弾性力学・破壊力学の基礎とプラスチック複合材料の強度設計への応用 ~演習付~

~ 弾性力学の基礎、複合材料の損傷と破壊、破壊力学を利用した複合材料の強度設計、耐久設計、じん性の改善事例 ~

・強度などの力学的特性を改善するために必要な破壊力学を基礎から学び耐久性・信頼性を確保した強度設計へ応用するための講座
・破壊力学の基礎部分の知識を確実に押さえたうえで、プラスチックや高分子系複合材料のじん性や、疲労寿命やクリープ寿命の信頼性設計に応用しよう!

講師の言葉

 繊維強化プラスチックに代表される複合材料の強度などの力学的特性特徴を高度に検討したり改良したりするためには、材料力学だけではなく破壊力学の知識が必要です。しかし、破壊力学には、直観的に理解し難い内容も多く、ともすれば敬遠されがちです。しかし複合材料に各種のき裂や損傷がある場合、または、実際にき裂が存在、もしくは、もしものき裂の発生を前提として複合材料の信頼性を担保したり提言するような材料設計を行う場合、破壊力学の手法は極めて有効です。
 今回のセミナーでは、複合材料の力学的な開発検討に直結できる破壊力学の基礎部分の知識を確実に押さえたうえで、プラスチックや高分子系の複合材料のじん性や、疲労寿命やクリープ寿命の信頼性設計につなげていくような説明を行い、受講される皆様に実際に利用して頂ける知見を供します。また説明者が行っている本内容に関しますいくつかの研究事例も紹介します。

本講座は会場が変更になりました

セミナー詳細

開催日時
  • 2019年07月22日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 工学院大学 28階 第三会議室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・自動車、航空機、構造物ほか関連企業の方
・複合材料の力学的な材料設計をされたい方
・複合材料の力学的な耐久性や信頼性評価をされたい方
・複合材料の力学的な耐久性や信頼性を担保するような材料設計をされたい方
予備知識 ・材料力学の応力やひずみの概念を理解されている方が望ましいです
・複合材料の材料種別や材料構造などの知識を持っておられる方が望ましいです
修得知識 ・き裂の存在と、通常の材料力学の使用限界、との関係
・破壊力学の基礎概念
・材料のじん性の基本式と、じん性を測定するいくつかの手法
・じん性の特徴を利用した繰り返し疲労寿命やクリープ寿命などの設計計算方法
プログラム

1.弾性力学の基礎
  (1). 応力の定義
    a.垂直応力の意味
    b.せん断応力の意味 
    c.観察方向の違いによる応力の変化(座標変換)の意味
    d.最大主応力や最大(主)せん断応力の意味
    e.応力に勾配がある場合の応力変化の特性
    f.“応力の釣り合い“式
  (2).ひずみの定義
    a.垂直ひずみの意味
    b.せん断ひずみの意味
    c.変形分布(関数)からひずみを計算する汎用手法
    d.観察方向の違いによるひずみの変化(座標変換)の意味
    e.ひずみに勾配がある場合の応力変化の特性
    f.ひずみの適合条件
  (3).弾性変形(応力―ひずみ関係)
    a.引っ張り圧縮変形のみの場合(ヤング率とポアソン比)
    b.せん断変形のみの場合(横弾性係数)
    c.複数方向からの引っ張り圧縮変形を受ける場合
      (ポアソン比の効果)
    d.応力集中場などでの一般の応力―ひずみ関係
  (4).応力関数の特徴

2.破壊力学の基礎
  (1).応力集中率の定義(破壊力学の必要性の根拠)
  (2).破壊力学の種別
    a.小規模降伏の仮定
    b.非線形破壊力学の特徴
    c.線形破壊力学と非線形破壊力学との扱い分け
     (塑性変形または大変形するようなプラスチック材等の
      扱いの問題)
  (3).破壊源となるき裂まわりでの応力集中率
  (4).き裂まわりでの応力拡大係数の意味と定義
    a.無限平板中にあるき裂まわりでの応力分布
    b.無限平板中にあるき裂まわりの応力拡大係数の計算方法
  (5).有限サイズ平板にあるき裂まわりの
      応力拡大係数の計算方法
  (6).応力拡大係数とじん性値(臨界応力拡大係数)との関係
  (7).じん性値(臨界応力拡大係数)の求め方
    a.汎用的な実験手法
    b.実験規格
  (8).演習
    a.部材を想定し、実験データからその材料のじん性値
      (臨界応力拡大係数)を求める演習
    b.その材料のじん性値(臨界応力拡大係数)から、
      破壊荷重を求める演習
  (9).エネルギ解放率の意味と定義
    a.仮想き裂進展の意味
    b.ひずみエネルギ変化とポテンシャルエネルギ変化
  (10).エネルギ解放率の計算方法の実例
    a.直接計算法(FEM:有限要素法計算を利用する方法など)
    b.汎用的な実験手法
     (DCB:Double Cantilever Beam試験法を利用する方法など)
    c.コンプライアンス法(繰り返し負荷法)
  (11).エネルギ解放率の計算法の応用
    a.J積分の考え方
    b.J積分の経路不変性
      (プラスチックなどが塑性変形または大変形する場合の
       計算方法の工夫)

3.複合材料の損傷と破壊
  (1).3つの内部き裂(損傷)の様式
  (2).内部き裂(損傷)の発生メカニズム(原因)
  (3).損傷の検出および検査方法の事例

4.破壊力学を利用した複合材料の強度設計
  (1).じん性(応力拡大係数とエネルギ解放率)とは
  (2).じん性値を使う強度設計手法
  (3).じん性値の測定事例

5.破壊力学を利用した複合材料の耐久設計
  (1).信頼耐久性の支配要因
  (2).繰り返し疲労およびクリープに伴う長期損傷メカニズム
  (3).汎用的な限界試験法、耐久性試験法
  (4).繰り返し疲労き裂を想定した耐久設計計算法
    a.疲労き裂進展とは
    b.疲労き裂進展速度とは
    c,パリス則の応用
  (5).クリープや応力腐食割れき裂を想定した耐久設計計算法

6.複合材料のじん性を改善するための最近のトピックス
  (1).高い母材(プラスチック樹脂)を用いた事例
  (2).界面のじん性を改善した事例
  (3).複合材料の再生強化繊維のじん性の改善事例
  (4).疲労き裂の進展速度の抑制事例

キーワード 弾性力学 破壊力学 応力 せん断応力 ひずみ 弾性変形 ヤング率 ポアソン比 臨界応力拡大係数 エネルギ解放率 内部き裂 じん性値 クリープ 応力腐食割れ
タグ プラスチック疲労複合素材強度設計設備
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
工学院大学 28階 第三会議室
住所: 東京都新宿区西新宿1-24-2 工学院大学

JR「新宿駅」西口より徒歩5分
京王線、小田急線、地下鉄各線「新宿駅」より徒歩5分
都営大江戸線「都庁前駅」より徒歩3分
西武新宿線「西武新宿駅」より徒歩10分

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