電子画像評価法

価格 ¥ 66,000

■価格

66,000円(本体:60,000円) 

■体裁

B5判 上製本  284頁

■発刊

2006年 8月

■ご案内

 19世紀の中頃から画像を電子的に取り扱う試みが始まり,テレビやファックスが発明され、20世紀になると電子技術の発達とともに電子画像を利用した多くのシステムや装置が実用化され、21世紀では益々これが加速されるとともに、さらに今まで考えられなかった多くの新しい画像の可能性がソフトとハードの両面で期待されています。
 本書は、電子的に形成された2次元のパターンとし、特に内容に濃淡のあるカラー画像を中心として、実際に利用する上での画像の良し悪しを決定する測定技法を解説いたします。画像の良し悪しは、画像そのものは無論のこと、製品としての画像システムや装置の死命を制するほど重大でとなっています。
 本書では、画像の評価法の基礎知識として、第1章と第2章で「画像の基本的構成」、第3章で「人の視覚」、第4章で「画像関連の光学」、第5,6章で「色彩と人の色覚」、第7章で「画像品質を決める要因」、第8,9,10章でそれぞれ「撮像画像」、「表示画像」、「プリント画像の客観評価法」、第11章で「画像の主観評価法」について解説しています。
 本書が、読者の皆様の業務と今後の製品開発に役立つものと確信し、ご案内いたします。

■執筆者

監著者 木内 雄二  拓殖大学名誉教授
     堀  浩雄 東京工科大学非常勤講師
     白水 俊次 東京工科大学非常勤講師
     竹村 裕夫 (株)オクト映像研究所
     松代 信人 (株)沖データ
     岩本 明人 前(株)東芝 
     坂谷 一臣 コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)

■目 次

第1章 電子画像の基本的な性質
    1. 1 画素構造
    1. 2 画像信号の形成
      1. 2. 1 画像信号の読み出し,走査
      1. 2. 2 画像信号の蓄積
      1. 2. 3 画像信号の表示と同期
    1. 3 画像の空間周波数による取り扱い
      1. 3. 1 画像変換
      1. 3. 2 広がり関数による画像のぼけ・振幅変調特性(MTF)
第2章 実際の画像信号
    2. 1 テレビジョン映像信号の基本構成
    2. 2 ファクシミリの基本規格
    2. 3 表示画像の構成
第3章 画像を見る人の視覚
    3. 1 人の目の構造
    3. 2 人の目の性質
      3. 2. 1 視 力
      3. 2. 2 明るさの弁別
      3. 2. 3 順 応
      3. 2. 4 対 比
      3. 2. 5 ちらつき
      3. 2. 6 マッハ効果
第4章 画像に関する光学
    4. 1 測 光
      4. 1. 1 光の波長
      4. 1. 2 視感度曲線
      4. 1. 3 放射量と測光量の単位
      4. 1. 4 測光量相互の基本的法則
    4. 2 光 源
      4. 2. 1 黒体放射
      4. 2. 2 色温度
      4. 2. 3 標準光源
      4. 2. 4 一般用照明光源
    4. 3 被写体の光学的性質
      4. 3. 1 反射と散乱
      4. 3. 2 分光特性
      4. 3. 3 コントラスト範囲
    4. 4 撮像光学系
      4. 4. 1 レンズの口径比と明るさ
      4. 4. 2 像の明るさ
      4. 4. 3 像の周辺部の明るさ
      4. 4. 4 レンズの解像度
      4. 4. 5 被写界深度
      4. 4. 6 パンフォーカス
第5章 画像の色彩と人の色覚
    5. 1 色の3属性
    5. 2 顕色系による表色・マンセル表色系
    5. 3 混色系による表色
      5. 3. 1 加法混色と減法混色
      5. 3. 2 その他の混色法
    5. 4 CIE表色系
      5. 4. 1 等色関数
      5. 4. 2 RGB表色系
      5. 4. 3 XYZ表色系
      5. 4. 4 色を表す座標
      5. 4. 5 RGB表色系からXYZ表色系への変換
      5. 4. 6 色 差
      5. 4. 7 均等色度図    
      5. 4. 8 均等色空間(uniform color space)
    5. 5 色温度と偏差
    5. 6 カラーテレビの色再現
      5. 6. 1 イメージセンサの分光特性
      5. 6. 2 受像管の分光放射特性
第6章 人の色覚・環境と表色系
    6. 1 視覚の分光特性
    6. 2 表色系と色差
      6. 2. 1 標準光と補助光
      6. 2. 2 CIE L*a*b*表色系
      6. 2. 3 CIE L*u*v*表色系
      6. 2. 4 CIE 94色差
    6. 3 各種視覚現象
      6. 3. 1 色順応
      6. 3. 2 ハント効果
      6. 3. 3 ヘルソン・ジャッド現象
      6. 3. 4 スチーブンス現象
      6. 3. 5 ヘルムホルツ・コヘラウシュ現象
      6. 3. 6 バートルソン・ブレネマン現象
    6. 4 カラーアピアランス表色系
      6. 4. 1 カラーアピアランス用語の定義
      6. 4. 2 CIE CAM02
      6. 4. 3 カラーアピアランスモデル適用例
    6. 5 今後の展開
      6. 5. 1 イメージアピアランスモデル
      6. 5. 2 空間的視覚現象とイメージアピアランスモデル
第7章 画像の品質を決める要因
    7. 1 主観的要因       
    7. 2 客観的要因
    7. 3 画像評価の項目
      7. 3. 1 画像の大きさについて
      7. 3. 2 画像の明るさについて
      7. 3. 3 画像の濃淡について
      7. 3. 4 画像の鮮鋭度
      7. 3. 5 画像の調子
      7. 3. 6 粒状性と画面内の雑音
      7. 3. 7 図形精度と図形ひずみ
      7. 3. 8 疑似信号その他発生する妨害信号
      7. 3. 9 均一度
      7. 3. 10 色 調
    7. 4 画像品質の要因と撮像デバイスの特性
      7. 4. 1 撮像レンズの検討
      7. 4. 2 感度と分光分布
      7. 4. 3 撮像デバイスの種類
      7. 4. 4 撮像管の概要と関連する画像品質
      7. 4. 5 固体撮像デバイスの概要と関連する画像品質
    7. 5 画像品質の要因と表示デバイスの特性
      7. 5. 1 表示デバイスの分類
      7. 5. 2 表示デバイスの駆動方式
      7. 5. 3 表示デバイスの階調表示方式
      7. 5. 4 表示デバイスの画素配列
      7. 5. 5 各表示デバイス
    7. 6 画像品質の要因とプリンタの特性
    7. 7 画像処理による画像品質の改善
    7. 8 文書・画像ファイル形式
    7. 9 今後のハードコピー
第8章 撮像画像の客観評価法
    8. 1 評価試験装置
      8. 1. 1 被写体と照明
      8. 1. 2 撮像光学系
      8. 1. 3 電気信号系
      8. 1. 4 光学測定装置   
    8. 2 テストチャート
    8. 3 撮像画像の客観評価法
      8. 3. 1 画像の鮮鋭度の評価試験法
      8. 3. 2 画像の調子,階調の測定
      8. 3. 3 粒状性と画面内の雑音の検査
      8. 3. 4 図形精度の検査
      8. 3. 5 疑似信号,その他発生する妨害信号の観測
      8. 3. 6 均一度の検査
      8. 3. 7 色調,色再現性の検査
第9章 表示画像の客観評価法
    9. 1 画像の明るさと発光効率
      9. 1. 1 輝 度
      9. 1. 2 発光効率
    9. 2 画像の鮮鋭度
      9. 2. 1 限界解像度
      9. 2. 2 空間周波数特性(MTF)
      9. 2. 3 画素数
    9. 3 画像の調子
      9. 3. 1 電光変換特性
      9. 3. 2 コントラスト比
    9. 4 図形精度
    9. 5 色 調
      9. 5. 1 色再現性
      9. 5. 2 白バランスと色温度
    9. 6 フリッカ
    9. 7 応答時間
    9. 8 視角特性
      9. 8. 1 コントラスト比
      9. 8. 2 色 度
    9. 9 表面反射率
      9. 9. 1 鏡面反射率
      9. 9. 2 拡散反射率
    9. 10 均一度
      9. 10. 1 輝 度
      9. 10. 2 黒レベル
      9. 10. 3 白 色
第110章 プリント画像の客観評価法
    10. 1 マクロ画質
    10. 2 ミクロ画質
      10. 2. 1 ISO/IEC 13660(JIS-X 6930)
      10. 2. 2 面画像の画質属性(Large area attributes)
      10. 2. 3 文字及び線画像の画質属性(Character and line attributes)
      10. 2. 4 その他のミクロ画質
    10. 3 測色技術
      10. 3. 1 人の眼の感度特性
      10.3. 2 均等色空間(色差式)
      10. 3. 3 測色時の注意点
    10. 4 簡易的な測色方法(ミクロ測色)
      10. 4. 1 入力カラーターゲット
      10. 4. 2 近似計算
    10. 5 ミクロ測色の応用(粒状性:ミクロ的なノイズ評価)
      10. 5. 1 従来法とその課題
      10.5. 2 従来法の改善
第11章 画像の主観評価法
    11. 1 人の主観的な画像感覚
    11. 2 主観評価の方法の概要
    11. 3 心理的評価法
      11. 3. 1 感覚尺度と評価語
      11.3. 2 判断の仕方
      11. 3. 3 心理的測定法         
    11. 4 評価試験の条件
      11. 4. 1 画像装置の動作条件
      11. 4.2 評定者
      11. 4. 3 標準画像,テストチャート
      11.4. 4 評価画像の提示方法
      11. 4. 5 観視条件
    11. 5 主観評価の実際
    11. 6 測定データの処理
      11. 6. 1 平均値
      11. 6. 2 標準偏差
    11. 7 有意性の判断の一例―t検定
    11. 8 程度の判断の一例―系列範疇法