ソフトウェアのグローバルな外注管理とその実際

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定価:72,600円(本体価格:66,000円)

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昨今、企業が業績を向上させて事業を維持拡大するために、自社のコア領域にリソースを集中し、その他の領域を外注(アウトソーシング)して、事業プロセスを最適化して競争力を強化する動きが強まっています。
ソフトウェア業界においてはその外注の依存度が高くなっています。これまで、その特有の産業構造に起因して一部に大きな品質問題も発生していますが、品質改善に向けて、委託元と外注先の双方が相手側を熟知しているため、連携した改善活動を通じて貴重な外注管理のノウハウが蓄積されてきています。またIT市場のグローバル化に伴い、海外各国の優秀で低コストのリソースを活用することが容易になったため、最近では、中国、インド、東南アジア等への外注展開(オフショア)が増加しています。
ソフトウェア開発において、外注管理次第でよい成果を出すことができますが、逆に期待していた成果を残せないことも多々あるのが実情です。
 本書は、日本及び中国、インド等海外の企業の方々に、外注戦略、方針、施策、プロセス等の基本的内容や数多くの成功/失敗事例をご執筆いただきました。グローバル市場で勝ち残るために本書の活用が有効であることを確信し、ご案内申し上げます。

執筆企業

第1章 (有)カルチベート
第2章 (株)日立製作所
第3章 アジレントテクノロジー(株)
第4章 富士通(株)
第5章 (有)アルゴソフト
第6章 日本システムウエア(株)
第7章 (株)ビッグハンズ
第8章 (株)日立製作所
第9章 (株)沖テクノコラージュ
第10章 ウイプロ・ジャパン(株)
第11章 パトゥニ・コンピューター・システムズ・リミテッド
第12章 サティヤム コンピュータ サービス リミテッド

目次

巻頭言
第1章 外注管理のプロセス
 1. 1 JIS規格や国際標準における外注管理
  1. 1. 1 開 始(JIS:5.1.1,ISO:CUS.1.1)
  1. 1. 2 提案依頼書の準備(JIS:5.1.2,ISO:CUS.1.2)
  1. 1. 3 契約準備及び更新(JIS:5.1.3,ISO:CUS.1.2)
  1. 1. 4 供給者による計画立案(JIS:5.2.4)
  1. 1. 5 供給者の監視(JIS:5.1.4,ISO:CUS.1.3)
  1. 1. 6 受入れ及び完了(JIS:5.1.5)
 1. 2 SW-CMMやCMMIにおける外注管理
  1. 2. 1 実施のコミットメント
  1. 2. 2 実施能力
  1. 2. 3 実施される活動
  1. 2. 4 計測と分析
  1. 2. 5 履行検証
 1. 3 各種標準での外注管理のまとめ
  1. 3. 1 外注管理全体像
  1. 3. 2 購買の場合の管理改善事例
 1. 4 外注戦略の策定と外注先選択
  1. 4. 1 全体要件の明確化
  1. 4. 2 外注範囲の決定
  1. 4. 3 外注先選定
 1. 5 見積り
  1. 5. 1 見積りの段階と方法
  1. 5. 2 見積り方法と特徴
  1. 5. 3 費用見積り手順
  1. 5. 4 規模見積り
  1. 5. 5 工数見積り
  1. 5. 6 その他費用の見積りへの反映
  1. 5. 7 見積り事例
  1. 5. 8 見積りレビュー
 1. 6 契  約
  1. 6. 1 契約での基本事項
  1. 6. 2 外注契約形態
  1. 6. 3 契約前レビュー
 1. 7 外注先の計画作成と発注元レビュー
  1. 7. 1 外注管理方針作成
  1. 7. 2 大日程計画作成
  1. 7. 3 中日程計画作成
  1. 7. 4 小日程計画作成
  1. 7. 5 各種作業手順の設計
  1. 7. 6 計画書内容レビュー
 1. 8 進捗管理
  1. 8. 1 外注先工程管理の仕組み
  1. 8. 2 進捗管理
  1. 8. 3 作業タイプによる進捗管理の視点
  1. 8. 4 リスク管理
  1. 8. 5 機能追加が多い場合の進捗管理の実施例
  1. 8. 6 その他の管理
 1. 9 構成管理/変更管理
  1. 9. 1 ベースライン化の考え方
  1. 9. 2 ベースラインの構成管理/変更管理
  1. 9. 3 構成管理/変更管理の体制
 1. 10 開発方針の提示
  1. 10. 1 品質向上の重点化
  1. 10. 2 開発方針,レビューチェックリスト,テスト方針準備
 1. 11 外注先レビューの技術
  1. 11 .1 チェックとレビュー
  1. 11. 2 レビューの階層構造
  1. 11. 3 レビュー方式
  1. 11. 4 レビューのやり方
  1. 11. 5 レビューの道具
  1. 11. 6 レビュー方法の全体まとめ
  1. 11. 7 レビュー計画策定
  1. 11. 8 レビューの目標管理
  1. 11. 9 事 例
 1. 12 受入れ検査及び完了
  1. 12. 1 受入れ検査
  1. 12. 2 外注先評価と支援

第2章 日立製作所におけるソフトウェア開発の調達マネジメント施策
 2. 1 日立製作所のソフトウェア開発における調達品目とその定義
  2. 1. 1 ソフトウェア開発における調達の定義
  2. 1. 2 ソフト外注の特徴
  2. 1. 3 ソフト外注の契約形態
 2. 2 日立製作所の調達プロセスと調達部門の役割・ミッション
  2. 2. 1 調達プロセス
  2. 2. 2 調達部門の役割・ミッション
 2. 3 日立製作所の調達マネジメント施策について
  2. 3. 1 調達マネジメント施策の概要
  2. 3. 2 ソフトウェア開発に関しての調達マネジメント施策の意思決定プロセス
  2. 3. 3 自社担当分野と協力会社への委託分野判定基準の見直しと定着化
  2. 3. 4 協力会社との連携方針の策定
  2. 3. 5 水平分業施策
  2. 3. 6 海外調達施策
  2. 3. 7 プロジェクト・マネジメントと連動した調達施策の立案と実行
 2. 4 まとめ

第3章 アジレント・テクノロジー?における外注管理の実際
 3. 1 はじめに
 3. 2 外注管理活動の問題点
 3. 3 アジレント・テクノロジーでの外注管理の概要
 3. 4 アジレント・テクノロジーでの外注管理の実際
  3. 4. 1 事業計画から始まる外注管理
  3. 4. 2 事業計画とコア・コンピタンス・プランニング
  3. 4. 3 委託要件の確立
  3. 4. 4 委託先の選定
  3. 4. 5 契 約
  3. 4. 6 プロジェクト実施中の委託先管理
  3. 4. 7 検収,瑕疵対応
  3. 4. 8 クロージング
 3. 5 まとめ

第4章 富士通 高成熟度組織におけるソフトウェア調達マネジメントとその実際
 4. 1 はじめに
 4. 2 「協力会社管理」の基本理念
  4. 2. 1 「協力会社管理」の基本理念
  4. 2. 2 「協力会社管理」の基本
 4. 3 「協力会社管理」を成功させる仕組みの事例
  4. 3. 1 定量的プロジェクト管理の実践
  4. 3. 2 協力会社への第三者検証と品質指導
  4. 3. 3 「不具合を生成しない」活動
 4. 4 「協力会社管理」システムの体系
  4. 4. 1 「協力会社管理」システム体系の特徴
  4. 4. 2 「協力会社管理」マネジメント・フロー
 4. 5 CMMIRにおける「供給者合意管理(外注管理)」
  4. 5. 1 CMMR&CMMIR
  4. 5. 2 CMMIRにおける外注管理(供給者合意管理)
 4. 6 「協力会社管理」において苦労したこと
  4. 6. 1 契約と建前
  4. 6. 2 品質管理の不在
  4. 6. 3 ベンダの限界
 4. 7 「協力会社と連携したプロセス改善」のポイント
  4. 7. 1 「協力会社と連携したプロセス改善」における人的側面のポイント
  4. 7. 2 「協力会社と連携したプロセス改善」における実践ポイント
 4. 8 「協力会社管理」における効果
 4. 9 まとめ(「協力会社管理」について)

第5章 海外外注管理における問題と成功のポイント
 5. 1 海外外注とマネジメント
  5. 1. 1 海外外注の動向
  5. 1. 2 海外での成功と失敗
  5. 1. 3 オフショアの問題と問題点
  5. 1. 4 各国の違い,企業の違い,人の違い
  5. 1. 5 海外外注――問題の発生
  5. 1. 6 海外外注――対策
  5. 1. 7 海外外注のマネジメント
  5. 1. 8 事業戦略と海外外注
 5. 2 調達マネジメント
  5. 2. 1 よくある問題
  5. 2. 2 調達計画
  5. 2. 3 発注先の選定
  5. 2. 4 海外事情
 5. 3 契約マネジメント
  5. 3. 1 よくある問題
  5. 3. 2 重要な契約書
  5. 3. 3 内容が明確な海外の契約書
  5. 3. 4 契約交渉
  5. 3. 5 見積工数は最初日本より多い
 5. 4 開発マネジメント
  5. 4. 1 よくある品質の問題
  5. 4. 2 開発プロセス
  5. 4. 3 重要なドキュメント,相手への渡し方に工夫を
  5. 4. 4 柔軟な日本の仕様変更
  5. 4. 5 開発計画,レビュー,受入検査
  5. 4. 6 開発コストの目標
 5. 5 ヒューマンリソースマネジメント
  5. 5. 1 よく発生する問題
  5. 5. 2 アジアのグローバル人材
  5. 5. 3 海外人材の離職
  5. 5. 4 個人の意識向上
  5. 5. 5 目標管理
  5. 5. 6 コミュニケーション
  5. 5. 7 日本と海外との連携,人材の適切な組合せ
  5. 5. 8 米国での失敗,グローバルな交渉術
 5. 6 リスクマネジメント
  5. 6. 1 リスクは必ずある
  5. 6. 2 リスク対策
  5. 6. 3 技術ノウハウの流出
  5. 6. 4 一番困る育成技術者退社
  5. 6. 5 M&Aのリスク
 5. 7 これからの海外外注管理
  5. 7. 1 グローバルリソースの活用
  5. 7. 2 リスク対策と継続的改善
  5. 7. 3 ヒューマンリソースの問題
  5. 7. 4 これからのヒューマンリソースマネジメント
  5. 7. 5 日本的特徴をもつ海外外注管理

第6章 中国文化/習慣という面から見たソフトウェア開発の課題と対策
 6. 1 はじめに
 6. 2 中国ソフトウェア開発の文化的背景
  6. 2. 1 中国理解
  6. 2. 2 日中行動様式(文化の違い)
  6. 2. 3 中国におけるソフトウェア開発の文化的背景
 6. 3 中国発注の誤解
  6. 3. 1 中国発注の優位性
  6. 3. 2 陥りやすい誤解,FAQ(中国発注/開発)
 6. 4 中国発注の問題と対策
  6. 4. 1 日本,中国が持つ不安
  6. 4. 2 発注元の足かせ要因(なぜ発注できない)
  6. 4. 3 中国側が求める発注元SEの留意すべき点
  6. 4. 4 発注元から見た技術的な問題点と対策
 6. 5 成功のポイント
  6. 5. 1 ロードマップ
  6. 5. 2 コスト削減と品質対策
  6. 5. 3 中国人技術者から見た読みやすい仕様書

第7章 ソフトウェアのオフショア開発ビッグハンズ社の事例紹介
 7. 1 はじめに
 7. 2 オフショア開発の成功・失敗事例の研究
  7. 2. 1 オフショアの落とし穴
  7. 2. 2 成功事例 オンサイト・オフショア型
  7. 2. 3 成功事例 オフサイト・オフショア型
  7. 2. 4 成功事例 オンサイト/オフサイト・オフショア型
 7. 3 オフショア開発の事例から何を学ぶか
  7. 3. 1 中国側が内包する諸原因
  7. 3. 2 日本側が考慮すべき点
  7. 3. 3 成功の要件
  7. 3. 4 成功への対応策
 7. 4 ?ビッグハンズのビジネスモデル
  7. 4. 1 オフショア問題に関するビッグハンズ社の対応策
  7. 4. 2  「ハブ型組織」の構築

第8章 インドオフショア開発を行う際に注意すべきポイント
 8. 1 はじめに
 8. 2 インドIT神話への過信
  8. 2. 1 優秀なインド人エンジニア
  8. 2. 2 低コスト
  8. 2. 3 高度な品質管理プロセス
 8. 3 プロジェクトが失敗する原因
 8. 4 インドIT企業と国内IT企業の違い
  8. 4. 1 開発スタイルの違い
  8. 4. 2 組織体制の違い
  8. 4. 3 企業文化の違い
  8. 4. 4 言葉の違い
  8. 4. 5 文化的な違い
 8. 5 時差,距離,その他
 8. 6 開発プロセスの各工程におけるポイント
  8. 6. 1 要求定義
  8. 6. 2 見積り
  8. 6. 3 機能仕様書
  8. 6. 4 詳細設計
  8. 6. 5 コーディング
  8. 6. 6 テスト
  8. 6. 7 納 入
  8. 6. 8 検 収
 8. 7 プロジェクト管理におけるポイント
  8. 7. 1 計画段階
  8. 7. 2 プロジェクト開始時
  8. 7. 3 プロジェクト途中の段階
  8. 7. 4 仕様変更時の対応
  8. 7. 5 緊急時の対応
  8. 7. 6 プロジェクト完了時
 8. 8 まとめ

第9章 インドにおけるソフトウェア開発の実際
 9. 1 はじめに
 9. 2 仕様の要求の仕方について
  9. 2. 1 詳細仕様自体の設計の依頼
  9. 2. 2 仕様書の作成上
  9. 2. 3 仕様の検証
  9. 2. 4 不都合への対策を仕様に反映させること
 9. 3 開発されたソフトウェアの受入検査の方法について
 9. 4 システム設計,プログラム設計
 9. 5 インド側との連携について
 9. 6 品質管理にかかわる問題
  9. 6. 1 品質管理
  9. 6. 2 品質と納期
 9. 7 インドのソフトウェア会社の社内教育
 9. 8 開発上のその他の項目
 9. 9 失敗例
  9. 9. 1 基板設計上,生じた問題
  9. 9. 2 必須の機能が盛り込まれなかったという失敗
  9. 9. 3 ソフトウェアを実行する実行環境が不足していたという失敗について
  9. 9. 4 日本流に管理しようとした失敗
 9. 10 日本語教育
 9. 11 インドの文化について
  9. 11. 1 インド英語を理解する方法
  9. 11. 2 インドとの文化の違いについて

第10章 ウィプロジャパン?のインドITアウトソーシング
 10. 1 はじめに
 10. 2 インドのアウトソーシング状況
  10. 2. 1 インドITの急速な発展
  10. 2. 2 インドITアウトソーシング事情
  10. 2. 3 アジアパシフィック市場の状況
  10. 2. 4 インドの優位性
 10. 3 インドアウトソーシング活用のポイント
  10. 3. 1 日本市場とインドIT
  10. 3. 2 アウトソーシングの成果
  10. 3. 3 インド――アウトソーシングの選択肢として
  10. 3. 4 インドを利用するメリット
  10. 3. 5 オフショア活用のメリットとWiproのサービス
  10. 3. 6 インド活用の難しさ
  10. 3. 7 インドやオフショアは避けて通れない
 10. 4 Wipro社の歴史とその活動
  10. 4. 1 Wipro社の実績
  10. 4. 2 Wipro社の提供するサービス
  10. 4. 3 Wipro社の日本へのサービス提供
  10. 4. 4 Wipro社の日本でのプロジェクト例
  10. 4. 5 生産性,スケジュールおよびフィールドエラー率
  10. 4. 6 開発プロセス(オンサイト/オフショアモデル)
 10. 5 アウトトソーシングへの提案
  10. 5. 1 どのような仕事がアウトソーシングに適するか――事例
  10. 5. 2 日本の顧客との課題及び期待
 10. 6 おわりに

第11章 パトゥニ・コンピュータ・システムズ・リミテッドの
    オフショアアウトソーシング
 11. 1 序 論
 11. 2 オフショアアウトソーシングはコストや品質にとどまらない
 11. 3 アウトソーシング戦略を立てる
  11. 3. 1 オフショアの準備
  11. 3. 2 変化を分析: 複雑性と適用範囲を評価
  11. 3. 3 正しい戦略オプションを選択
  11. 3. 4 ベンダの戦略と選択
  11. 3. 5 トップレベルのオーナーシップと関与
  11. 3. 6 要求診断
  11. 3. 7 パイロットの実施,ベンダ関係の構築
 11. 4 アウトソーシング後の成功への道
  11. 4. 1 移行計画とマネジメント
  11. 4. 2 コントロール維持
  11. 4. 3 アウトソーシング評価
  11. 4. 4 変革マネジメント
  11. 4. 5 プロセスアプローチによる品質確認
  11. 4. 6 効果的ITガバナンスのためのベストプラクティス
  11. 4. 7 リスクマネジメント
  11. 4. 8 オンサイトコーディネーター配備
 11. 5 アウトソーシングに関わる懸念と問題
  11. 5. 1 要求仕様書(現在直面する問題/課題)
  11. 5. 2 プロジェクトと進捗コントロール
  11. 5. 3 オペレーション上の懸念
  11. 5. 4 失敗に至る要因
 11. 6 結 論

第12章 インド・オフショア活用について
 12. 1 導 入
 12. 2 オフショアについて
  12. 2. 1 オフショアとは
  12. 2. 2 オフショアは難しいか
  12. 2. 3 オフショアに最適な仕事とは
  12. 2. 4 ブリッジSEの役割とは
  12. 2. 5 信頼関係
 12. 3 何故うまくいかないのか
  12. 3. 1 うまくいかないパターン
  12. 3. 2 CMMとは
  12. 3. 3 人材の重要性
 12. 4 日本におけるオフショア開発とグローバルトレンド
  12. 4. 1 日本的ソフトウェア業界構造の問題
  12. 4. 2 グローバルトレンド
 12. 5 実践的対応
  12. 5. 1 どういったプロジェクトを選択するか
  12. 5. 2 プレッシャーを与え続けるプロセスを作る
  12. 5. 3 日本的対応を補うには
  12. 5. 4 その他
 12. 6 オフショアフレームワークについて