信頼性データ解析・ワイブル解析の基礎と故障率・寿命予測の実践ポイント ~演習付~ <オンラインセミナー>

~ 信頼性データ解析の基礎、ワイブル分布に基づく解析手法、最短試験規模の算出、B10ライフ及び信頼区間の推定の実践 ~

・Excelを利用した演習を通して、時間とコストを克服するための実践的信頼性解析手法を修得する講座!

・ワイブル解析手法を用いて、故障数の有無に応じた信頼性データ解析手法を修得し、推定確度の高い信頼性特性値を算出することで、故障率や寿命の推定に活かそう!

・全社品質管理レベルを向上させよう!

※エクセルを利用する演習を行います。ファイルおよびエクセルベースの解析ツールを事前にお配りします

講師の言葉

 エンジニアが統計解析や信頼性解析を実践する必要性が生じた際、この分野の知識が少なければ文献やweb等による、理論情報の収集から始めることになります。しかし特に信頼性解析に関しては、信頼性工学のすそ野が非常に広大なため、何処から手を付けたら良いかさえ迷うばかりです。更に理論知識がある程度得られたとしても、客観的な判断を得るための実践ハードルは低くはありません。一つの例として統計解析における「仮説検定」は、この分野における最もありふれた手法ですが、評価者の目的(仕様を満足しているか等)に沿って実践できるエンジニアは、そう多くはないと思われます。これは信頼性解析の各手法においても、同様なことが言えます。

 エンジニアの大命題「製品を短期間に且つ最適品質水準で開発」における要求レベルは、経済が世界規模で動く現在その厳しさは増すばかりですが、その割にはエンジニアに与えられる時間と開発コストは、決して潤沢なものではありません。このような開発環境の中で、エンジニアは開発ステップ毎に設けられているDR(設計審査)において、製品が所要の機能特性を満足し”適正な信頼性”を有することの、客観的な証拠を示す必要があります。更に部品機能の高度化・集約(複合)化・共通化はもはや通常ルーティンであり、信頼性を担保するための業務は、より難しく(定量的且つ多面的な評価が必要)なってきています。

 もう一つここ10年来の大きな動きとして、生産機械・設備を設計構築する責任者はその安全性をIEC/ISO規格に基づいて評価することが求められ、その際に使用する機器の信頼性特性値(B10ライフ、MTTFなど)が必要なため、これらを機器のサプライヤに要求します。設備に使用される機器のサプライヤは、このこと(信頼性特性値が安全性を評価する際のインプット情報になる)を意識した上で、推定確度の高い信頼性特性値を提供する必要があります。

 本講座は、機械機器、電気機器等の摩耗系故障分布への適用性が高いワイブル解析を実践することを主目的とし、そのために必要な最低限の理論知識、エンジニアに立ちはだかる二つの壁(時間とコスト)を克服するための実践的な解析手法を、エンジニア目線で分かりやすく解説致します。更に試験計画書の準備段階、試験完了後の解析結果を纏める際の勘所を、分かりやすく説明致します。なお実践面では講師が開発した信頼性解析ツールを無償提供し、実際にデータの解析結果を見ながら解説しますので、非常に実践的な内容になっています。

セミナー詳細

開催日時
  • 2023年09月29日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー品質・生産管理・ コスト・安全
受講対象者 ・車搭載部品、生産機械・設備に使用される機器(電気又は機械部品及びそのサブシステム)、及び一般的な製造業における汎用的機器などの設計開発業務に携わっている方、品質保証業務において、信頼性評価に携わっている方、設計審査(DR会議)に提出する審査資料や、客先提出資料の信頼性に関する技術的判断レベルを高めたい方、及び信頼性特性値のデータベースの構築を検討されている方など
予備知識 ・一般的なエクセルの操作
・初歩的な統計知識(基本統計量、正規分布)
修得知識 ・信頼性データ(完全、定時・定数打ち切り)から信頼性特性値(B10ライフ及びその信頼下限など)を推定する方法
・B10ライフを宣言可能な最短試験規模の求め方、故障数が0個の場合の信頼性特性値(B10ライフ)の推定方法
・解析ツールによる理論実践
・設計審査における信頼性評価結果(客観的証拠)の示し方
・摩耗故障(B10ライフ)と危険側故障(B10dライフ)の違い
・セミナー後に具体的行動(試験計画→解析・評価)を取れる
※加速試験は扱いません
プログラム

1.信頼性データ解析の基礎

  (1).信頼性の定義

  (2).信頼性の尺度

  (3).データの種類

  (4).信頼性解析における母集団

    a.母集団とサンプル

    b.混合分布(フィールドデータの母集団)

  (5).解析に必要な数理

    a.確率密度関数

    b.不信頼度関数

    c.信頼度関数

  (6).信頼性特性値

    a.平均故障時間(MTTF)

    b.B10ライフ

 

2.ワイブル解析を用いた信頼性データ解析手法

  (1).分布の仮定

  (2).故障数がある場合(ワイブル解析:メディアンランク回帰法)

    a.ワイブル確率紙

    b.不信頼度の計算方法

    c.母数及び信頼性特性値(B10ライフ)の推定方法

    d.特性値(B10ライフ)の信頼限界(FM信頼限界)

  (3).故障数がゼロ個の場合

    a.ワイブル分布と仮定(二項分布法による信頼度の推定)

    b.指数分布と仮定(ソーンダイク芳賀曲線による故障率の推定)

 

3.最短試験規模

  (1).信頼性特性値(B10ライフ)を宣言するための試験時間

  (2).ワイブル分布の計数1回抜き取りLTFR(Lot Tolerance Failure Rate)方式

 

4.実践にあたって:具体的行動(試験計画→解析・評価)

  (1).試験計画

    a.B10ライフの実力値の評価

    b.B10ライフの目標値の評価

    c.母集団の範囲

    d.モニタリング(閾値及び測定間隔)

  (2).解析・評価

    a.異常値の判断基準(データの取捨判断基準)

    b.解析ツールの出力結果に対する注意点

    c.信頼性特性値の適合性判断基準

  (3).試験条件(使用・環境)を厳しくした場合の故障モードの把握

 

5.摩耗故障と危険側故障

  (1).機械・設備の安全性評価と信頼性データ

  (2).摩耗故障(B10ライフ)と危険側故障(B10dライフ)の関係

 

6.エクセル・解析ソフトを用いたワイブル解析とB10ライフ推定の実践

  (1).B10ライフをある目標値で宣言するための最短試験規模(試験時間)

  (2).中途打ち切り試験データ(試験の中間時点を含む)から宣言可能なB10ライフを推定

  (3).試験データからB10ライフをある目標値と宣言できるか(合否判定:ワイブル分布の1回抜き取りLTFR方式)

  (4).ワイブル解析(メディアンランク回帰法によるワイブル母数及びB10ライフの推定)

  (5).B10ライフの区間推定(信頼下限値の推定:FM95%信頼下限)

キーワード 信頼性解析 信頼性特性値 平均故障時間 B10ライフ ワイブル確率紙 ワイブル分布 LTFR データの取捨判断基準 最短試験規模 B10ライフの区間推定
タグ 信頼性試験・故障解析機械電子部品
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
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