金属疲労の基礎と破損解析・破壊事例と破壊防止対策

~ 金属疲労破壊のメカニズム、疲労強度への影響因子、フラクトグラフィの基礎、ボルト、溶接部などの破壊事例(疲労破壊・遅れ破壊)、破壊防止対策 ~

・金属疲労の基礎からフラクトグラフィ、疲労破壊や遅れ破壊の事例などを学び、対策に活かすための講座!

・金属の破損について破壊メカニズムの基礎から全般的に修得し、部品・製品・構造物における破損原因究明や破壊防止に活かそう!

講師の言葉

第1部

 機械構造物の破壊事故は、6~8割が何らかの疲労損傷によると言われています。比較的小さな荷重が繰返し負荷されることによって生じる疲労破壊は、前兆を捕らえることが難しく、重大な破壊事故を起こしやすいために恐れられています。したがって、機器の安全設計だけでなく保守や点検なども含めた信頼性を確保する場合、疲労破壊機構の基礎や、基本的な疲労設計手法を理解しておく必要があります。また、実際に破損事故が起こってしまった場合には、得られた破面から情報を探るフラクトグラフィが、破壊事故解析の重要なツールになります。

 本セミナーでは、金属材料の基本的な疲労破壊メカニズム、切欠きや平均応力といった疲労寿命に影響を及ぼす諸因子について解説します。さらに、疲労破壊に関連した基礎的なフラクトグラフィについても解説します。個別のご相談も歓迎します。

 

第2部

 構造物の破壊は構造設計者の意図に反した潜在化した応力集中源を有する部位で生じることが非常に多い。その代表的応力集中源としては、溶接部、ボルト締結部、素材内部の介在物等である。

 構造物の破壊の約80%は種々の荷重変動に基づく疲労破壊とされている。低炭素鋼が多く使用される溶接部位を有する構造物の素材強度は比較的強度の低い場合が殆どである。一方、高力ボルトに代表されるボルト締結部は中高炭素鋼の焼き入れ焼き戻し処理された高強度鋼が多く使用されていることから、疲労破壊が生じることは稀である。構造物の金属破壊は応力集中源と共に素材の強度に大きく依存し、比較的低強度では荷重変動による塑性変形を起因とした疲労破壊、高強度では大気暴露下の錆で生成した水素に基づく遅れ破壊が生じることが多々見られる。

 従って構造物の破壊防止対策としては、応力集中源と素材の強度を十分把握理解した対策が必要となる。加えて、疲労破壊と遅れ破壊では、素材強度に対する破壊感受性はほぼ真逆であることから、それぞれ異なった防止対策を講じなければならない。

 本セミナーでは、ボルト締結部と溶接部における過去の破壊事故の実例を紹介し、応力集中源と素材の強度に大きく依存する金属の破壊を平易に解説する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2020年05月19日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・金属材料(高分子材料は扱いません)を扱っている企業・公的機関の技術者の方
 自動車部品、機械、構造物など
予備知識 ・材料力学の基礎知識
修得知識 ・疲労破壊メカニズムの基礎
・疲労設計手法の基礎
・フラクトグラフィの基礎
・ボルト締結部と溶接部等の破損事故防止対策が学べ、今後の業務へ反映できる
プログラム

第1部

 

1.金属材料の疲労の基礎

  (1).金属疲労破壊のメカニズム

  (2).疲労強度の評価方法

    a.S-N曲線取得方法

    b.S-N曲線の理解

 

2.疲労強度への影響因子

  (1).平均応力

    a.疲労限度線図

    b.残留応力

  (2).切欠き

    a.応力集中係数

    b.切欠き係数

    c.停留き裂

  (3).変動荷重

  (4).溶接継手の設計事例紹介

 

3.フラクトグラフィの基礎

  (1).疲労破面の様相

    a.巨視的様相

    b.微視的様相

    c.表面起点と内部起点型のき裂発生

  (2).最近のフラクトグラフィ手法

 

 

第2部

 

1.応力集中源を有した部材における外部応力と部材内部の応力の差異

   ・素材の強度と破壊形態

 

2.破壊の種類

  (1).脆性破壊と延性破壊

  (2).遅れ破壊(水素脆性)とは

  (3).疲労破壊とは

 

3.代表的な破壊事例

  (1).高力ボルトの遅れ破壊による破損

  (2).低炭素鋼溶接部の低温脆性破壊

  (3).ステンレス鋼配管の溶接部の応力腐食割れ

 

4.破壊防止対策

  (1).遅れ破壊

  (2).疲労破壊

キーワード S-N曲線 残留応力 疲労限度線図 切欠き 変動荷重 応力集中源 破面解析 遅れ破壊 疲労破壊
タグ 破面解析疲労
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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