

    i.液膜の表層と内部の乾燥の時間発展の違い

 

8.シミュレーション技術

  (1).拡散方程式の解法

  (2).流体方程式の解法

 

9.実験によるモデルの検証

  ・数理モデルの数値シミュレーション結果の実験による検証

 

10.モデルの発展およびトラブルの原因とその対策技術

  (1).3次元モデル

  (2).溶質の種類が複数ある場合

  (3).溶媒の種類が複数ある場合

  (4).具体的な現象へのモデルの応用

    a.様々なムラ等

      ・トラブルの原因とその対処法

  (5).マランゴニ効果の考慮

 

11.膜厚制御技術

  (1).様々なムラ等の制御の例

    ・トラブルの原因とその対処法

  (2).端部の凹凸の制御の例1:温度管理

  (3).端部の凹凸の制御の例2:気圧管理

  (4).端部の凹凸の制御の例3:濃度管理

 

12.様々な形状への応用

  (1).基板の側面への塗布の影響

  (2).球状体への塗布膜の場合

 

13.塗布膜の設計における留意点

  (1).何を最も重視するか

    ・膜厚の均一性、膜質の均質性、乾燥時間等

  (2).溶質、溶媒の性質

    ・分子の形状、分子量、単一か複数か等

  (3).基板、塗布膜の形状

    ・平坦か、3次元的か、曲率等

キーワード 塗布膜乾燥 液体 溶液 表面張力 界面 溶媒蒸発速度 高分子溶液揮発過程 モデル化 シミュレーション技術 ムラ制御 膜厚制御 塗布膜設計 塗布膜不具合 乾燥トラブル対策
タグ 乾燥延伸・ウェブハンドリング樹脂・フィルム塗装・塗布薄膜表面処理・めっき
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
本セミナーは、Web会議システムを使用したオンラインセミナーとして開催します。
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営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日