「暗黙知の見える化」と技術伝承への 活かし方およびそのポイント

〜暗黙知における認知的タスク分析の具体的手法、見える化による暗黙知のマニアルへの変換と利用〜

熟練技術者のノウハウを社内で共有し見える化による承継仕組みをつくるための講座

熟練技術で技能の継承や業務の引き継ぎ、新人教育の効率化に大きな成果を上げる暗黙知の見える化手法を学べる特別セミナー

講師の言葉

 設計・開発等の仕事を通じてベテランの頭や身体の中に蓄積されてきた暗黙知(経験に基づくカン、コツ、ノウハウ)を、「認知的タスク分析」という手法を使って引き出し、「タスク分析表」「認知スキル一覧表」に整理することで、ベテランの暗黙知を継承する具体的手法をお伝えします。理論的裏付けから具体的手法まで、少し学んで経験すれば現場で使えそうなレベルのお話をします。
 「暗黙知」とは、人が経験を通じて体得した、言葉では伝えられない(伝えにくい)知識や知恵のことです。人は経験を通じて有益な知識・知恵を創造・蓄積します。その知識・知恵は、判断(意思決定)の機会が多く、且つ判断の如何によって成果が大きく変わる仕事ほど、高い価値を持ちます。「タスク分析表」と「認知スキル一覧表」を作れるようになれば、団塊の世代が持つ熟練技術・技能の継承や、日常的な業務の引継、新人教育の効率化などが実現可能です。
 日本を代表する大企業(NEC)を始め、多くの中小企業やベンチャー企業((株)ザイキューブ等)に対し、暗黙知の塊と言える弁理士業務を30年やってきた弁理士が、暗黙知見える化の具体的手法をお伝えします。奮ってご参加ください。

セミナー詳細

開催日時
  • 2015年09月03日(木) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 研究開発・商品開発・ ビジネススキル
受講対象者 ・製品、部品、生産ライン等の設計や開発に携わる技術者及び管理者 ・熟練技術・ノウハウの承継と社内共有に関心のある技術者及び管理者 ・熟練技術・ノウハウの共有による人材育成に関心のある技術者及び管理者
予備知識 ・企業における何らかの頭脳労働に関する知識と経験 ・設計・開発業務の経験がある方が好ましいです ・講義では、これらの経験がなくても理解できるように、主として機械系の設計事例を採りあげて解説します ・好ましくは、企業における頭脳労働の熟練者が持つ技術 ・ノウハウの承継問題に関する知識や、当該の技術 ・ノウハウの共有による効率的な人材育成・開発法に関する知識
修得知識 ・従来の暗黙知見える化手法で効果が出にくい理由は、暗黙知の所有者が発する言葉を暗黙知を言語化・概念化  するスキルのない人がそのまま聞き取り、言語化しただけだからです。 本講座でお伝えする手法で言語化すれば、期待する効果は現実になります。 ・熟練技術者のノウハウ(暗黙知)を見える化する具体的手法がどのようなものか、分かります。 ・熟練技術者のノウハウ(暗黙知)を次世代に承継し、社内で共有する仕組みとしてどのようなものがあるか分かります。 ・熟練技術者は、ノウハウ(暗黙知)言語化に習熟した「暗黙知翻訳家」との対話を通じて、無意識でやっていた自分の思考法や習慣、思い込み等に気づくことができるので、自分のノウハウの改善・発展が容易になり、より価値の高いノウハウの創出が期待できます。 この効果があるため、自分のノウハウの開示を積極的には望まない熟練技術者にも言語化への協力を承諾してもらいやすくなります。
プログラム

1.人は言語化できない知識(暗黙知)を持っている
  (1).二種類の知識−形式知と暗黙知
  (2).暗黙知の二つの側面
  (3).暗黙知は人の直接経験から生まれる
  (4).仕事に含まれる暗黙知−多くは認知的スキル
  (5).重要な認知的スキル
     ・意思決定、判断、気づき、評価、認識、解釈、優先順位付け、予想等

2.暗黙知とその意義
  (1).暗黙知は言葉にしにくい有益知識と知恵
  (2).暗黙知は心に深く潜在する技術常識
  (3).暗黙知の本質は経験に基づく認知的スキルにあり
  (4).認知的スキルの言語化・概念化とは
  (5).設計・開発業務は暗黙知の固まり
  (6).ITの発達による認知的スキルの重要度急増にどう対応するか

3.熟練技術者の特徴
  (1).2種類の熟練技術
     a.知覚的熟練(例えば視覚・触覚等による判断)
     b.概念的熟練(例えば頭脳による判断)
  (2).領域固有性−専門領域に特有な暗黙知
  (3).優れたパターン認識能力
  (4).効率的でミスの少ない実践
  (5).チャンクを利用した高度の記憶
  (6).状況・問題の本質的かつ深い理解
  (7).メタ認知スキルの保有(自己監視)
  (8).高度な知覚的(気づき)能力
  (9).状況・問題の典型性・特異性を見抜く能力
 (10).メンタルシミュレーションによる高度な現状診断・予想能力
 (11).認識主導型の意思決定モデル
     a.状況の重要な手がかり(情報)に着目
     b.状況に適した記憶パターンを想起
     c.分析的メンタルシミュレーションで結果を予測
     d.対応策決定
     e.行動

4.暗黙知見える化の具体的手法−認知的タスク分析
  (1).認知的タスク分析(Cognitive Task Analysis、CTA)とは
     a.心理学者が熟練技術の分析に多用
     b.社員の業務・パフォーマンス分析に多用
  (2).認知とは−認識・理解・思考
     a.頭(心)の中で起こっている知的活動
     b.注意、知覚、パターン認識、記憶、判断、意思決定、問題解決、推論等
  (3).タスクとは−技術者の仕事の構成要素(群)
    ・認知的タスク=技術者の仕事の、外部から観察できない心的プロセス
  (4).分析とは−心的プロセスの言語化・概念化
     a.自問自答とインタビューによる知識・認知スキルの抽出
     b.抽出した知識・認知スキルの整理(概念化)
  (5).認知的タスク分析の具体的手法
     a.熟練者の自問自答+熟練者に対するインタビュー
     b.タスク中の認知(行動・思考)プロセスの抽出
     c.タスク分析表の作成
      ・認知スキル一覧表の作成
      ・プローブとしての質問例

5.認知的タスク分析の体験
  (1).タスク分析表を作る過程を体験する
  (2).認知スキル一覧表を作る過程を体験する

6.見える化した暗黙知の教材への変換
  (1).タスク分析表と認知スキル一覧表に基づく暗黙知の整理・体系化
  (2).整理した暗黙知の既存マニュアル(教材)への追加
  (3).整理した暗黙知に基づく既存マニュアル(教材)の修正
  (4).整理した暗黙知に基づく既存マニュアル(教材)の新規作成

7.作成した教材の利用−熟練技術の体得
  (1).座学による研修
     ・熟練技術者本人による指導・解説
  (2).OJTによる実践(トレーニング)
     ・熟練技術者本人による支援

8.まとめと質疑応答

キーワード 言語化 暗黙知 特許明細書 認知的タスク分析 概念化 マニュアル(教材) 熟練技術 
タグ コミュニケーション技術経営技術伝承文章の書き方
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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