熱電変換技術の基礎とデバイス開発への応用 <オンラインセミナー>

~熱電変換の基礎と熱電素子、薄膜熱電材料の性能向上と透明熱電材料開発、第一原理計算コード、電子輸送計算コードによる新材料開発 ~

IoT用の自立電源として近年注目を浴びている熱電変換技術を修得し、製品開発へ応用するための講座

マテリアルインフォマティクスなどで高効率な材料開発が進められている熱電変換技術の最新技術を先取りし、新たな応用製品の開発へ活かそう!

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講師の言葉

第一部

 熱電発電が注目されてから20年以上が過ぎ、その間に200以上の熱電材料が研究開発されました。その95%以上が熱電発電用途です。先進国では大型プロジェクトが実施され、GHGの排出削減に向けた用途に期待が高まってます。しかし製品応用は進んでいません。このジレンマを見据え、

熱電発電の社会実装に向けて大事なことを、基礎と現実の視点から整理して紹介します。

 

第二部

 近年、IoTデバイス用の自立電源として、熱電発電が注目を浴びています。熱電発電は、未利用熱を電気として再利用可能にするため、非常に興味深いものです。通常、大きな温度差を材料につけるために、バルク材料といわれるある大きさを持った材料が使われます。しかし、IoTデバイス利用においては、ごく薄い膜(薄膜)を用いた軽量・小型の熱電発電も期待されるようになり、その熱電性能向上が重要な課題となっています。私は、ナノ構造導入による薄膜熱電性能向上の知見・技術を取得・開発し、それを“透明”材料に応用することで、薄膜の透明熱電材料の開発を行っています。将来的には透明熱電材料を利用して、温度差のついた窓ガラスなどからの発電を期待しています。本講座では、一般的な熱電変換からはじめて、ナノ構造を用いた熱電性能向上に触れ、その後、薄膜透明熱電材料への展開についてお話しします。根底にある学術から応用への展開について網羅する内容となっています。

 

第三部

 発電所や工業プラントなど様々ところで150度以下の低温排熱が捨てられています。こうした低温排熱は1次産業エネルギーの6割以上を占めているにも関わらず、従来のような蒸気タービンを用いたエネルギー回収を行うことが困難であるため、無駄に捨てられています。こうした低温排熱からエネルギーを回収する技術として熱電変換技術が注目を集めています。現在、最も広く用いられている熱電変換材料はBi2Te3、 PbTe系のTe化合物熱電材料であり、Teフリーの新規熱電材料の開発の研究が精力的に行われています。近年、CPU性能向上に伴う計算機能力の発達や理論計算ソフトの普及に伴い、材料開発において実験はもちろん、理論計算による材料設計指針の確立はなくてはならない材料開発手法となりつつあります。

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セミナー詳細

開催日時
  • 2021年01月20日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・熱電変換材料の開発・研究に携わる方
・第一原理計算を用いた物性予測・解析に携わる方
・熱電変換の基礎を学びなおそうと考えている方
・材料について興味のある方、熱電発電に興味のある方、薄膜・ナノ構造に興味のある方
予備知識 ・固体物理の基礎、量子力学に関する基礎知識があればより理解が進みます
修得知識 ・熱電変換の基礎
・第一原理計算の基礎
・理論計算と実験と駆使した材料開発のノウハウ
・一般的な熱電変換から薄膜熱電材料の開発の現状
・熱電変換の基礎と応用に関する知識
・熱電発電材料およびモジュールの基礎知識
・熱演発電の現状と実用化に向けた情報
プログラム

第一部 熱電発電の実用化とポイント(基礎と現実の視点)

 

1.熱電変換とは

  (1).熱電変換の基礎

  (2).材料研究のトレンド

  (3).熱電材料について

  (4).熱電素子について

 

2.熱電発電素子の開発現状

  (1).熱電発電の実用化例

  (2).応用の方向性

  (3).日米の高効率発電素子

  (4).日本で開発された熱電発電素子

 

3.欧米の素子開発

  (1).欧米の燃費事情

  (2).米国の現実

  (3).EUの現実

 

4.材料課題と展望

  (1).基礎の視点

    a.Zとは

    b.ZTとは

    c.高性能とは

  (2).現実の視点

    a.製品ニーズ

    b.効率と出力

    c.使用温度域

    d.耐熱性と耐環境性

    e.電極形成

    f.有害物質規制

 

5.おわりに(熱電発電への期待)

 

第二部 薄膜熱電材料の性能向上と透明熱電材料開発

 

1.環境発電としての熱電変換

  (1).熱電発電

    a.廃熱・未利用熱

    b.熱電変換効率

    c.熱電モジュール

    d.熱電発電のデモンストレーション

  (2) 薄膜透明熱電材料

    a.透明材料を用いた熱電発電

    b.熱電発電デバイス

 

2.薄膜熱電材料開発

  (1).薄膜と熱電性能

    a.ナノドットによる熱伝導率制御

    b.薄膜の熱伝導率制御

    c.薄膜の結晶性と性能

  (2).薄膜の熱電性能評価方法

    a.薄膜のゼーベック係数測定

    b.薄膜の熱伝導率の測定方法

    c.測定のデモンストレーション

  (3).透明熱電材料

    a.透明酸化物の結晶性と熱電性能

    b.ナノワイヤ含有ZnO薄膜

 

3.今後のデバイス開発

  (1).低コスト化にむけて

    a.低コスト材料作製

    b.サーマルマネージメントを用いた低コスト材料

  (2).今後のデバイス利用

 

4.まとめ

 

第三部 熱電変換の基礎と実験と理論の融合による新規熱電材料の開発

 

1.熱電変換の基礎

  (1).世界のエネルギー問題と熱電変換

  (2).ゼーベック効果、ペルチェ効果

  (3).変換効率と無次元性能指数

  (4).電子輸送現象

    a.ドルーデ理論

    b.ボルツマンの輸送方程式

 

2.第一原理計算の基礎

  (1).密度汎関数理論

  (2).コーンシャム方程式と電子状態計算

 

3.第一原理計算コードOpenMX

  (1).入力ファイルの作成

    a.結晶モデルの構築

    b.ブリルアンゾーンの作成

    c.入力ファイルの記述

    d.計算の実行

  (2).出力ファイルの解析

    a.電子バンド

    b.状態密度と部分状態密度

    c.電荷分布の可視化

 

4.電子輸送計算コードBoltzTraP

  (1).OpenMXとBoltzTraPをつなぐインターフェースプログラム

  (2).入力ファイルの作成と詳細

  (3).出力ファイルの解析と出力

  (4).温度依存性の計算

  (5).キャリア密度を可変パラメータとした計算

  (6).電子輸送係数K2の計算のためのソースコードの書き換え

 

5.実験データと計算データによる解析

  (1).緩和時間の算出

  (2).化学ポテンシャルとゼーベック係数

  (3).実験と理論計算の成功と失敗

  (4).新規材料探索の実例

キーワード 熱電モジュール 熱伝導率制御 ゼーベック係数 透明酸化物 ナノワイヤ サーマルマネージメント熱電変換 ゼーベック効果 ペルチェ効果 電子輸送現象 キャリア密度 化学ポテンシャル
タグ エネルギーパワーデバイスリチウムイオン電池ワイヤレス給電自然エネルギー太陽電池蓄電熱交機器・熱電変換発電
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
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