LSIの総合的な故障解析技術とその実際

価格 ¥ 22,000

■特徴

LSIにおける故障解析を総合的に実施するための手引き書として、また技術者養成のテキストとして最適な実務書です。

■価格

特価:22,000円(本体:20,000円) 通常価格:54,600円

■体裁

B5判上製本 207ページ

■発刊

1999年8月

■ご案内

LSIの集積度は、3年で4倍のペースで進んでいるにもかかわらず、加工バラツキに対する許容値(余裕)を見込んだ生産管理だけでは、技術完成度や歩留まりを向上さることが困難になってきています。このため、故障解析技術は一段と重要性を増しおり、故障解析技術者の養成も急務となってきています。
 本書は、NTTシステムエレクトロニクス研究所(旧LSI研究所)において進めてきた0.25μm CMOS/SIMOX技術の開発を支援する傍ら、故障解析技術の開発を通してえられた経験、知見および開発技術が基盤となっており、個々の技術の紹介に留まらず、故障解析を総合的に実施するための手引き書、技術者養成のテキストとして役立つことに主眼をおいて構成しています。
 第1章「故障解析の概要」では、 「故障解析とは何か」ということを、広範なLSI技術との関連を通して体系的に概説してあります。第2章から第4章まではリーク故障解析、論理故障解析および故障箇所の構造解析を中心に、解析原理、解析方法や解析装置、解析事例について詳述し、第5章「故障解析のシステム化と周辺技術」では、故障解析を総合的に実施する上で有効となる支援技術や環境づくりについて述べています。
 したがって、本書が一段と高集積化するLSIの開発に有意義な資料集であることを確信し、この資料集が大いに活用されることを希望し、ここにご案内致します。

■執筆者

竹田 忠雄  NTT生活環境研究所 
判  弘司  NTT生活環境研究所
丹野 雅明  NTT生活環境研究所
中村 信二  NTTエレクトロニクス(株)
久慈 憲夫  NTTエレクトロニクス(株)

■目次

第1章 故障解析の概要
  1.1 はじめての故障解析
    1.1.1 故障解析の目的
    1.1.2 マルチメディア時代のLSI技術の方向性
    1.1.3 LSI技術の概要        1.1.4 故障とその原因
  1.2故障解析の総合化
    1.2.1 故障解析に求められるもの  1.2.2 故障解析の標準フロー
    1.2.3 故障解析の事例
  1.3 故障解析支援システム
  1.4 故障解析技術の総合性能
第2章 リーク故障解析 〜発光・発熱解析を中心に〜
  2.1 発光解析
    2.1.1 LSIの発光現象と発光モード
    2.1.2 エミッション顕微鏡(Emission Microscope)
    2.1.3 発光解析の手順
  2.2 発熱解析
    2.2.1 赤外線カメラ          2.2.2 液晶法
    2.2.3 蛍光法(FMI:Fluorescent Microtherthermal Imaging)    
  2.3 発光・発熱統合解析
  2.4 解析事例
  2.5 IDDQリーク解析法
    2.5.1 IDDQ解析システム      2.5.2 IDDQ解析事例
  2.6 OBIC(Optical Beam Induced Current)解析
    2.6.1 OBIC関連の解析法     2.6.2 解析事例と課題
  2.7 チップ裏面からの解析技術
    2.7.1 裏面発光解析         2.7.2 裏面OBIC解析
  2.8 リーク故障検証シミュレーション
    2.8.1 故障検証の必要性      2.8.2 基本的な考え方
    2.8.3 回路故障の論理モデル化
    2.8.4 論理シミュレータによる検証   2.8.5 故障解析への適用
第3章 論理故障の解析
  3.1 論理故障診断
  3.2 電子ビームテスタ
    3.2.1 動作原理          3.2.2 CADナビゲーション
    3.2.3 プロービング上の課題
  3.3 ガイデッド・プローブ法
    3.3.1 ガイデッド・プローブ法の原理  3.3.2 システム構成
    3.3.3 故障追跡の要点     3.3.4 ガイデッド・プローブの効率化
    3.3.5 故障診断事例
  3.4 故障像法
    3.4.1 故障像法の原理     3.4.2 システム構成
    3.4.3 故障像法効率化     3.4.4 故障診断事例
  3.5 故障検証法
第4章 故障箇所の構造解析 〜FIB、TEMを中心に〜
  4.1 TEM技術
    4.1.1 試料の形状と作成手順
    4.1.2 低ダメージ、短TAT、高精度作製技術
    4.1.3 故障箇所の断面TEM観察事例
  4.2 超高圧電子顕微鏡の応用
  4.3 薄膜剥離法とその故障解析への適用
    4.3.1 FIBによる薄膜剥離
    4.3.2 KrFエキシマレーザによる薄膜剥離
    4.3.3RIE(Reactive Ion Etching)による薄膜剥離
  4.4 リペア技術
第5章 故障解析のシステム化と周辺技術
  5.1 断面TEM試料用深溝加工装置
    5.1.1 装置の構成と特徴      5.1.2 低ダメージ研削加工
    5.1.3 加工例
  5.2 治具共通化
    5.2.1 アクティブ動作観測の必要性
    5.2.2 従来のDUTボードの問題点
    5.2.3 共通化インタフェース治具
    5.2.4 インタフェース治具の評価
  5.3 故障解析向けテスタ
    5.3.1 故障解析向けテスタの意義
    5.3.2 要求条件           5.3.3 簡易型テスタの例
    5.3.4 データ交換          5.3.5 将来の課題
  5.4 解析ステーション・ネットワーク
    5.4.1 ネットワーク化の意義    5.4.2 解析装置遠隔制御
    5.4.3 動画像の遠隔モニタ
  5.5 CADリンクの統合
    5.5.1 CADリンクの統合      5.5.2 発光・発熱解析への展開
    5.5.3 CADリンク発光・発熱解析システム
    5.5.4 発光・発熱解析事例