ねじ締結体の基礎と疲労破損・ゆるみ防止技術とそのポイント ~演習付~ <オンラインセミナー>

~ ねじの基礎と力学、ねじ締め付方法とその分類、ねじ締め付設計の手法と注意点およびトラブル対策 ~

ねじ締結体の基礎から軸力やトルク管理による安定した軸力の手法およびその設計法を修得し、ねじのトラブルを防止するための講座

ねじの力学やねじ設計の手法を修得し、原理原則に基づいた適正なねじの選定や締付管理を行い、不具合を生じない製品設計に活かそう! 

講師の言葉

“ねじ”は多くの部品の接合に用いられていますが、多くの技術者はねじ締めに関する基礎知識がないまま、設計仕様に従って、例えば“トルク法”で締付けています。しかし、一般的に行われているねじ締めの管理手法のトルクは摩擦によるバラツキが多く、例えばねじの緩み防止に必要な“軸力(≒締付力)”を安定的に確保するには多くの問題を含んでいます。不具合を生じない、正しいねじ締めを行うためには、ねじ締めに関する基礎知識が必要ですが、ねじはありふれた部品だけに、多くの技術者はねじ締めの基礎知識を学ぶことなく、使用しているのが実状のように思われます。ねじの不具合には単純な“ねじの緩み”だけでなく、(1)ねじへの外力に起因する塑性変形による緩み、 (2)疲労破壊、(3)遅れ破壊など、様々な事例に直面してしまいます。これら重要品質問題を解消するには、ねじ締めの基礎知識を理解した上で、原理原則に基づき、適正なねじの選定や締付け管理、取扱いをする必要があります。

本研修では、ねじの締付けの原理原則を理解した上で、設計・取扱い上の留意点やトラブル事例を学び、ねじの正しい使い方を習得して頂きます。

セミナー詳細

開催日時
  • 2025年08月08日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 オンラインセミナー
カテゴリー オンラインセミナー電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・機械、自動車、構造物など関連企業の技術者の方
・ねじを使用もしくは製造に従事する技術者の方
予備知識 ・特にありません
修得知識 ・ねじ締付けの基礎知識を理解する
・ねじの緩みによるトラブルを防止するためのポイントを理解する
・ねじの各種破壊によるトラブルを防止する設計上のポイントを理解する
・トルク法による締付け軸力のばらつき要因である摩擦の基礎を理解する
プログラム

1.ねじの概要

(1).ねじとは

(2).ねじの関連部品

 

2. ねじの基礎

(1).ねじの諸元と特徴

a. 種類

b. メートルねじ(全体諸元、有効断面積、ピッチ、細目ねじの特徴など)

(2).ねじの表記法

a. ねじの表し方

b. 表記の事例

(3).ねじの種類

a. ボルトの種類

b. 小ねじ

c. 止めねじ

d. タッピンねじ(種類、締付け特性、タッピンねじの選定と使用法、下孔設計、タッピンねじとボルトの違い、留意点、遅れ破壊)

(4).ねじの材料

(5).ねじの表面処理

a. 種類

b. 特徴

 

3. ねじの力学

~ねじの締付け原理を力学的な観点から解説する~

(1).ねじ締付の原理

(2).ねじを締める/緩めるのに要する力

a. ねじ面に加える力の平衡状態

b. ねじを締めるのに必要な力

c. ねじを緩めるのに必要な力

d. リード角と摩擦角について

e. ねじを回すのに必要なトルク

 

4. ねじ締付方法の分類

~各種の締付け方法の特徴と締付け品質に関わる軸力のバラツキ要因を解説する~

(1).ねじの締付け管理

a. 概要

b. 軸力とは 

(2).ねじ締付方法の分類(トルク法、角度法、トルク勾配法)

(3).トルク法について

a. トルクについて(トルクとは、トルク管理の特徴、各種のトルクレンチ)

b. 締付トルクと軸力の関係(摩擦係数の軸力に与える影響、締付け軸力の決め方、事例)

(4).角度法(回転角法)

a. 締付け角度と軸力の関係

b. 角度法とは

c. 具体的な締付け方法

d. 特徴と留意点

e. 事例

 

5. ねじ締付けにおける摩擦の発生メカニズムと注意点

~トルク法での締付けに対し最も考慮しなければいけない摩擦について、そのメカニズムや注意点を解説~

(1).トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)を理解するために

(2).摩擦とは

a. アモントン/クーロンの摩擦の法則

b. 潤滑の形態と摩擦の関係

c. 摩擦の発生原因(凝着摩擦、アブテッシブ摩擦など)

(3).摩擦の発生メカニズム(凝着説)

a. 凝着摩擦とは(凝着とは、見かけの接触面積と真実接触面積、金属表面の構造と性状、

凝着部のせん断による摩擦、相溶性と凝着の関係)

b. アモントン/クーロンの法則の限界(荷重や締付速度が摩擦係数に与える影響、トラブル事例)

c. 固体潤滑剤の種類(種類、層状構造化合物、軟質金属、表面改質など)

 

6. ねじ締付の設計と留意点

~締付け時に必要な設計手順や最小軸力を見積もる際の影響因子と留意点を締付け力線図の解説~

(1).ねじの締付の設計

a. 標準的な設計手順

b. 計算結果の判定(ボルトの強度区分、座面面圧のチェック、外力による影響チェック、疲労による影響チェック、コストのチェック)

c. 必要軸力の求め方(手順と考慮すべきポイント)

d. ねじで締結できる理由

e. 外力が働いた時に失われる圧縮力(締付け力線図、外力作用時の圧縮力に与える影響、ボルトの内力係数とは、ボルトのバネ常数の計算)

f. 外力作用時に接合面が滑らないための締付力

g. 熱膨張差による締付け軸力の低下量

h. へたりによる影響(へたりとは、へたりによる締付力の低下量、留意点)

i. 摩擦係数とその求め方(締付トルクと軸力の関係、摩擦係数の求め方)

j. 摩擦力の測定(斜面を用いた方法、実用的な方法)

k. ボルトの強度計算の方法(締付トルクや摩擦係数のばらつきと強度の関係、ねじの破損の法則<等価応力>)

l. 強度チェックの方法(検討項目、座面の陥没、ねじのはめ合い長さ)

 

7. ねじ締付設計上の一般的な注意事項

(1).ねじ関連部品の特徴

a. ボルトについて(ばね定数、座面の状態、ねじ部の長さ、ねじ山の荷重負担率)

b. ナットについて(不完全ねじ部と緩み防止、座面の状態、座金の効果と使い方(平座金、ばね座金、波形ばね座金など)

(2).ねじ締付の特性

a. ねじの増し締めと緩めトルクの関係

b. 締付トルクと緩めトルクの関係)

(3).ねじ又はねじ部品の使用上の注意事項(ボルトをナット面から3山以上だす理由など)

(4).ねじ・ボルトの製造方法

a. ねじの製法(転造、切削)

b. 6角ボルトの製造方法

c. 転造および切削ボルトの特徴

 

8. ねじのトラブル原因と対策および事例

~ねじのトラブル原因である、「ねじの焼付き」「ゆるみ」「疲れ破壊」「遅れ破壊」「応力腐食割れ」等の内容と、設計上の留意点を解説~

(1).ねじのトラブル

      4) ねじの緩み防止の方法

   5)接着剤による緩み防止(使用の目的、嫌気性接着剤とは、各種被着材に対する接着強度)

(2).代表的なトラブル原因と対策

a. ゆるみ現象の分類

b. ナットの戻り回転を伴わない緩み(初期緩み<へたり>、陥没緩み、ボルト降伏緩みなど)

c. ナットの戻り回転を伴う緩み

・軸周りの繰り返し回転

・軸直角方向への繰り返し往復運動

・軸方向の荷重増減

・振動や衝撃による緩み、⑤慣性トルクによる緩み)

(3).トラブル事例

a. かじり(焼付き)によるトラブル

b. 疲れ破壊によるトラブル

c. 遅れ破壊によるトラブル

d. 応力腐食割れによるトラブル

e. ボルトの破壊形態の特徴

キーワード ねじ締結体 ねじ締付 締付け管理 軸力 締付トルク 角度法 トライボロジー ねじ締付設計
タグ 研究開発商品開発トライボロジーねじ機械機械要素強度設計
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
オンラインセミナー
本セミナーは、Web会議システムを使用したオンラインセミナーとして開催します。
contact us contact us
各種お問い合わせは、お電話でも受け付けております。
03-5322-5888

営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日