プラスチックリサイクル技術の基礎とプラスチック製品の環境配慮設計への応用　＜オンラインセミナー＞

講師の言葉

　社会的な側面から見ると、廃棄プラスチックの環境汚染から始まった脱プラスチック・代替の流れは、それが本当に環境負荷低減に結びつくのか、我々はよく考える必要がある。一方でリサイクルも環境という側面で捉えられているが、実際は循環型経済の達成やあるいはカーボンニュートラルからも必然であると知ることが重要である。

　一方、技術的な側面からは、マテリアルリサイクルを行っても物性が低いために用途展開が開けないという常識が30年来存在してきた。しかし我々はこの常識が間違いであり、物性は成形プロセス如何で大きく向上できることを見出した。

　本講義では、高分子結晶の基礎と高分子間の絡み合いと最長緩和時間について解説し、これらをベースとして構築されたプラスチックの「物理劣化・物理再生理論」について解説する。さらにこの理論をもとに設計された、樹脂溜まり部のある新規押出機の概要とその効果について紹介する。また最後に射出成形時のせん断履歴が成形品ならびにリサイクル品の物性に与える影響について述べ、環境配慮設計とはどのようなものであるかを考える。

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