システム同定と連携した実践的フィードバック制御器設計と自動チューニング法 <オンラインセミナー>

~ ラプラス変換、システム同定、各種フィードバック制御器の試行錯誤設計とシステム同定に基づくデータ駆動自動設計技術 ~  

システム同定の基礎から数理最適化による制御器自動チューニングの応用システムまでを修得し実務に適用するための講座

システム同定の基礎からフィードバック制御器のチューニング法の勘所までを修得し、制御系設計の実務に活かす特別セミナー! 

*MATLABのプログラムをお配りいたします

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・WEB会議システムの使い方がご不明の方は弊社でご説明いたしますのでお気軽にご相談ください

講師の言葉

 フィードバック制御器の設計は、制御対象の最終性能において重要な、外乱抑圧性能・モデル化誤差の補償性能、目標値追従性能を左右する重要なステップです。制御工学の教科書は、モデルが既知として話が始まります。しかし、実際の業務において、制御系設計を行う場合、制御対象のシステム同定が重要になります。

 本セミナーでは、システム同定と連携した、フィードバック制御器設計のハンドチューニングの勘所およびデータ駆動自動設計について解説します。

 システム同定について、M系列信号やランダムノイズ等を用いた時間領域システム同定と、正弦波信号の重ね合わせであるマルチサインを用いた周波数領域システム同定を紹介します。特に、位置決めサーボ系に適した、正確で効率の良い後者の手法を中心に、「データの質を定量化する周波数応答測定法」、「測定効率を最大化する加振信号生成法」、「最尤推定による伝達関数によるモデル化」、を紹介し、実行例付きのMATLABプログラムを配布します。

 次に、フィードバック制御器設計の基礎について説明します。制御性能とロバスト性のトレードオフをはじめとして、フィードバック制御器設計の設計仕様としてのゲイン余裕・位相余裕、または感度関数について解説します。「制御帯域」の定義は複数ある注意点および、内部モデル原理について解説します。そして、簡易的な設計法である限界感度法や極配置設計について述べます。

 次に、線形制御系の達成可能な性能限界について解説します。制御対象の特性によって性能上限が決まるため、PIDにいくらフィルタを足しても性能上限以上の性能は達成できません。設計前にこれを意識することは重要です。

 次に、フィードバック制御器の実践的チューニング法について解説します。種々の制御器や補償器について解説したあと、Step by Stepの実践的なフィードバック制御器のチューニング手順を紹介します。PIDのみでなく、高次制御器を試行錯誤的に設計できる手順となっています。

 最後に、講師が近年研究を進めている、データ駆動フィードバック制御器の自動チューニングについて紹介します。本手法は、PID等の次数を指定しつつ、制御帯域を最大化するゲインを自動設計する手法です。制御対象の高次モデルが不要で、周波数応答データを用いて自動設計する手法で、制御対象の不確かさの考慮や、位相余裕・ゲイン余裕・感度関数といった設計仕様を満たすことができます。

数式だけでなく、精密位置決め装置や電気回路の具体例や適用例を紹介しながら解説するため、実務へのイメージをつかみやすい構成になっています。

セミナー詳細

開催日時
  • 2021年01月18日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・機械、自動車、ロボット、輸送機器、ほか制御系設計者の方
・システム同定を学びたい方
・位置決めサーボ系設計者
・フィードバック制御器の勘所を掴みたい方
・生産現場での制御器調整を省力化したい方
・システム同定~制御器設計までを統一的に学びたい方

予備知識 ・解説はしますが、「ラプラス変換、伝達関数、離散フーリエ変換、古典制御、Bode線図、Nyquist線図、信号解析、数理最適化」の事前知識があるとより理解が深まります
修得知識 ・システム同定の同定信号の生成法
・周波数応答の計測法
・周波数応答の伝達関数によるフィッティング法
・フィードバック制御器設計の基礎
・線形制御系の達成可能な性能上限
・PID、ノッチフィルタ、位相進み遅れなど各種フィルタ設計の勘所
・周波数応答を用いたフィードバック制御器のハンドチューニングの勘所
・周波数応答を用いた数理最適化による制御器自動チューニング
プログラム

1.制御とは

  (1).推奨教科書リスト

  (2).自然界における「制御」

  (3).現代社会における制御工学の重要性

 

2.ラプラス変換の基礎

  (1).ラプラス変換の基本哲学

  (2).公式と計算法~電気回路を例に~

  (3).極と零点の定義

  (4).複素正弦波と伝達関数

  (5).極と零点とBode線図の関係
     ~Bodeの位相公式~

  (6).Bode線図を用いた演習

 

3.システム同定の基礎

  (1).離散フーリエ変換とその注意点

    a.サンプリング周波数の決定

    b.エイリアシング

    c.周波数領域での離散化:窓関数

    d.非整数周期を測定した場合

  (2).周波数応答の測定

    a.繰り返し加振による周波数応答解析

    b.周波数応答の測定と誤差解析

    c.周波数応答の分散

    d.繰り返し加振による周波数応答の推定

    e.精密位置決め装置を用いた具体例

    f.周波数特性測定のガイドライン

  (3).システム同定入力の生成

    a.同定信号の印加法

    b.システム同定における同定入力の制約条件

    c.入力信号の質:Crest factor

    d.入力信号の質:Time factor

    e.ランダムノイズ信号

    f.擬似ランダム2値信号(M系列)

    g.ステップサイン信号

    h.チャープサイン信号

    i.マルチサイン信号

    j.マルチサイン信号の最適化法

    k.入力信号選択のガイドライン

    l.精密位置決め装置を用いた具体例

  (4).周波数応答の伝達関数によるフィッティング

    a.適切な推定器選択の重要性

    b.伝達関数同定の直感的なアプローチ

    c.最尤推定法

    d.最尤推定法とその解き方

    e.精密位置決め装置を用いた具体例

  (5).発展的な事項

    a.閉ループ同定

    b.複数入出力閉ループ同定

    c.非線形性の同定

 

4.フィードバック制御器設計の基礎

  (1).1自由度制御

  (2).フィードバック制御の意義

  (3).フィードバック制御のトレードオフ

  (4).2自由度制御

  (5).ナイキストの安定判別法

  (6).安定余裕の指標:ゲイン余裕と位相余裕

  (7).設計仕様としてのゲイン余裕と位相余裕

  (8).感度関数とナイキスト線図の関係

  (9).設計仕様としての感度関数

  (10).3つの「制御帯域」の定義

  (11).内部モデル原理

  (12).開ループの積分器の数とその制約条件

  (13).制御器の積分器の数とその制約条件

  (14).限界感度法

  (15).古典制御における極配置設計

 

5.線形制御系の原理的制約条件とウォーターベッド効果

  (1).感度関数と相補感度関数の関係

  (2).Bodeの積分定理(ウォーターベッド効果)

  (3).Interpolation Constraints

  (4).不安定零点とアンダーシュート

  (5).線形制御系の性能限界

 

6.フィードバック制御器の実践的チューニング法

  (1).閉ループ系の4つの伝達関数

  (2).目指す開ループ特性

  (3).周波数応答から見た各種フィードバック制御器

    a.PI制御器

    b.PD制御器

    c.位相進み補償器・位相遅れ補償器

    d.PID制御器

    e.ノッチフィルタ

    f.Skew notch filter

    g.Quick low pass filter

    h.Complex lead (lag) compensator

    i.ローパスフィルタ

  (4).PID制御の一形態としてのP-PI制御・微分先行型PID制御・I-PD制御

  (5).実践的フィードバック制御器チューニング則

  (6).精密位置決め装置を用いた設計例

 

7.周波数応答駆動形制御器自動チューニング法の提案

  (1).H∞制御によるロバスト制御との比較

  (2).前提条件と目指す制御器

  (3).最適化問題としての難しさ

  (4).3ステップによる最適化

    a.極配置設計

    b.逐次線形化

    c.非線形最適化

  (5).精密位置決めステージを用いた実例

  (6).データ駆動型フィードバック制御器自動設計の発展

 

8.まとめと質疑応答

キーワード モデルベース制御 ラプラス変換 システム同定 フィードバック制御 PID制御 極配置設計 ゲイン余裕 位相余裕 フィードフォワード制御 逆モデル ローパスフィルタ 線形制御系 周波数応答 ノッチフィルタ 位相進み 位相遅れ 
タグ ロボット位置決め紙送り機構最適化・応力解析自動車・輸送機制御
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
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