金属材料における疲労メカニズムとき裂進展自動計測および疲労設計への応用

~ 金属疲労の疲労特性、微小疲労き裂問題とその自動計測・評価法および疲労強度設計への活かし方 ~

・金属材料における疲労強度研究の最前線で活躍する講師陣が基礎から解説する講座
・機械、構造物の高信頼性、長寿命化のために必須の知識である金属疲労のメカニズムについて解説!
・き裂観察における最新技術や破壊防止のための疲労設計も詳解します!

講師の言葉

第一部
本講義では材料の視点から疲労という現象について論じます。 ここでは、室温大気中における金属材料の疲労を主な対象とします。初心者にも分かり易いように研究の背景や歴史から話をはじめ、「基本メカニズム」や「高サイクル疲労と低サイクル疲労の概念」といった理解しておくべき基礎的事項を解説します。また、疲労データを読み解く上で必要となる各種の疲労試験技術の説明や代表的な金属疲労のデータベースの紹介も行います。
本講義は、当機構で長年に亘り蓄積した金属材料の疲労に関する知識を皆様に提供する場と心得ています。

第二部
疲労寿命の大部分は、微視的な疲労き裂が発生し成長する、いわば微視き裂の潜伏期間に費やされるため、疲労現象を理解するには、微視的疲労き裂の発生および進展挙動の理解が欠かせない。また、小さいき裂は古典的な破壊力学に従わないことから、寿命予測におけるボトルネックとなる場合も多い。
本講義では、このような微小疲労き裂問題の概念を説明するとともに、当機構で最近開発した、微小疲労き裂の自動その場観察システムと、このシステムを用いた微小疲労き裂の観察・評価事例を紹介する。

第三部
様々な影響因子があり、バラつきも大きい金属疲労では、現象の理解とともに、機器設計に困難さが付きまといます。本講義では、基本的な疲労設計の概念に加えて、実際の疲労設計規格の内容を解説することで、産業界が具体的にどのようなセンスで疲労破壊を防止しているのかを解説します。
疲労設計規格としては、①幅広い産業分野で課題となる溶接構造物の設計指針ならびに、②応力解析に基づく設計規格として体系化され、様々な分野への汎用性を有する発電用設備規格の二つを取り上げます。これらの講義を通じて、様々な工業製品の課題に応用できる疲労設計の考え方と知識を提供します。

セミナー詳細

開催日時
  • 2018年08月02日(木) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備加工・接着接合・材料
受講対象者 ・各種輸送機器・機械・構造物の設計、強度研究、解析、信頼性保証、保守等にかかわる技術者の方
・金属材料の研究開発、製造等に関わる方
予備知識 ・材料力学の知識はあったほうがよい(応力とひずみが分かる程度でよい)
修得知識 ・室温大気中における金属材料の疲労に関する基礎
・疲労のボトルネックとなる微小疲労き裂問題の意味、疲労設計の基礎的概念ならびに、受講者それぞれの課題解決の糸口となり得る、利用可能な疲労設計規格の把握
プログラム

第1部 金属疲労の基礎:基本メカニズムと種々の疲労特性

1. 金属疲労とは
  (1). 疲労破壊の特徴
  (2). 金属疲労による事故事例

2. 研究の歴史
  (1). 研究のはじまり
  (2). 20世紀の研究
  (3).よくある間違い①:破壊靭性と疲労強度

3. 基本的メカニズムと種々の法則
  (1). 疲労き裂
  (2). 疲労特性の評価:高サイクル疲労と低サイクル疲労
  (3). よくある間違い②、③:疲労における降伏応力
  (4). 金属疲労の特徴
  (5). 金属疲労に影響を与える種々の因子
  (6). 各種金属材料の疲労特性

4. 疲労試験
  (1). 荷重制御試験、ひずみ制御試験、き裂伝ぱ試験
  (2). 疲労試験結果に影響を与える技術的要因

5. 金属疲労のデータベース

第2部 微小疲労き裂問題、その自動計測および評価法

1.微小疲労き裂問題とその計測および評価法
  (1). 微小疲労き裂問題とは
      a. 微小疲労き裂の特徴と評価上の問題点
      b. 力学的微小疲労き裂と微視組織的微小疲労き裂
  (2). 微小疲労き裂発生・進展の自動計測の試み
      a. 微小疲労き裂の自動その場観察システム
      b. 画像相関法による疲労中の微小ひずみ解析
  (3). 微小疲労き裂の評価、予測方法

第3部  疲労設計の基礎:疲労設計の概念と疲労設計規格

1. 疲労設計法の概念
  (1). 疲労限度設計、有限寿命設計、損傷許容設計

2. 設計規格にみる実際の疲労設計
  (1). 溶接構造物の疲労設計
      a. 溶接継ぎ手の疲労特性
      b. 日本鋼構造協会 鋼構造物の疲労設計指針
  (2). 発電用設備の疲労設計
      a. 原子力設備の設計・建設に関する基準
      b. 原子力設備の維持に関する基準

キーワード 金属疲労 高サイクル疲労 低サイクル疲労 微小疲労き裂 疲労設計 疲労限度設計 有限寿命設計  損傷許容設計  設計規格
タグ 金属金属材料疲労
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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