プラスチック強度設計の基礎と強度向上技術

~ せん断変形、体積変形支配の高分子材料の変形と破壊、強度予測、タフニング技術と改善例 ~

・プラスチック製品の脆性破壊を抑制し、高い剛性と耐衝撃性に優れた製品設計に活かすための講座
・プラスチックの塑性変形、破壊機構を学び、耐衝撃性に強い製品設計や開発に活かそう !

講師の言葉

 プラスチックの成形品の弾性率、強度等の特性は負荷の速度に大きく影響される。
 ゆっくりとした負荷では塑性変形を起こして大きく延性的に変形するプラスチックでも、早い速度での衝撃的な変形では小さなひずみで脆性的に破壊する。
 脆性的な破壊はそれが開始してから私達が力を製品から除いても破壊を止めることはできない。
 一方延性な製品は破壊が開始したときそれから力を除くと変形はその時点で停止する。
 プラスチックの成形品は、脆性的な破壊を起こすより延性的に変形する、言い換えるとタフであることが製品を安心して使用するには優れている。
 プラスチック成形品の形状そしてその製品に用いる高分子材料にどのような改質を施せば、衝撃的な負荷での脆性破壊を抑制し、信頼性に優れたとタフである製品が設計出来るであろうか。
 それを知るにはプラスチック成形品の塑性変形と破壊の機構を学ぶことが必要である。
 本セミナーではプラスチックの破壊機構とそれに基づくタフニングを紹介する。

本セミナーは会場が変更になりました。
弊社研修室→NATULUCK茅場町新館 4階中会議室

セミナー詳細

開催日時
  • 2019年02月14日(木) 10:30 ~ 17:30
開催場所 NATULUCK茅場町新館 4F 中会議室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・ブラスチックフィルム、成形品の強度の改善に携わる技術者
・自動車をはじめとした輸送機器、機械、電子機器の設計開発、信頼性保証などに関わる方 ・プラスチック製品設計、成形、研究開発に関わる技術者の方
・成形品の強度改善、薄膜等の引き裂き強度の改善、樹脂の耐久性の改善、接着剤の高性能・樹脂複合材料のタフニング、FEMを用いた強度設計などの知識を学びたい方
予備知識 ・特に必要としません、基礎からわかりやすく解説します
修得知識 ・高分子材料の破壊の機構とそれを支配する材料の特性値の関連
・応力集中の機構とそれを制御する方法
・高い剛性と優れたタフネス(耐衝撃性)の設計手法
プログラム

1.固体高分子材料の変形
 (1).固体高分子の構造と変形
 〈2).固体の変形の基礎
 (3).せん断変形が支配的な変形
 (4).体積変形が支配的な変形
 (5).ひずみの拘束による応力集中の機構 

2.せん断変形支配の高分子材料の変形と破壊
 (1).結晶性高分子材料の塑性変形
 (2).非晶性ガラス状高分子材料の塑性変形
 (3).高分子材料のソフトニングとネッキング
 (4).配向硬化
 (5).せん断変形支配の下での破壊
   a.熱可塑性高分子の破壊
   b.熱硬化性高分子の破壊
 (6).変形速度が一軸伸張の塑性変形に及ぼす影響
 (7).クリープ負荷での塑性変形

3.体積変型支配の高分子材料の変形と破壊
 (1).ボイドの形成とその不安定拡張
   a.ボイドの塑性変形による不安定拡張
   b.ボイドの非線形弾性変形による不安定拡張
 (2).ひずみの拘束とボイドの不安定拡張
 (3).切り欠きのひずみの拘束によるボイドの不安定拡張
 (4).ひずみの拘束による高分子材料の脆性的な破壊
   a.非晶性ガラス状高分子の脆性的な破壊
   b.結晶性高分子の脆性的な破壊
 (5).変形速度が破壊挙動に及ぼす影響
 (6).切り欠きを持つ結晶性高分子のクリープによる脆性破壊
 (7).アルミニュウム合金の破壊との比較
 (8).高分子材料の破壊条件と破壊力学

4.非線形弾塑性解析による高分子構造体の強度予測
 〈1).高分構造体の強度の境界条件依存性とタフニング
 (2).非晶性ガラス状高分子(ポリカーボネィト(PC)の強度予測
   a.PCの真応力-ひずみ曲線の推定
   b.PC構造体の破壊条件の推定
   c.種々の境界条件でのPC構造体のタフネスの予測
    ・切り欠き先端半径の効果
    ・リガメントの厚さの効果
    ・試験片の幅の効果
 (3).結晶性高分子(ポリオキシメチレン(POM))の強度
   a.POM の真応力-ひずみ曲線とボイドの形成と拡張状態の推定
   b.POMの破壊条件の推定
   c.種々の境界条件でのPOM構造体のタフネスの予測
    ・切り欠きの先端半径の効果
    ・リガメントの厚さの効果の幅の効果
 (4).プラスチックのタフネスの評価方法と境界条件

5.微細構造の調整によるタフニング
 (1).数平均分子量がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
 (2).分子量分布の幅がクレイズ強度と粘度に及ぼす影響
 (3).i-PPの立体規則性がクレイズ強度に及ぼす影響
 (4).共重合がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響             

6.ひずみの拘束の解放によるタフニング
 (1).ボイドによる体積弾性率の緩和とひずみの拘束の解放
   a.ボイドの分散状態が塑性不安定に及ぼす影響
   b.Gurson モデルを用いた非線形解析(関連流動則) によるポリマーアロイのタフネスの予測
   c.修正Gurson(非関連流動則) モデルよるポリマーアロイのタフネスの予測
 (2).エラストマーのブレンドによるタフニングの効率に影響する因子
   a.分散相の強度がタフネスに及ぼす影響
   b.複合構造のエラストマーをブレンドした樹脂のタフネス
   c.マトリックス樹脂の配向硬化とタフネス
    ・部分架橋による配向硬化の調整
    ・結晶化条件による配向硬化の調整
   d.熱可塑性エラストマーと樹脂の相溶性がタフネスに及ぼす影響
    ・流動による分散相のエラストマーの配向がタフネスに及ぼす
   f.表面劣化による脆性化のエラストマーブレンドによる抑制
    ・他の体積弾性率の緩和につての試み

7.高い剛性とタフネスが両立した高分子複合材料の強度設計
 (1).微粒子の充填によるタフニング
   a.無a.機微粒子のブレンドによるi-PPのタフニング
   b.カーボン粒子のブレンドによるゴムのタフニング
 (2).繊維の充填によるタフニング
   a.繊維と樹脂が強い界面強度を持つ場合
   b.繊維と樹脂の界面が適切な強度ではく離
    ・はく離強度がタフネスに及ぼす効果
    ・繊維長のアスペクト比がタフネスに及ぼす効果
    ・繊維長への締め付け力がタフネスに及ぼす効果
 (3).界面強度の調整によるタフネスの改善の例
   a.酸変性低分子量PE改質材によるガラス繊維充填PCのタフニング
   b.アラミド繊維によるPLAの弾性とタフネスの改善

キーワード 固体高分子 せん断変形 応力集中機構 脆性破壊 非線形弾塑性解析 プラスチック強度設計 タフニング 高分子複合材料
タグ プラスチック射出成形疲労
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
NATULUCK茅場町新館 4F 中会議室
住所: 〒 103-0026 東京都中央区日本橋兜町12-7 兜町第3ビル
営団地下鉄東西線「茅場町駅」12番出口 徒歩30秒
都営浅草線営団地下鉄「日本橋駅」D1出口 徒歩3分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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