超撥水・超親水技術の基礎とその応用および最新技術

〜 表面張力、濡れ現象の基礎、濡れ性の測定法、超撥水性表面・超親水性表面の実現法、バイオミメティックスによる超撥水・超親水化技術と濡れ性制御および応用例 〜

・固体表面における液体の濡れ現象、撥水性・親水性を系統的に理解し、製品開発に応用するための講座

・超撥水・超親水化技術と濡れ性制御の最新技術を学び、防汚・防曇・光反射防止などの高機能化製品に活かそう!

講師の言葉

第一部
 固体表面における液体の濡れ現象は、防汚・防曇などの直接的な利用のみならず、固体に対する種々のコーティングや、液体材料の製造・輸送・充填などにおいても極めて重要な役割を果たす。
 本講では、この固体表面における液体の濡れ現象を系統的に理解するために不可欠な表面張力・表面自由エネルギーについて詳説し、接触角評価からもう一歩踏み込んだ濡れ性のメカニズム理解を目指す。また、その評価手法および現実的な注意点などを解説し、現実的に使える知識の習得へと導く。特に扱う機会が多い液体である水に対する濡れ現象、親水性・疎水性材料に関しては、実例を挙げながら解説するとともに、近年見出されたばかりのHNLガラスについて、その超親水性や反射防止性などの特性を紹介する。

 

第二部
 バイオミメティクス(生体模倣)とは、生物の構造や機能など生物が持つ優れた機能を模倣し工学のレベルでの応用、展開を目的としている分野である。
 バイオミメティクスの代表的な例としてはヤモリが有名である。ヤモリの足の裏には微細毛が密集して生えており、接触面に働く分子間力により天井やガラス面に粘着物質を使用せずに付着している。
 この構造を模倣し、粘性や接着性を有する化学物質を使わずに、かつ、接着面を汚さずに強力な接着力を有するテープが開発されている。その他にも、砂漠に生息しているトカゲ表面の液体輸送をヒントにした霧からの集水システムや、モルフォチョウの鱗粉が創り出す構造色、蛾の目がもつ無反射特性など、生物が創り出す省エネルギーな機能は数多くある。そのため、生物の機能から着想したモノ作りは、これからの省エネ社会の材料開発に新しい潮流を生み出すことが期待できる。
 本セミナーでは、バイオミメティクスの概念からその展開の一例である超撥水・超親水化技術の解析から応用展開までを、ステップを追って学習する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2018年06月20日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 化学・環境・異物対策
受講対象者 ・企業および研究機関で材料開発に携わる研究者・技術者 ・電子機器、電子部品、自動車部品、家具、OA機器、端末機器などで製品開発、表面処理に携わる関連部門の方 ・防汚性、防曇性、光反射防止性を要する製品の開発部門の方
予備知識 ・特に必要としません、基礎からわかりやすく解説します
修得知識 ・濡れ性と表面張力、表面自由エネルギーの理解 ・表面の濡れ性評価と分析法 ・超親水性、超撥水性を示す表面の原理と最新動向
プログラム

第一部 超撥水・超親水技術と濡れ性


1.表面張力・濡れ現象の基礎
  (1).表面張力と表面自由エネルギー
  (2).分散力因子と極性因子
  (3).Fowkes式と等接触角線
  (4).臨界表面張力
  (5).濡れ性への化学的・物理的影響因子

2.ぬれ性の測定法とその原理
  (1).Welhelmy法
  (2).ペンダントドロップ法(懸滴法)
  (3).最大泡圧法
  (4).接触角・表面自由エネルギーの測定方法
  (5).動的ぬれ特性評価
  (6).測定・評価における注意点

3.ぬれ性評価のための表面分析とその注意点
  (1).FT-IR
  (2).XPS
  (3).SEM
  (4).AFM

4.超撥水性表面
  (1).超撥水性の実現手法
  (2).バイオミメティック材料
  (3).既存の超撥水材料
  (4).超撥水材料の機能性と問題点

5.超親水性表面

  (1).超親水性の実現手法

  (2).超親水材料
  (3).超親水材料の機能性と問題点

6.階層性ナノ多孔層(HNL)による超親水・反射防止ガラスへの応用
  (1).HNLガラスの構造および形成方法?
  (2).HNLガラスが示す超親水性とその寿命?
  (3).HNLガラスによる防汚・防曇性
  (4).HNLによるガラス表面の反射防止効果とそのメカニズム

第二部 バイオミメティックスによる超撥水・超親水化技術と濡れ性制御および応用例


1.バイオミメティックスとは
  (1). バイオミメティックスのはじまり
  (2). バイオミメティックスの現在

2.バイオミメティックス液体操作による超撥水・超親水技術
  (1).超撥水表面の例
    a.自己組織化による構造形成
    b.表面構造制御
    c.フッ素処理による表面組成制御
    d.ウェットプロセスによる表面組成制御
  (2).超親水表面の例
    a.フォトリソグラフィによる構造形成
    b.鋳型法による構造形成
    c.プラズマ処理による表面組成制御
    d.ウェットプロセスによる表面組成制御
  (3).輸送デバイスの例
  (4).気バリア膜の例
  (5).液体操作メカニズムの耐久性

キーワード 超撥水 超親水 濡れ性 HNLガラス バイオミメティックス 超親水表面 表面構造制御 フッ素処理 プラズマ処理 ウェットプロセス バイオミメティクス
タグ 表面処理・めっき
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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