加速試験と信頼性データ解析入門 〜Excelで学ぶ技術マニュアル〜

価格 ¥ 11,000

概要

本書には、特に 信頼性データ解析 で使用する加速モデル式を利用した各種確率紙の作り方、及び使い方を多くの演習問題や事例を含めて紹介した。
これらはすべて筆者が Microsoft Excel を利用し、独自に作成したものである。

価格

10,800円

体裁

A4判 リングファイル綴 オンデマンド印刷 451ページ

発刊

2009年7月

執筆者

鹿沼 陽次 氏

ご案内

製品や部品の信頼性を確保することは、製造メーカの品質保証の業務では最も大切なことである。
そのため信頼性をどう実証し、どう表現するかに多くの信頼性実務者が努力しているのが現実である。
 具体的には、試験方法や試験条件の決定、そして結果の解析などが信頼性保証業務となる。
これらは、製品や部品の構造・用途によって異なるのであるが、検査や試験から得られたデータの解析には共通した手法が多い。
例えば、データの分布を眺めるためのヒストグラムやトレンドを把握するための時系列グラフがまず使われる。
そして信頼性をより明確に表現するために正規確率紙、ワイブル確率紙、ハザード確率紙、極値確率紙などの手法が使われるのである。
 残念ながらこれらの確率紙は、Microsoft社の表計算ソフトのExcelには搭載されてなく、実務者自ら作成することが必要である。
 幸いなことに、Excelには多くの基本機能、例えばグラフや関数を多数装備しているので、使い方が分れば実現してくれる。
 本書には、特に信頼性データ解析で使用する加速モデル式を利用した各種確率紙の作り方及び使い方を多くの演習問題や事例を含めて紹介した。
 これらはすべて筆者がExcelを学び独自に作成したものである。
読者ご自身が、Excelの機能を見直して、より利便性の高い解析ソフトを作成され部門内外で活用されることを期待する。
 本書が少しでもそのお役に立てば幸いである。

目次

1. ヒストグラムと正規確率紙
 1.1 ヒストグラム
  1.1.1 ヒストグラムの見方
  1.1.2 ヒストグラムの代表的な形
  1.1.3 ヒストグラムと規格との関係
 1.2 正規確率紙
  1.2.1 正規確率紙の解説
  1.2.2 正規確率紙の見方
 1.3 工程性能指数Pp、Ppk
  1.3.1 工程性能指数Pp、Ppkとは
  1.3.2 Pp、Ppkの使い方
 1.4 度数分布表
  1.4.1 度数分布表の作り方
  1.4.2 ヒストグラムの作り方
  1.4.3 区間の作り方
 1.5 正規分布と正規確率紙
  1.5.1 正規分布の特徴
  1.5.2 標準偏差σの求め方
  1.5.3 正規分布の基準化
  1.5.4 正規分布による信頼度推定
  1.5.5 正規確率紙による推定
  1.5.6 裕度分布(または差の分布)
  1.5.7 正規確率紙の作り方
  1.5.8 正規分布曲線の書き方
  1.5.9 正規分布曲線のローソクの立て方
  1.5.10 正規分布関数の補足解説
  1.5.11 指数分布
 1.6 近似曲線
 1.7 規格線
 1.8 推定値計算式
 1.9 ヒストグラムと正規確率紙の作成例解説
  1.9.1 解析ソフトの扱い方
  1.9.2 解析ソフト作成例
   統計解析ソフト1本
   統計解析ソフト2本
   統計解析ソフト3本
   統計解析ソフト4本
   統計解析ソフト5本
   統計解析ソフト6本
 1.10 演習問題と解答
2. ワイブル確率紙と加速試験
 2.1 加速試験の意義
 2.2 加速試験の取り組み方
 2.3 ストレス・強度分布
 2.4 モデル式の活用
  2.4.1 アレニウスモデル
  2.4.2 アイリングモデル
 2.5 ワイブル確率紙
  2.5.1 ワイブル確率紙の使い方
  2.5.2 Excelによるワイブル確率紙の概要
  2.5.3 Excelによるワイブル確率紙の描き方
  2.5.4 μとσの求め方
  2.5.5 寿命予測グラフの作成
  2.5.6 ワイブル確率紙の例題
   ワイブル分布解析
   ワイブル分布解析 アレニウスモデル2本
   ワイブル分布解析 アレニウスモデル3本
   ワイブル分布解析 アレニウスモデル4本
   ワイブル分布解析 アイリングモデル2本
   ワイブル分布解析 アイリングモデル3本
   ワイブル分布解析 アイリングモデル4本
 2.6 演習問題と解答
3. ワイブル型累積ハザード確率紙
 3.1 概要
 3.2 ワイブル確率紙との使い分け
 3.3 累積ハザード確率紙の説明
 3.4 ワイブル型累積ハザード値の計算方法
 3.5 ワイブル型累積ハザード確率紙の使い方
 3.6 ワイブル確率紙との比較
 3.7 Excelのワイブル型累積ハザード紙の使い方
 3.8 解析ツールの作り方
  3.8.1 累積ハザード値計算表の故障数の記入有無
  3.8.2 ワイブル確率紙の追加
  3.8.3 ハザード数値表
  3.8.4 累積故障率の計算と表示方法
   累積ハザード確率紙(故障モード1)
   累積ハザード確率紙(故障モード2)
   累積ハザード確率紙(故障モード3)
   累積ハザード確率紙(γ補正)
   累積ハザード確率紙(故障モード2複数)
   累積ハザード確率紙(アレニウス3水準)
   累積ハザード確率紙(アイリング3水準)
 3.9 演習問題と解答
4. 寿命試験解析と差の分布
   寿命特性解析
   動摩擦係数
   温度上昇
   市場故障率の予測
5. 有意差検定
 5.1 有意差検定の解説
  5.1.1 二つの母分散の差の検定
  5.1.2 有意差検定解析ソフト
  5.1.3 有意差検定が必要な場合
  5.1.4 事例
 5.2 有意差検定解析ツールの作り方
 5.3 分散の加法性
  5.3.1 分散の加法性とは
  5.3.2 分散の加法性の適用事例
  5.3.3 考察
   分散と平均値の有意差検定
   一対の差の有意差検定
 5.4 演習問題と解答
6. 分散分析
 6.1 分散分析の考え方
 6.2 一元配置法
 6.3 二元配置法
  6.3.1 繰返しの無い二元配置法
  6.3.2 繰返しのある二元配置法
  6.3.3 摘要事例
 6.4 分割実験
 6.5 反復実験
 6.6 三元配置実験
  6.6.1 繰返しの無い三元配置
  6.6.2 繰返しを入れた三元配置(完全無作為化法)
  6.6.3 繰返しを乱塊法で入れた三元配置
 6.7 分散分析ツールの解説
   一元配置法
   二元配置法
   二元配置法(繰返し)
   二元配置法(分割)
   二元配置法(反復)
   三元配置法(繰返し)
   三元配置法(反復)
 6.8 演習問題と解答
7. 回帰分析
 7.1 回帰分析の方法
 7.2 回帰分析ツールの解説
   回帰分析
 7.3 演習問題と解答
8. 信頼性データ解析事例集
 8.1 多芯ケーブル屈曲耐久試験
 8.2 はんだクリープ試験解析
 8.3 はんだの温度サイクル加速試験
 8.4 データ解析の進め方
 8.5 液晶の寿命予測
  8.5.1 試験条件と結果
  8.5.2 解析結果
  8.5.3 考察
 8.6 寿命グラフの取り方について
9. 参考書文献
10. 著者略歴