プラスチックトライボロジーの基礎と材料選定のポイントおよび製品への応用

~ プラスチックの摩擦・磨耗特性、ハイブリッド平歯車のトライボロジー、添加剤による改質法 ~

・プラスチックの摩擦・摩耗特性と材料選定のポイントを学び、製品開発へ応用するための講座
・金属やセラミックの代替材料として増えているプラスチックの適切な使い方や摺動特性の向上策を修得し、低摩擦で摩耗性に強い製品開発へ活かそう! 

講師の言葉

(第一部)
 トライボロジーは、金属材料を対象として、機械工学を基礎とする研究者によって発展してきた分野であったため、1960年代以降に生まれた高分子材料のトライボロジー研究は、現在でも、摩擦係数と比摩耗量で論じられることが多い。従って、高分子の構造物性に基づいてトライボロジー解析を行うことは、極めて重要となる。講師は、高分子材料の摩擦表面のカーボンレプリカ膜を調製し、そのTEM観察と電子線回折を行い、高分子材料のトライボロジーを学問研究まで高めることができた。本講演が少しでも皆様のお役に立つならば幸いです。

(第二部)
 近年、金属やセラミックの代替材料としてエンジニアリングプラスチックが使用されています。摺動部材として低摩擦係数、耐摩耗性、耐熱性を有するプラスチックが必要とされています。プラスチック単体のみならず、フィラー添加やポリマーアロイ化することで、摺動特性を向上させたグレードも使用されています。
 本講義では各種プラスチックの特性、複合材料の特徴、測定データ、アプリケーション事例を中心にご説明させていただきます。実際に使用されることの多いPA、POM、PTFEといったエンプラから、250℃以上でも使用可能なPEEK、PAI、PI、PBIの高耐熱スーパーエンプラまで幅広くご紹介いたします。材料選定や設計開発の際にお役に立ちます情報をご提供させていただきます。

セミナー詳細

開催日時
  • 2019年07月09日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・プラスチック材料の摩擦摩耗に興味のある技術者・研究者の方
・摺動部の材料を金属からプラスチックへの転換を検討している方
・素材選定にお困りの方やプラスチック摺動材料について知見を深めたい技術者の方
・現在使用中のプラスチック材料でお困りの方
(自動車、二輪車などの輸送機器、機械、電子機器、OA機器などの設計開発、解析、強度研究、信頼性保証などに関わる方)
予備知識 ・高校程度の物理
修得知識 ・トライボロジーの基礎
・プラスチックの基本特性
・摺動特性の理解
・摩擦摩耗試験のポイント
・プラスチックの摩擦材料としての正しい使い方、評価方法
・トライボロジープラスチックの特性と材料選定のポイント、適用事例
プログラム

第一部 プラスチックトライボロジーの基礎と製品開発への応用
    -高分子の形態・構造・物性とトライボロジー挙動との関係-

1.高分子を専門的に学ぶ機会が少なかったトライボロジー技術者のための序論
  (1).高分子をわかりやすく理解するために
    a.希薄溶液、濃厚溶液、融液中における
      高分子鎖の形
    b.融液からの冷却による高分子の結晶および
      非晶の構造およびその機構
    c.固体高分子のガラス転移温度、融解温度と物性
    d.成形加工後のスキン構造、コア構造、ヒケ、反りの
      原因と高分子の性質
  (2).高分子固体の微細構造を調べる方法
    a.走査型電子顕微鏡による高分子材料の一般的な観察方法
    b.透過型電子顕微鏡による高分子材料の一般的な観察方法

2.高分子材料のトライボロジーとハイブリッド平歯車への応用
  (1).高分子材料のトライボロジー研究の歴史
    a.トライボロジー全般の歴史
    b.高分子材料のトライボロジーの歴史
  (2).高分子材料の摩擦・摩耗特性
    a.固体高分子のせん断による配向および表面破壊
    b.熱可塑性高分子の摩擦表面の塑性変形と摩耗粉の成長
    c.その他
  (3).透過電子顕微鏡(TEM)による
      高分子トライボロジー研究
    a.カーボンレプリカ法によるTEM解析
    b.ポリエチレンのトライボロジー
    c.ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂のトライボロジー
    d.熱硬化性樹脂およびDLCのトライボロジー
    e.POM系ポリマーアロイのトライボロー
  (4).ハイブリッド平歯車
      (金属平歯車表面に高分子をインサート成形)の
      トライボロジー
    a.金属歯車とプラスチック歯車の現状と課題
    b.インサート成形による金属円板表面の
      樹脂被覆法の開発
    c.ハイブリッド平歯車の開発研究

第二部 トライボロジープラスチックの開発と材料選定のポイント・適用事例

1. プラスチックについて
   (1). プラスチック全般について
    a.樹脂の種類と特徴
    b.カテゴリー
    c.使用例
  (2). トライボロジープラスチックの特徴
    a.摩耗種類とメカニズム
    b.摩耗特性

2. トライボロジープラスチックの種類
  (1). トライボロジープラスチックの代表例
    a.汎用プラスチック (UHMWPE)
    b.汎用エンジニアリングプラスチック
      (PA、POM、PET)
    c.スーパーエンジニアリングプラスチック
      (PEEK、PTFE、PAI、PI、PBI)
  (2). 添加剤による改質法
    a.無機系(炭素、BN、MoS2等)
    b.有機系 (テフロン)
  (3). トライボロジー特性に及ぼす因子
  (4). 材料選定のポイントと注意点
      (強度、耐熱性、使用環境等)
  (5). データ集
    a.測定例
    b.PVデータ
    c.摩耗、摩擦係数データ
  (6). 適用事例の紹介 (軸受け、ローラー等)

キーワード プラスチックトライボロジー 摩擦・摩耗特性 摺動特性 添加剤 ハイブリッド平歯車 インサート成形 
タグ プラスチック高分子トライボロジー
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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