射出成形加工の基礎と成形不良対策のポイント

~ 射出成形の仕組み、 最適成形条件の見いだし方、成形不良の発生と工程チェックの留意点、不良発生の原因究明手法 ~ 

・成形材料の特性を理解し、成形品設計に活かし、成形不良の未然防止のための講座

 

・成形不良における不良原因のチェックポイントと対策法を学び、品質の高い製品開発に活かそう!

 

講師の言葉

射出成形は、トータル的な生産技術である。

 成形不良の発生を未然に防ぐためには、その成形材料の特性を理解し成形品設計に活かしてゆく必要がある。

 成形材料特性である結晶・非晶の性質が寸法や成形品強度に、どう関わってくるのかをしっかり理解しておかなければ求める成形品は得られない。

 特に結晶性材料の結晶化度のコントロールは、金型温度に密接に関係する。

 また、射出成形にネックともいえる可塑化・計量時の樹脂温度のバラツキが、成形不良にどう関わってくるのかなどを理解して、成形加工に向き合う必要がある。

 講義ではプラスチック成形における不良発生の原因と対策について、多くの不良事例と対比して解説、未然防止に活かす対策とポイントを解説する。

 成形現場で、成形機の音を聞き、可塑化時のスクリュの動きに異常を感じ、それが与える樹脂粘度・温度の変化が、成形不良として、どのように現れるのかを解説する。

 成形の現場で日夜成形不良と戦っている方々には、「なぜ」突然に不良発生が起きたのか?など「なぜ」「なぜ」「なぜ」の原因を追及するポイントを身につけていただける講座です。

セミナー詳細

開催日時
  • 2020年03月04日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・型設計に従事している初心者の方、および問題解決に活かそうとお考えのベテランの方々
・成形不良が「なぜ」発生するのか?を事例に学び、新規に起こそうとする金型設計に活かしたいと考えている方々
・プラスチック製品、プラスチック部品等、関連部門の方
予備知識 ・成形の現場で、実際に成形不良について経験があればより理解が進みます
修得知識 ・不良の発生の原因
・プラスチック成形材料特性について
・結晶性材料の溶融静特性と非結晶性材料の特性(PVT図)の理解が得られます
・成形不良を発生させないための注意点と、生ずる現象とその対策
・更なる品質向上のため上流となる金型設計、成形品設計技術部門との関わり方
プログラム

1.射出成形の基礎と仕組み

(1).成形材料の特性

   a.非晶性と結晶性材料と成形品不良

   b.結晶性材料が持つ融点が成形と何が関わってくるのか

    ・PVT線図の理解、結晶化度と成形収縮、寸法バラつきなどを理解する

   c.成形条件を変えると、成形収縮率などがどう変化するのか

(2).成形機の仕様、スクリュデザインが樹脂温にどのように関わるのか?

   a.可塑化各量を増やすと、可塑化能力や樹脂温にどのように変化を与えるのか

   b.インラインスクリュ式のネック技術を理解しておく

     ・スクリュの有効長と可塑化能力の変化

     ・成形材料の喰い込みやスクリュ回転速度、スクリュ背圧など

     ・1shot内の樹脂温度の検証と成形バラツキなどの関係

     ・主だったスクリュデザインの違いが、1shot内の樹脂温にどんな影響を与えるのか

   c.加熱筒設定温、ノズル設定温度を正しく理解しておく

(3).最適成形条件の見い出し方

    ・射出成形圧力波形、速度波形の見方と、CAVITY内充填圧力をどう理解するのか

   a.保圧切換え位置とCAVITY内圧

   b.最適な保圧時間のかけ方とゲートシール時間を理解する

(4).金型内に流入する機能のスキン層の形成過程を理解する

(5).金型内に充填される樹脂の分子配向の影響が何に関連してくるのか

   a.縦収縮と横収縮の差とは

   b.その分子配向する樹脂の金型内合流点ではどのような現象が起こっているのか

 

2.成形不良の発生と工程チェックの留意点

 ・成形の前工程、可塑化工程、射出充填/保圧工程、冷却/取出し工程

(1).射出成形不良の発生部位を考察してみる

    ・ゲート部に発生しやすい不良

    ・流動途中、充填完了時、成形品取出し時、その他

   a.ゲート近傍に発生しやすい不良

    ・ジェッティング、フローマークなどの発生の原因

   b.流動途中に発生しやすい不良

    ・ソリ、ウェルドライン、ボイド、ヒケなどの原因

   c.充填完了付近に発生しやすい不良

    ・ショートショット、オーバーパック、ガス焼けなどの原因

   d.成形品の突き出し/その他の原因で発生する不良

    ・すり傷、色ムラ、異物など

 

3.成形不良発生の原因を推測する

   ・その原因と対策への指針

(1).時々ショートショットが発生する

   a.規則性が有る、規則性が無い

   b.射出充填圧力や射出充填速度の変化を読む

   c.射出充填波形の変化が、成形品のどの部分で生じているのか

(2).正常時の充填波形と不良発生時の充填波形の相異と原因

   a.金型的な問題

    ・成形材料に起因する不良

    ・射出成型機が原因で生じているのか  

(3).金型内の樹脂の流入過程と金型内ガスの出の様子を理解する

   ・加熱筒内の樹脂挙動を知る

 

4.寸法バラツキの原因と留意点

(1).可塑化時の温度バラツキが与える影響

(2).金型の温度変化

(3).逆流防止弁の機能が安定しているのか

(4).軽量時間、軽量完了位置が安定しているか

(5).V/p切換えポイントは常に一定か

(6).射出時間、射出圧力、射出充填ピーク圧力は安定しているか

(7).1サイクル時間は一定か

 

5.まとめ

キーワード 射出成形 PVT線図 成形材料 射出成形不良 ゲートシール 寸法バラツキ 最適成形条件 
タグ プラスチック材料射出成形成形加工
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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