プラスチック材料の劣化・破損解析技術および耐久性向上への応用  <オンラインセミナー>

~ プラスチックの基本物性、光や熱による劣化の解析、機械的破損・疲労の解析・評価、腐食性環境における劣化の解析手法と寿命推定法、非破壊検査手法と長寿命化への応用 ~

・プラスチックの劣化・破損・疲労・腐食のメカニズムと解析手法を修得し、プラスチック製品の耐久性向上や長寿命化に応用するための講座

・光や熱などの普遍的な環境劣化から腐食性環境による劣化まで、様々な解析・評価手法を修得し、信頼性の高い製品開発に活かそう!

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・WEB会議システムの使い方がご不明の方は弊社でご説明いたしますのでお気軽にご相談ください。

講師の言葉

(第1部)

 プラスチックは、金属や無機材料と並ぶ三大材料のひとつであり、軽量で安価、加工性に優れるなど、他の材料にはない特長を持っています。しかしながら、数千年の歴史を誇る他の材料と比べると、プラスチックは産業化から100年に満たない若い材料ですので、劣化や破損など耐久性に関する知見はまだまだ不足しています。また、有機材料であるので、金属や無機材料とはひと味違った特性があり、プラスチックを上手く使いこなすためには、従来の材料力学や破壊力学とは異なる独自の知見が必要となります。プラスチックの劣化や破損は、製品特性や使用条件に強く依存するため、一見、複雑な現象に見えますが、正しくアプローチすると非常に素直な一面も見せてくれます。

 本講義では、プラスチックの構造や物性の基礎から始めて、劣化状態や破損状態に関する評価方法や一般的な機構などについて解説します。

 

(第2部)

 プラスチック材料あるいはFRP等の複合材料は、酸やアルカリ水溶液環境下でも腐食に耐える耐食性の高い材料であるが、それでも厳しい環境に長期間曝されると、溶液が浸透すると機械的強度が低下し、さらに高温高濃度では加水分解などの劣化反応を起こして劣化する。ここでは、耐食材料として使われることを前提に、酸・アルカリ水溶液環境における劣化現象を腐食劣化と定義してその劣化形態に基づいた考え方と劣化機構について解説することで、金属材料で腐食を扱う立場からでも十分これら材料の劣化が理解できることを示したい。さらに腐食劣化の対策や評価方法、寿命の推定方法について解説する。特に、ラボでの破壊分析だけでなく、現場での非破壊評価を中心として余寿命の推定が可能な方向を示唆する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2023年12月14日(木) 10:30 ~ 17:30
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー電気・機械・メカトロ・設備加工・接着接合・材料
受講対象者 ・プラスチック製品に関連する企業等の研究者・技術者
・プラスチック製および複合材料製の設備(特に薬液を扱う化学工場、半導体工場等、あるいは下水道などのインフラ設備)を扱う工務・設備担当者
・上記材料製の製品の寿命評価を行う開発担当者
・有機材料の劣化を扱う方で熱硬化性樹脂の腐食性水溶液環境における劣化にも関心のある方
予備知識 ・基礎的な物理学や化学の知識
・第2部では下記の知識・知見があると理解に役立つ
 1)最低限の高分子系有機化学の知識(含赤外分光程度の分析化学)
 2)アレニウスの法則が理解できる程度の反応速度論
 3)応力とひずみの関係を理解する程度の材料力学の知見
修得知識 ・プラスチック材料の構造や物性の基礎
・プラスチックの劣化機構および劣化評価
・プラスチックの変形や破壊の機構
・酸やアルカリ環境下におけるプラスチック材料の腐食劣化の形態とメカニズムの関係
・プラスチック材料あるいは複合材料の腐食劣化の考え方
・酸やアルカリ環境で使用する場合の検査・評価手法および対策方法
プログラム

(第1部)プラスチック材料物性の基礎と劣化および破損状態の解析

1.プラスチックの構造と物性の基礎

  (1).プラスチックの種類と材料特性

  (2).プラスチック成形法と構造形成

  (3).プラスチックにおける構造および物性の評価

    a.力学試験

    b.球晶構造

    c.ラメラ繰り返し構造

    d.分子鎖凝集状態

    e.分子構造

  (4).力学物性と高次構造の関係

 

2.プラスチックの劣化解析

  (1).プラスチックにおける劣化要因

  (2).プラスチックの光劣化と熱劣化

    a.自動酸化反応

    b.分子構造の変化

    c.高次構造の変化

    d.ラマン分光を用いたモルホロジー変化の観察

  (3).アニーリング効果とリサイクル性

    a.熱処理効果

    b.熱処理によるモルホロジー変化

    c.リサイクル性

 

 

3.プラスチックの破損・疲労解析

  (1).プラスチックにおける破損要因

  (2).一軸延伸

    a.応力ひずみ曲線

    b.延伸による構造変化

    c.ひずみ速度効果

  (3).衝撃破損

    a.衝撃試験

    b.エネルギー解析

    c.低エネルギー衝撃による構造変化

  (4).疲労

    a.疲労試験

    b.疲労状態の評価

    c.疲労による構造変化

 

(第2部)有機材料および耐食FRPの腐食環境における劣化解析および耐久性向上・長寿命化への応用

1. 有機材料および耐食FRPの腐食環境における劣化解析

  (1).耐食樹脂の化学構造と特徴

    a.樹脂の種類と分類

    b.熱可塑性樹脂とふっ素樹脂,ゴム

    c.エポキシ樹脂の耐食性、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂

  (2).耐食FRPと防食樹脂ライニング

    a.耐食FRPと耐食FRPライニング

    b.耐食積層構造

  (3).耐食用途への適用事例と劣化事例

    a.耐食FRP、FRPライニングの適用例

    b.劣化事例資料集

    c.下水道におけるコンクリートの腐食機構と防食対策

 

2.腐食性水溶液環境における物理的劣化と化学的劣化

  (1).拡散、浸透、浸入現象

    a.Fickの理想拡散とCaseⅡ拡散

    b.溶解度パラメータ(SP)

    c.物理的劣化における可逆性

  (2).薬液浸入におけるフィラーあるいは強化材の効果

    a.フィラーによる加速効果

    b.フレークによる抑制効果

    c.ナノフィラーによる防食の考え方

  (3).劣化化学反応

    a.エステル結合と加水分解

    b.腐食劣化化学反応

  (4).化学的劣化の3形態

    a.表面反応型

    b.腐食層形成型

    c.全面浸入型

 

3.劣化の考え方と寿命推定法

  (1).統一的な劣化機構の解析手法

    a.ポリアミドの腐食挙動

    b.拡散速度と反応速度からみた腐食機構

  (2).マスターカーブと寿命予測

    a.加速因子とアレニウスプロット

    b.サンドイッチモデル(腐食層形成型)

    c.平方根浸入速度による評価(全面浸入型)

 

4.劣化のセンシング・モニタリングによる非破壊検査と長寿命化

  (1).超音波による劣化評価

    a.超音波検査

    b.超音波による減肉厚さ計測

    c.超音波による腐食層評価

  (2).赤外分光/電磁波を用いた劣化評価

    a.赤外分光による劣化評価(1)フェノールコンポジットの測定例

    b.赤外分光による劣化評価(2)エポキシ樹脂の熱劣化測定

    c.THz-TDS等の電磁波の利用による劣化評価

  (3).光ファイバセンサ

    a.pH指示薬を用いた光ファイバモニタリング

    b.エバネセント法による赤外光モニタリング

    c.既存設備への適用

  (4).スマート構造

    a.スマート材料の考え方

    b.中空糸を用いたスマート材料

 

キーワード プラスチック材料 高分子材料 有機材料 複合材料 劣化解析 メカニズム 破損状態 疲労破壊 耐久性評価 材料力学 物性評価 熱処理効果 リサイクル性 応力 ひずみ 衝撃破損 エネルギー解析 耐食FRP 腐食環境 耐久性向上 長寿命化 樹脂 ライニング 化学的劣化 薬液侵入 寿命推定法 寿命予測 拡散 化学反応 センシング モニタリング 非破壊検査 超音波検査 赤外分光法 電磁波 加水分解 酸 アルカリ
タグ ゴムプラスチック化学化学工学シール・ガスケットシミュレーション・解析環境高分子バルプ・ポンププラント熱処理疲労複合素材腐食・防食強度設計構造物材料力学・有限要素法車載機器・部品電気化学
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
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