機械部品の要求精度と加工コスト低減を両立させる最適な公差解析・公差設計法とそのポイント実践講座　～ 演習付 ～　＜オンラインセミナー＞

講師の言葉

　設計審査で“この部品の公差はどのように決めたの？”と質問された時、“以前の図面又は類似部品と同じ数値とした”等の解答では、審査に合格することはできないでしょう。
　審査では、機械装置の要求精度とコストの両方を満足する技術的な根拠が求められています。このため部品単体の公差と複数部品の組立体の累積公差の算出に統計的手法を適用し、“どの部品の公差を厳しく、あるいは緩くすべきか”の検討を行い、要求精度と加工コストを両一する最適な公差設計法が求められています。
　一方、設計段階では、要求精度を満足していても機械の稼働時における温度、負荷で生じる変形で精度が劣化するリスクがあり、設計時に如何に寸法変化に寄与する要因を配慮した設計力が要求されます。
　また、設計審査で、“その部品どうやって作るの？その形状で精度満足できるの？”という質問に答えられないと“公差設計自体が絵に描いた餅”になってしまいます。このため加工機と形状及び精度の関係、材料特性と強度等を含めた総合的な知識も併せて必要です。
　このセミナーでは、統計学と品質工学を適用した累積公差解析法を基に、適用対象を一次元、二次元、三次元モデルとステップアップしながら、実機械装置で機能上生ずる“がた”“てこ”の考え方を含めて、目標仕様を満足する部品公差設定の考え方を解説します。また、精度劣化因子である熱変形を考慮した寸法公差設計の解法手順も解説します。受講生の皆さんは、電卓を利用した手計算による演習形態で、解析・設計手順を習得し、数値の根拠を理解していただきたいと思います。　併せて公差設計の根拠となる加工法についても動画、図にて紹介します。実務での３Ｄ－ＣＡＤ活用における公差設計の基礎技術となることを期待しています。