材料力学の基礎と複合材料の破壊損傷の分析を活用した耐久設計への応用 ~演習付~

~ 複合材料の基礎・強度設計および破壊力学を応用した耐久設計技術 ~

・複合材料の高強度・剛性向上に不可欠な材料力学について、演習を交えて修得する講座
・複合材料の強度設計技術を修得し、機器の耐久性、高信頼性に活かすためのセミナー!
・複合材料における信頼性設計に有用な耐久疲労寿命の設計手法も解説します!

※当日は関数電卓をお持ちくださいませ

講師の言葉

 複合材料の強度や剛性の特徴を検討したり改良したりするためには、材料力学の知識が必要です。しかし一見、材料力学の知識は複合材料の実際の開発の場に必要な知識からは遠く、ともすれば軽視されたりしがちです。
 しかし、優れた複合材料の力学評価や開発検討のためには、材料力学の基礎知識が有用です。特に実際の用途条件における力学的な耐久性を考えた材料設計を行う場合には、それのもととなる破壊力学の考え方が極めて有効です。
 今回のセミナーでは、複合材料の力学的な開発検討に直結する材料力学や弾性力学の知識を確実に押さえたうえで、複合材料の力学評価につなげていくような説明を行い、受講される皆様に実際に利用して頂ける知見を供します。特に複合材料の異方性の力学や、信頼性設計の基本である耐久疲労寿命の設計手法も説明し、破壊力学の設計式となる基本的な計算手法も解説します。なお当日には簡単な演習も実施しますので、関数電卓をご持参下さい。

セミナー詳細

開催日時
  • 2020年02月28日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・複合材料の力学的な材料設計をされたい方
・複合材料の損傷や破壊に関する知識の習得を望まれる方
・複合材料の力学的な耐久性や信頼性の評価をされたい方
・複合材料の力学的な耐久性や信頼性を担保するような材料設計をされたい方
予備知識 ・材料力学の基礎と複合材料設計の手法の広い範囲を1日で集中して学びますので、材料力学の応力やひずみの概念を理解されている方が望ましいです
・複合材料の材料種別や材料構造などの基本知識を持っておられる方が望ましいです
修得知識 ・単純な応力やひずみだけではなく、一般性のある応力やひずみの概念
・多方向な引張や曲げ、ねじりなどの条件での応力やひずみの概念とその材料設計法
・複合材料の基礎構造と、基本設計式
・異方性な材料や多層積層板の弾性変形や曲げ変形の設計式
・複合材料の破壊損傷の概念
・破壊力学の基礎概念と損傷を前提とした信頼性寿命の設計手法
プログラム

1. 材料力学の基礎と応用
  (1). 応力群の意味
    a. 垂直応力の意味
    b. せん断応力の意味
    c. 観察方向の違いによる応力の変化(座標変換)の意味
    d. 最大主応力や最大(主)せん断応力の意味
    e. 相当応力の意味
    f. 主応力や相当応力を使った強度設計法(主応力規準、ミゼスの規準、トレスかの規準による強度設計)
    g. 演習①:2方向からの負荷を同時に受ける板の許容荷重を求める演習
    h. 演習②:引張りとねじりの負荷を同時に受ける軸の許容荷重を求める演習
    i. 演習③:曲げとねじりの負荷を同時に受ける軸の許容荷重を求める演習
  (2). ひずみ群の意味
    a. 垂直ひずみの意味
    b. せん断ひずみの意味
    c. 任意の変形分布からひずみを計算する汎用手法
    d. 観察方向の違いによるひずみの変化(座標変換)の意味
    e. 最大主ひずみや最大(主)せんひずみの意味
    f. 相当ひずみの意味
    g. 主ひずみや相当ひずみを使った強度設計法
  (3). 弾性変形(応力―ひずみ関係)
    a. 引っ張り圧縮変形のみの場合(ヤング率およびポアソン比の効果)
    b. せん断変形のみの場合(横弾性係数)
    c. 複数方向からの引っ張り圧縮変形を受ける場合
    d. 引っ張り圧縮変形とせん断変形を同時に受ける場合
  (4). 引っ張り圧縮変形を受ける棒の応力および変形ひずみ
  (5). 曲げ変形を受けるはりの応力および変形ひずみ
  (6). ねじり変形を受けるはりの応力および変形ひずみ
  (7). 引っ張り圧縮/曲げ/ねじりの3変形を同時に受ける部材の応力および変形ひずみ

2. 複合材料の基礎
  (1). 複合材料とは
  (2). 複合材料のしくみ
    a. 構成形態、内部構造
    b. 強化材、母材、副資材の役割り
  (3). 複合材料(複合化)の目的,歴史
  (4). 複合材料(複合化)の力学的利点
  (5). 複合材料の種類、種別、分類
    a. 材料構成の違い
    b. 強化形態の違いによる分類
    c. 力学的特性の違いよる分類
    d. 製作方法の違いによる分類(その特徴と特長)

3. 複合材料の変形設計
  (1). 縦弾性変形の設計計算方法(複合則)
    a. 演習④:1方向性複合材料の伸び変形求める演習
  (2). せん断変形の設計計算方法(せん断変形に対する複合則)
  (3). 横変形(ポアソン比効果)の設計計算方法
  (4). 異方性複合材料の弾性変形
    a. 複合材料の異方性の種類
    b. 直交異方向性複合材料の応力ーひずみ関係
    c. 演習⑤:直交異方向性複合材料のひずみー応力関係の計算演習
    d. 直交異方向性複合材料の縦弾性率とポアソン比との関係(相反定理)
    e. 斜方向性複合材料の応力ーひずみ関係
    f. 完全異方向性複合材料の応力ーひずみ関係
  (5). 積層板(ラミネート複合材料)の弾性変形
    a. 厚み方向に対称なラミネート複合材料の全体弾性率の設計計算方法
    b. 厚み方向に非対称なラミネート複合材料の全体弾性行列の設計計算方法
    c. その事例(曲げと引張りの連成変形の設計計算方法)

4. 複合材料の強度設計(損傷と破壊)
  (1). 3つの内部損傷形態の分析
  (2). 内部損傷の発生メカニズム(原因)
  (3). 損傷の検出および検査方法

5. 破壊力学を利用した耐久設計
  (1). 信頼耐久性の支配要因
  (2). 繰り返し疲労およびクリープに伴う長期損傷メカニズム
  (3). じん性(応力拡大係数とエネルギ解放率)とは
    a. 無限平板中にあるき裂まわりでの応力分布
    b. 無限平板中にあるき裂まわりの応力拡大係数の計算方法
  (4). 応力拡大係数とじん性値(臨界応力拡大係数)との関係
  (5). 汎用的な限界試験法、耐久性試験法
  (6). 繰り返し疲労き裂を想定した耐久設計計算法
    a. 疲労き裂進展とは
    b. 疲労き裂進展速度とは
    c. パリス則の応用
    d. 演習⑥:パリス則を利用した疲労耐久寿命(疲労破壊回数)の計算演習
  (7). クリープや応力腐食割れき裂を想定した耐久設計計算法

6. 複合材料を取り巻く技術の最近のトピックス
  (1). 新しい強化繊維束の形態例
  (2). ナノテクノロジーの利用例
  (3). 天然繊維の利用例
  (4). リサイクル炭素繊維の利用例
  (5). その他

キーワード 材料力学 弾性変形 複合材料 変形設計 強度設計 内部損傷 破壊力学 信頼耐久性 疲労き裂 パリス則
タグ プラスチック材料力学・有限要素法
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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