ワイヤハーネスの無線化・省線化技術とその応用

~ 利用可能なワイヤレス方式、マイクロ波帯広帯域電波伝搬特性、革新的電波管技術 ~

・配線やコネクタの問題を解決するワイヤレス化・無線化技術を先取りし、応用するための講座
・信号ケーブル削減による重量・体積の軽減、構体内レイアウト自由度拡大、摺動部や可動部における信号伝達の高信頼化などのメリットをもたらす革新的技術を修得し、製品開発に活かそう! 
・数千本にもなる複雑なハーネスが導波管1本に置き換えることが可能な新技術についても解説いたします

講師の言葉

<第一部>
 自動車、航空機、宇宙機やICT機器などの複雑化は、ワイヤハーネス(配線)やコネクタの増加をもたらし、重量・体積および設計・製造・検査工数の増加や接触不良などの電気的トラブルなどを招いている。信号ケーブル削減による重量・体積の軽減、工数削減および構体内レイアウト自由度拡大や摺動部や可動部における信号伝達の高信頼化へ向けて、機器間接続のワイヤレス化が期待されている。
 本セミナーでは、国内外におけるワイヤハーネスの技術動向、ワイヤレスハーネスを確立するためのワイヤレス技術およびその課題を紹介する。さらに講師等が、これまでワイヤハーネスのワイヤレス化を目指して行ってきた電波伝搬特性の研究および成果にも触れる。

<第二部>
 ハーネスの無線化・省線化に向けて様々な技術が検討され、実用化されようとしています。無線通信には電波を扱いますが、車内空間で電波を飛ばした場合、障害物による遮断でハードセーフティが実現できない問題や、社外からのノイズ・ジャミングなどの影響を受ける懸念があります。そこで無線でありながら空間に飛ばさない工夫が必要です。
 本講義では、導波管に代表される古典的な伝送路にスポットを当て、非放射もしくは近傍でのみ通信可能となる新しい通信方法について述べます。導波管は近年、技術革新され電波ホースと呼ばれる柔軟で軽量なものや、無線電力・直流電力を伝送可能なものが開発されています。すなわち、電力も通信も導波管で伝送でき、数千本にもなる複雑なハーネスシステムが導波管1本に置き換わることも可能となってきました。本講義では伝送路による無線システムを中心に基礎技術から最新動向まで幅広く紹介することで、将来展望をお伝えします。

セミナー詳細

開催日時
  • 2018年11月19日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・自動車メーカ、宇宙、航空機、ICT機器、IoT機器ほか関連企業の方
・配線やコネクタの無線化に関心のある方
予備知識 ・特に必要ありませんが、無線の基礎知識があると分かりやすいです
修得知識 ・ワイヤハーネスのワイヤレス化を確立するための技術
・ワイヤレス化のための電波伝搬特性
・国内外におけるワイヤハーネスの技術動向
・無線・システムの基礎技術と最新動向
プログラム

第一部 ワイヤハーネスのワイヤレス化技術と電波伝搬特性

1.ワイヤハーネスの技術動向
  (1).ワイヤハーネス実例
    a.自動車
    b.航空機
    c.ロケット・人工衛星・宇宙探査機(例:SpaceWire)
    d.ICT(information and communication technology)機器
  (2).ワイヤハーネスの問題点
  (3).IoTの技術動向

2. ワイヤハーネスのワイヤレス化によるメリット
  (1).重量・体積の軽減
  (2).設計・製造・検査の工数削減
  (3).サブシステムレイアウトの自由度向上
  (4).設計変更にともなう工数削減
  (5).可動部・摺動部における信頼性向上
  (6).ワイヤハーネスへの冗長性追加

3. ワイヤハーネスワイヤレス化の動向

  (1).WAIC (Wireless Avionics Intra-Communications)
  (2).エアバス社(航空機、人工衛星)
  (3).その他 車内伝搬の開発動向

4. ワイヤハーネスのワイヤレス化における課題
  (1).EMC(electromagnetic compatibility; 電磁環境両立性)
  (2).消費電力
  (3).データレート
  (4).QoS(接続品質、伝送品質)
  (5).アンテナ
  (6).電波伝搬
    a.レイリーフェージング
    b.PCケース内電波伝搬
    c.多重波電波伝搬

5. ワイヤハーネスワイヤレス化に利用可能なワイヤレス方式

  (1).WLAN(wireless local area networks, IEEE 802.11)
  (2).Bluetooth(IEEE 802.15.1)
  (3).Zigbee(IEEE 802.15.4)
  (4).RuBee(IEEE 1902.1)
  (5).UWB(ultra wideband、 超広帯域)
  (6).特定小電力
  (7).NFC(near field communication)
  (8).IrDA
  (9).Transferjet

6. 様々な環境におけるマイクロ波帯広帯域電波伝搬の実測および評価
  (1).電波伝搬の基礎
  (2).狭帯域および広帯域電波伝搬
  (3).OFDM
  (4).電波伝搬の実測および評価(航空機)
  (5).電波伝搬の実測および評価(自動車)
  (6).電波伝搬の実測および評価(科学衛星)
  (7).小型航空機
  (8).自動券売機

7. まとめと今後の課題

第二部 飛ばない電波の車載通信応用

1.ハーネス無線化技術
  (1).車載ワイヤーハーネスの課題
    a.重量と燃費の関係
    b.ハーネス組み立て工数の課題
    c.ノイズによる通信品質低下
    d.高速伝送、EMC、ジャミング等の課題
    e.ハーネス市場、他研究動向
  (2).電波伝搬~課題と最先端技術~
    a.電波の基礎理論
    b.アンテナ技術・システム(フェーズドアレイほか)
  (3).注目されるマイクロ波送電~電波で電力を送る~
    a.送電原理の基礎と構成要素
    b.実用化最前線と法規制

2.非放射無線技術と応用

  (1).非放射方式とは~飛ばない電波~
  (2).高周波伝送線路
  (3).非放射系コンポーネント~電波を閉じ込める~
    a.キャビティ(閉空間)
    b.導波管(閉管)
    c.表面波・エバネッセント波伝送路
  (4).導波管の基礎理論

3.革新的導波管技術
  (1).導波管の利点と課題
  (2).最新のウェーブガイド技術
    a.3Dプリンタによる簡易造型
    b.電波ホースによる樹脂化・軽量化
    c.低漏えい導波管
    d.直流導波管による大電力伝送
  (3).電波ホース性能向上の取り組み
    a.樹脂材料・加工法と誘電損
    b.成膜法と導電損、放射損
    c.導電膜のシールド効果

4.導波管による通信・電力伝送
  (1).車載を模擬したシステム構成・評価内容
    a.Gbps級高速通信伝送
    b.マイクロ波電力・通信同時伝送
    c.直流大電力伝送

5.まとめ、ディスカッション
    a.導波管の車載適用性
    b.質疑応答

キーワード ワイヤハーネス QoS アンテナ 電波伝搬 WLAN  Bluetooth  Zigbee  RuBee  UWB 特定小電力 NFC 導波管 電波ホース ウェーブガイド 非放射無線技術

タグ 信号処理通信自動車・輸送機車載機器・部品電装品
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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