調達電子部品におけるクレーム・トラブルゼロに向けた方策と実務上の勘所

〜不良発生のメカニズム・検証のポイント・現場管理の着眼点など体系的に電子部品トラブル未然防止と品質確保のポイントを解説〜

  • 自動車電装品の品質管理、海外展開に基づく泥臭い経験を交え、企業や技術者が見落としがちなポイントを解説する講座!
  • 講師が長年かけて培った品質トラブルゼロの勘所を吸収し、業務姿勢・管理方法の改善、一段上の幅広い視野の獲得に活かそう!
  • 表面上の取組みや管理手法ではなく、写真も交え具体的な故障や検証方法も解説。講義内での個別質問も歓迎!

講師の言葉

 半導体を主体とした電子部品のトラブルはその生産地が日本から海外、あるいはもともと海外だったものをふくめると今では海外でつくられる電子部品が多くなり、ダイオード、トランジスタ、LEDや抵抗、コンデンサ、コイル部品などを含めると今では日本国内で探すのすら難しくなってきた昨今である。
 海外でつくられる部品が当たり前になり、それらが増えてくることと合わせ、トラブルが起きた時の解析や真因追求の技術は下降の一途をたどっているといっても過言ではないだろう。
 自社での技術や設備がないからその多くを電子部品メーカに頼らざるをえず、肝心なメーカに技術力の翳りが見えるとなるとこれは大変なことになる。「これは過電流破壊なので御社の使い方を見直し下さい」「これは偶発故障で実績ではXppmで多発することはありません」といった「つきつけ型の回答」がいかに多いことか。
 技術力のあるメーカの探しだしや良質の材料、設備、人材の確保されたラインを探し出すことは電子部品のクレーム、故障をゼロ化するにあたっての必須事項になってきている。その傍らで我々の回路設計はその部品の弱点を知らずして使い、皮肉にも弱点領域での使い方で品質トラブルを引き起こしたり、我々のライン、検査設備、フィクスチャーでのアーク、ノイズ、サージを起こして電子部品にダメージを与え、故障の芽を仕込んでいることもしばしばあるのも事実である。
 現場での作業者の意識が加工部品の%の管理に慣れきってしまっているところでは電子部品の故障は1個がロット不良のはしりであることに気づかず、打ち手が遅れるマンネリ化しきってしまった職場が数多くある。
 この講座はこうした半導体をはじめとした電子部品のトラブル、クレームゼロに向けての設計、購買、生産技術、製造、品質保証の人々がなすべきこととその技術、しくみについて示すものである。

セミナー詳細

開催日時
  • 2015年08月05日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 品質・生産管理・ コスト・安全
受講対象者 半導体をはじめとした電子部品のクレームやトラブルをゼロ化しようとしている企業の品質保証部門、設計部門、購買部門、生産技術部門、設備部門、製造部門の技術者の方々
予備知識 特に必要ございません
修得知識 半導体をはじめとした電子部品の取り扱い技術、クレーム、トラブル時にメーカとの原因追求、再発防止、歯止めを高める技術
プログラム

1. 基本的な考え方
  (1). 半導体における不良品、欠陥品、故障品
  (2). 市場での故障ゼロを目指すには
  (3). 試験をしているのに市場でなぜトラブルが起きるか
  (4). 海外部品調達から現地部品調達、現地生産、現地設計の種々なパターンにおける考え方
  (5). 自動車電装部品の重要度区分とその品質保証体制の基本枠組み
  (6). 複数の仕組みを組み合わせて「ひっかけ」の精度を上げる

2. 致命・重故障の品質展開と管理点の設定
  (1). 故障モードの致命度評価
  (2). 致命故障モードの故障の木解析(FTA)とその展開の仕組み
  (3). 車両評価、電装ユニット評価、部品評価、材料評価の組み合わせ品質保証体制

3. 部品の仕様決めと検査プログラム、条件の検証
  (1). ベンダーパーツ(電子部品)とサブコントラクトパーツ(加工部品)の区分とその違いは
  (2). メーカ・部品の認定の基本的な考え方
  (3). 取引形態と契約の関係
  (4). グローバル体制の中での契約書、仕様書は

4. 部品認定のための実力評価試験、構造解析、ライン監査
  (1). デバイススペック・電装ユニットスペック・車両スペックの関係は
  (2). 電装ユニットの実力管理をするためにその構成部品の実力管理をする
  (3). 認定分野とその区分
  (4). 認定のプロセス
  (5). 良い会社の見定め方15と良いラインの見定め方10
  (6). 品質の顕在化、潜在化、底在化とそれらを引き出すためのやりかた
  (7). 企業力評価とライン力評価の基本的な考え方とその例
  (8). 実力評価試験と構造解析の基本的な考え方とその例
  (9). 効果のあるメーカへの試問のしかたと深堀のしかた
  (10). リニアIC、パワーMOS−FET、トランジスタ、LED、ダイオード、MPUなどの主要な故障事例とそこから得られる教訓15
    (ワイヤ接合欠陥、コンタクトホール欠陥、酸化膜欠陥、結晶欠陥、ステップカバレージ欠陥、過電圧破壊、過電流破壊、メタル欠陥、パッケージ欠陥)

5. 長寿命設計と死にざま設計
  (1). 長寿命設計の押さえどころ
  (2). 死にざま設計の押さえどころ
  (3). マイコン暴走予防設計の押さえどころ
  (4). 耐ノイズ設計押さえどころ
  (5). 耐結露予防構造設計の押さえどころ
  (6). 耐熱設計の押さえどころ
  (7). 振動予防設計の押さえどころ

6. 回路余裕度測定と限界試験
  (1). 特性保証・動作保証・故障モード保証とそれぞれの考え方
  (2). 限界試験・複合試験・動作信頼性試験とそれぞれの考え方とやりかた
  (3). 余裕度測定のしかた
     (電圧変動、電源瞬断、過入力、逆接続、サージ、チャタリング、応答性、CPU電源変動、振動子発振安定性、振動子起動安定性、VOL、VOH、IMax、IMin)

7. 製造ライン・現場でかかるストレスの測定と制御方策
  (1). 基板発熱温度分布の測定
  (2). 基板ひずみ分布の測定
  (3). 操作振動並びに衝撃の周波数分布の測定
  (4). 電源ノーマルノイズ、コモンノイズ、誘導ノイズの立ち上がり波形・周波数の測定
  (5). 突入電流、遮断電流の立ち上がり波形・周波数の測定

8. ECUバーンインと即日解析体制
  (1). スクリーニング、デバッギング、エージング、バーンインの意味
  (2). 欠陥を内在する部品を除く各種のやりかた
  (3). 半導体の故障、スクリーニングに対するメーカ見解
  (4). 市場実績から見た故障率の分布と除去が可能な故障モードの関係
  (5). 効果的なストレススクリーニングの条件の決め方
    (電源、制御入力、負荷、温度、制御出力の動作シーケンス)

9. インサーキットテスト、ファンクションテストなどのフィクスチャー、プローブピンをつかった検査設備の検証
  (1). プローブピンの種類と動作の安定性と寿命
  (2). アークとノイズの関係
  (3). 最小アーク電圧と最小アーク電流の関係
  (4). ICT、FCTのプローブピン、フィクスチャーの検証の押さえどころ

10. 静電気の測定・管理
  (1). 帯電列
  (2). 接触帯電、摩擦帯電、剥離帯電、流動帯電、噴出帯電、粉砕帯電
  (3). 人体モデル、マシンモデル、デバイス帯電モデルとその試験法
  (4). ラッチアップ耐量を調べるノイズ注入法、過電圧印加法のラッチアップ試験法
  (5). 従来の静電気計測法と最新の静電気計測法
  (6). IECに定める絶縁抵抗測定・管理法
  (7). 静電気の抑制と防止対策

11. 製造現場の管理
  (1). 電子部品に損傷を与えないためのフローはんだ、リフローはんだの温度プロファイルの決め方
  (2). 始業点検と就業点検とその間のセンシング、モニタ、警告・表示の方策
  (3). ポカヨケとその着眼点
  (4). 異常管理とその方策
  (5). 変化点管理と4M変更のポジ検証とネガ検証のやりかた

12. 変化に気づける人の意識と職場風土の形成、しくみ
  (1). 作業ミスの背景を突き詰める4つの窓
  (2). 変化に気づくことのできる現場の意識の醸成のしかた
  (3). コンカレント開発と生産技術、設備、購買、製造、品質保証部門のやるべきこと
  (4). 能動的な技術追求型のデザインレビューのしかた

キーワード 故障モード 現地生産 現地設計 長寿命設計 仕様決め 検証プログラム 設備検証 回路余裕度測定 バーンイン 検査設備 静電気 変化に気づく
タグ はんだ回路設計表面処理・めっき基板・LSI設計
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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