熟練技術者の暗黙知の見える化とその技能伝承・共有の仕組み構築

〜 認知的タスク分析と具体例、暗黙知見える化の具体的手法とそのポイント、後継者による認知的スキルの体得 〜

・経験に基づくカン、コツ、ノウハウである技術を継承する具体的手法を解説する講座

・期待する効果を現実にするノウハウ(暗黙知)言語化手法をマスターし、より価値の高いノウハウを生み出し、実務に活かそう!

講師の言葉

 設計・開発等の仕事を通じてベテランの頭や身体の中に蓄積されてきた暗黙知(経験に基づくカン、コツ、ノウハウ)を、「認知的タスク分析」という手法を使って引き出し、「タスク分析表」(+他の必要な表、マップ、チャート等)に整理することで、ベテランの暗黙知を継承する具体的手法をお伝えします。理論的裏付けから具体的手法まで、少し学んで経験すれば現場で使えそうなレベルのお話をします。

 「暗黙知」とは、人が経験を通じて体得した、言葉では伝えられない(伝えにくい)知識や知恵のことです。人は経験を通じて有益な知識・知恵を創造・蓄積します。その知識・知恵は、判断(意思決定)の機会が多く、且つ判断の如何によって成果が大きく変わる仕事ほど、高い価値を持ちます。「タスク分析表」(+他の表、マップ、チャート等)を作れるようになれば、団塊の世代が持つ熟練技術・技能の継承や、日常的な業務の引継、新人教育の効率化などが実現可能です。

 日本を代表する大企業(NEC)を始め、多くの中小企業やベンチャー企業((株)ザイキューブ等)に対し、暗黙知の塊と言える弁理士業務を30年やってきた弁理士が、暗黙知見える化の具体的手法をお伝えします。奮ってご参加ください。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年11月11日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 品質・生産管理・ コスト・安全
受講対象者 ・製品、部品、生産ライン等の設計や開発に携わる技術者及び管理者 ・熟練技術・技能の伝承と社内共有に関心のある技術者及び管理者 ・熟練技術・技能の共有による人材育成に関心のある技術者及び管理者
予備知識 ・企業における何らかの頭脳労働に関する知識と経験  (設計・開発業務の経験がある方が好ましいですが、講義では、これらの経験がなくても理解できる事例を採り     あげて解説します。) ・好ましくは、企業における頭脳労働の熟練者が持つ技術・技能の伝承に関する知識・経験や、当該の技術・技能の共有による効率的な人材育成・開発に関する知識・経験
修得知識 本講座により、以下のことを知ることができ、またそれらが実現可能であることが分かります。 ・これまでの暗黙知見える化手法で効果が出にくい理由は、暗黙知の所有者が発する言葉を、暗黙知を言語化・ 概念化するスキルのない所有者自身あるいは第三者がそのまま聞き取り、言語化しただけだからです。 ・本講座でお伝えする手法で言語化すれば、期待する効果は現実になります。 ・塾練技術者のノウハウ(暗黙知)を見える化する具体的手法がどのようなものか、分かります。 ・練技術者のノウハウ(暗黙知)を次世代に伝承し社内で共有する仕組みとしてどのようなものがあるか、分かります。 ・練技術者は、ノウハウ(暗黙知)言語化に習熟したインタビュアーとの対話を通じて、無意識でやっていた自分の思考法や習慣、思い込み等に気づくことができるので、自分のノウハウの改善・発展が容易になり、より価値の高いノウハウの創出が期待できます。 ・この効果があるため、自分のノウハウの開示を積極的には望まない熟練技術者にも、言語化への協力を伝承してもらいやすくなります。
プログラム

1.人は言語化できない知識(暗黙知)を持っている

  (1).二種類の知識−形式知と暗黙知

  (2).暗黙知の二つの側面

  (3).暗黙知は人の直接経験から生まれる

  (4).仕事に含まれる暗黙知−多くは認知的スキル

  (5).重要な認知的スキル

     ・状況認識(情報収集、情報解釈、状況予測)、

意思決定(問題明示、選択肢の比較検討、選択肢の選択と実行、結果の評価)、

気づき、評価、解釈、優先順位付け等

2.暗黙知見える化の全体像

  (1).熟練者によるタスク分析表の記入(自問自答)

     a.分析するタスク(〇〇の設計、〇〇の企画等)を特定

b.特定したタスクをサブタスクへ分解

c.各サブタスクの実施中に行っている思考・行動を記入

d.重要な認知的スキルを含むサブタスクを選択

e.重要な認知的スキルに必要なカン、コツ、ノウハウを記入

(2).インタビュアーによるタスク分析表の修正・追記

      ・インタビューによりタスク分析表の空白を埋め、不適切部分を修正

   (3).インタビュアーによる認知的スキルの抽出・分析

a.選択したサブタスク中の認知的スキルのタイプ(種類)を特定

b.選択したサブタスク中の認知的スキルに係る経験談を導出

c.導出した経験談中の各事象で行った思考プロセスを特定

d.特定した思考プロセスの詳細を分析

(4).学習テキスト・マニュアルの作成

    a.入手した全データを整理・分析

    b.整理・分析した結果を後継者が理解できる形で表現

     c.表現した分析結果に基づいて新規テキスト・マニュアルを作成

    d.または既存テキスト・マニュアルに追記

3.暗黙知見える化を弁理士が始めた経緯

(1).特許明細書作成という仕事で培われたスキル

(2).発明を言語化・概念化するスキル

(3).発明者から必要情報を引き出すスキル

(4) .企業にとっての特許の価値と無力感

  (5).特許明細書作成は「発明」の言語化・概念化

  (6).特許明細書作成は「発明」の本質を押さえた抽象化と具象化

  (7).特許明細書作成に使われるフレームワーク

  (8).発明の言語化・概念化スキルの暗黙知見える化への転用

  (9).インタビュー(面談)スキルの暗黙知見える化への転用

4.暗黙知見える化に最適な弁理士の発明言語化スキル

  (1).特許明細書とは特許庁審査官あてに書く発明解説書

  (2).特許明細書を書く時に使う思考パターン

  (3).弁理士の仕事は発明の本質把握とその言語化・概念化

  (4).発明の抽象化と具象化を通じた発明言語化・図像化

  (5).発明の抽象化によりその本質を掴む−請求項

  (6).本質に基づいて発明を具象化する−実施形態

  (7).発明の抽象化と本質把握の事例−六角形鉛筆の発明の場合

  (9).弁理士のスキルの暗黙知見える化での活用法

5.暗黙知とその意義

  (1).暗黙知は言葉にしにくい有益知識と知恵

  (2).暗黙知は心に深く潜在する技術常識

  (3).暗黙知の本質は経験に基づく認知的スキルにあり

  (4).認知的スキルの言語化・概念化とは

  (5).設計・開発業務は暗黙知の固まり

  (6).ITの発達による認知的スキルの重要度急増にどう対応するか

6.暗黙知見える化の具体的手法−認知的タスク分析

  (1).認知的タスク分析(Cognitive Task Analysis、CTA)とは

    a.心理学者が熟練技術の分析に多用

     b.社員の業務・パフォーマンス分析に多用

  (2).認知とは−認識・理解・思考

     a.頭(心)の中で起こっている知的活動

b.注意、知覚、パターン認識、記憶、判断、意思決定、問題解決、推論等

(3) .タスクとは−技術者の仕事(〇〇の設計、〇〇の企画等)

    ・認知的タスク=外部から観察できない心的プロセス

  (4) .分析とは−心的プロセスを分解・整理して言語化・概念化

    a.自問自答とインタビューによる認知スキルの抽出(言語化)

b.抽出した認知スキルの整理(概念化)

(5) .認知的タスク分析の具体例

    a.熟練者の自問自答+熟練者に対するインタビュー

b.タスク中の認知(思考)プロセスの抽出

c.タスク分析表の作成・修正・追記

     d.使用する質問の具体例

(6).学習テキスト・マニュアルの作成

    a.タスク分析の結果に基づき学習テキスト・マニュアルを新規作成

b .タスク分析の結果に基づき既存テキスト・マニュアルを修正・追記

7.タスク分析の結果の利用−後継者による認知的スキルの体得

(1).座学による研修

    ・熟練技術者本人による指導・解説

  (2).OJTによる実践(トレーニング)

    ・熟練技術者本人による支援

8.まとめと質疑応答

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受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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