信頼性加速試験の効率的な進め方とその実際

価格 ¥ 74,800

特徴

短納期製品の信頼性確保に必須技術である加速試験について11社16名の方が執筆した実務書。

価格

定価 74,800円(本体68,000円)

体裁

体裁B5判  上製本 381頁

発刊

2006年11月 増補改訂版発行

ご案内

電子機器・部品をはじめとして技術の進歩は 著しく、また顧客からの性能向上や信頼性に 対する要求もますます厳しさを増している。
 こ うした中で他社よりも優位になるためには開発 段階から量産化への移行、購入に至るまでの 各段階で信頼性を短期間に効率よく評価する ことが必要になってくる。
  このため信頼性加速 試験ますます重要となっており、今やメーカ の経営を左右するキーテクノロジーのひとつとなっている。しかしながらその方法は、製品や段 階によって千差万別であり、系統化されていな いため各企業でも試行錯誤を繰り返しているの が現状である。
 そこで本書では、短納期製品の信頼性の確保 には必須の技術である加速試験の事前検討や 進め方から高信頼性を確保した新製品の加速試 験の具体例さらには各社の実際についてまとめ た実務書である。本書がハイテク製品のますます の品質・信頼性の向上に役立つものと確信し、ご案内申し上げます。

執筆者

鹿沼 陽次氏 信頼性コンサルタント
斉藤 和英氏 前(株)日立製作所
塚田  裕氏  京セラSLCテクノロジー(株)
三橋 順一氏 (株)ルネサステクノロジ
熊丸 智雄氏 元(株)東芝
池ヶ谷剛彦氏 (株)東芝  
安達 健二氏 (株)東芝
鈴木 信行氏 キヤノン(株)
小林 孝好氏 キヤノン(株)
山口 英夫氏 富士通(株)
木谷 晃久氏 富士通(株)
真崎 藤義氏 オムロン(株)
原田 文明氏 富士ゼロックス(株)
相原 敏彦氏 日産自動車(株)
間庭 孝男氏 (株)IHIエアロスペース 
山本 繁晴氏 エスペック(株)

目次

第1章 短納期時代に対応した信頼性加速試験
  1.はじめに
  2.デザインレビュー(DR)
    a.DR(Design Reviewの略:設計審査)の必要性
    b.DRの進め方
  3.加速試験
    a.加速試験の意義
    b.加速試験の取り組み方
    c.加速試験の効果
    d.試験条件が甘く結果の判明が遅い場合の弊害
    e.加速試験計画のポイント
    f.ストレスと強度
    g.加速試験の種類
     h.モデル式の活用
  4.ステップストレス試験
  5.正規分布
    a.正規分布の特徴
    b.標準偏差σの求め方
    c.正規分布の基準化
     d.正規分布による信頼度推定
    e.〔例題〕
    f.正規確率紙による推定
    g.裕度分布(=強度−ストレスの分布)
  6.信頼度の分布
    a.信頼度の基本式と分布     b.ワイブル確立紙の使い方
  7.指数分布
  8.質疑応答
    a.安全余裕について       b.加速試験と市場故障モード
  9.事例演習
    a.アレニウスモデル式の活用   b.規分布による寿命解析
    c.アレニウスとアイリングモデル式の活用
    d.加速試験計画
 10.液晶表示素子の加速試験
    a.液晶表示素子の構造と表示原理
    b.時計・電卓用LCDの信頼性
    c.車載LCDの加速試験
 11.液晶ディスプレイの加速試験
    a.液晶ディスプレイの動向と構造の変化
    b.液晶ディスプレイの接続構造の変遷
    c.液晶ディスプレイの接続の信頼性
    d.信頼性の向上        
    e.CFLの信頼性
    f.おわりに
 12.添付表
    a.正規分布の上側確率    b.飽和水蒸気圧及び絶対温度の表
第2章 加速試験の事前検討及び進め方
  1.加速試験の事前検討
    a.加速試験のニーズ        b.製品・技術開発の生き残り
    c.加速試験の意義         d.加速試験のポイント
    e.加速試験による故障モード    f.加速試験と活性化エネルギー
  2.加速試験の進め方
    a.加速試験による劣化現象    
    b.加速試験における劣化の一般式
    c.加速試験における試料数の決め方  
    d.加速試験による試験期間の決め方
    e.加速試験データ集の活用
  3.付録
第3章 ビルドアップ配線板におけるベアチップ実装の加速試験
  1.ビルドアップ配線板とベアチップ実装
    a.開発の歴史            
    b.フリップチップによるベアチップ実装
    c.ビルドアップ配線板        d.仮想モジュール
  2.信頼性要因と加速試験
    a.故障モード             b.加速試験の手順
  3.おわりに
第4章 半導体デバイスの信頼性加速試験の実際
  1.加速試験方法
  2.信頼性試験方法
    a.機械的試験            b.耐候性試験
    c.その他の試験(限界試験)   d.耐久性試験
  3.表面実装デバイス(SMD)の耐湿性評価
    a.SMDの耐熱性試験       
    b.表面実装デバイス(SMD)でのアルミニュウム腐食
  4.信頼性加速試験の実際例 
    a.バーイン試験
  5.TEGによる信頼性評価
    a.ホットキャリア効果        b.経時破壊(TDDB)試験
第5章 (株)東芝 府中工場における信頼性加速試験の実際
  1.まえがき
  2.品質保証活動
    a.製品品質と信頼性        b.品質保証試験
  3.信頼性加速試験の意義
    a.部品データの調査        b.部品の信頼性認定
  4.信頼性加速試験の立案
    a.試験仕様の作成         b.試験用器材の選定
  5.信頼性加速試験の実施計画
    a.期間試験計画          b.試験槽の工程管理
  6.信頼性加速試験方法
    a.対象試験項目          b.部品別の試験方法
  7.試験データの解析
    a.試料および試験条件      b.静電容量の経時変化と特性劣化傾向
    c.コンデンサ特性値の予測    d.故障物理的解析
  8.設備の運用保全
    a.試験槽の自動管理       b.24時間通電の安全管理
  9.あとがき
第6章 キヤノン(株)における信頼性加速試験の実際
  1.キヤノンにおける部品認定方法
    a.信頼性試験             b.工程審査
  2.各デバイスの信頼性加速試験
    a.IC不揮発生メモリを除く      b.不揮発生メモリ
    c.フォトカプラ、フォトインタラプタ  d.レーザダイオード
    e.トライアック
  3.信頼性加速試験結果
    a.IC不揮発生メモリを除く      b.不揮発生メモリ
    c.フォトカプラ、フォトインタラプタ  d.レーザダイオード
    e.トライアック
第7章 富士通(株)における信頼性加速試験の実際
  1.信頼性評価技術開発への取り組み
  2.高加速試験の実際(その1)
    a.パッケージ吸湿量による耐熱評価
    b.フラッシュ・メモリのエンデュランス評価
    c.プリント配線板の絶縁評価試験の時間短縮
    d.冷却用ファンの信頼性評価
    e.小型シール鉛蓄電池の寿命評価
  3.高加速試験の実際(その2)
    a.LSIアルミ配線の複合不良評価
    b.薄型LSIパッケージの過渡的な膨れ評価
    c.高電界下での寿命試験の実施方法
    d.静電気による潜在的故障検出方法
    e.アルミ電解コンデンサの評価方法
    f.冷陰極管点灯用インバーターの効率的な評価方法
    g.CD-ROMユニット高速化にともなる評価方法
第8章 オムロン?におけるセンサの信頼性加速試験の実際
  1.センサの開発・評価体制
    a.信頼性活動のレベルアップ
    b.評価の考え方(Zeroクレーム商品の創出)
  2.センサに要求される寿命・信頼性レベル
    a.市場環境ストレス
    b.目標寿命の設定
    c.L E Dの信頼性の特徴
    d.L E Dの信頼性評価の変遷
    e.L E Dの湿度加速性
    f.L E D及びその他の信頼性評価項目の設定
    g.良品解析
  3.L E D評価事例
    a.ワイヤ形状違いによる温度サイクル耐量の違い
    b.LEDの寿命予測
    c.LEDの信頼性試験データ例
  4.光電センサーの信頼性評価事例
    a.市場状況
    b.加速試験条件の検討
第9章 富士ゼロックス(株)における機器の信頼性加速試験の実際
  1.信頼性とは          2.信頼性評価と試験の役割
  3.当社における信頼性の考え方と試験の役割
  4.当社における信頼性試験の変遷    5.信頼性試験の生産性
  6.一般的な信頼性試験の方式
  7.一般的な試験方式(市場シミュレーション)
  8.統計的な試験方法の性質        9.統計的方法における精度と検出力
 10.機器の信頼性試験改善の背景    
 11.FUJI XEROXにおける機器の加速試験法の考え方
 12.要因抽出と水準の設定          13.試験条件の割り付け
 14.個別試験による検出力向上       15.予測法の立案
 16.予測法の立案時の注意         17.市場信頼性予測式の例
 18.試験法改善の成果
 19.機器の信頼性試験の特徴と改善の留意点
 20.おわりに  
第10章 自動車シャシー用防振ゴムにおける疲労寿命試験設定の一手法
 1.疲労寿命予測の問題点と基礎知識
  a.疲労寿命予測の問題点
  b.自動車シャシー用防振ゴムの機能と劣化
  c.自動車シャシー用防振ゴムの環境条件
  d.自動車シャシー用防振ゴム部品への入力
 2.疲労寿命の考え方
  a.マイナー則の適用と疲労被害度の算出
  b.S―N線図の傾き
  c.防振ゴムのS―N線図の傾き
  d.S―N線図における平均歪の影響
 3.市場から耐久試験への入力の置き換え
  a.市場入力の捉え方
  b.市場入力の特徴
  c.市場の負荷分布の算出
 4.部品の耐久性ばらつきの相場
  a.疲労強度のばらつき要因
  b.静的ばね定数ばらつきの分布と耐久性ばらつきの分布
 5.疲労寿命試験の目標設定
  a.累積故障発生率算出の考え方
  b.疲労寿命試験の目標設定と検証
第11章 (株)IHIエアロスペース 品質保証部における信頼性加速試験について
  1.ロケットおよびロケット搭載機器における信頼性
  2.信頼性評価の内容と手法
    a.故障率/信頼度評価      b.寿命評価    c.耐環境性評価
  3.信頼性加速試験(ロケット関連での特徴的な手法例)
  4.信頼性kasokusikenの種類(航空宇宙での特徴的な手法例)
    a.オーバーロードテスト法     b.反応速度論に基づくアレニウスモデル
    c.認定試験・プロトフライ試験   d.信頼性加速試験実施フロー
  5.今後の航空宇宙関連での信頼性加速試験について
第12章 信頼性性試験装置とその推移
  1.はじめに                 2.信頼性技術の沿革
  3.日本の環境試験装置の始まり    4.環境試験規格の歴史
  5.環境試験装置
    a.温・湿度環境試験装置       b.機械的ストレス環境試験装置
    c.特殊環境試験機           d.エスペック環境試験器の歴史
    f.まとめ