異種材料の接合技術とその応用:固相接合・FSWによる軽量化・高機能化のための部材接合技術

〜 固相接合の原理、摩擦攪拌接合(FSW)の接合機構とその特徴、摩擦圧接技術と応用 〜

・高融点金属にも適用が広がっている異材接合技術を学び、応用するための講座

・摩擦攪拌接合(FSW)や摩擦圧接による接合技術を基礎から修得し、部材の軽量化・高機能化に活かそう!

講師の言葉

 摩擦攪拌接合、摩擦圧接は言葉のイメージは古くて特に機械系の技術者にとっては“摩擦”というのは忌み嫌われる単語でもあります。一方、地球温暖化対策としての自動車の軽量化は近年、社会的に強く要望されています。ここで、材料として最も問題となるのは異種材料の接合であります。構造材料としての鋼は優れた物でありますが、アルミなどの軽金属との接合には常に問題を抱えています。
 この解決策として有望視され開発が進行しているのは、材料を溶かさず接合する固相接合技術です。この代表格が摩擦圧接および摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding: FSW)です。FSWは回転工具の圧入によって生じる摩擦熱と塑性流動を利用した新規な接合法であり、従来の溶接法にはない種々の優れた特徴を有しています。これまではアルミニウム等の低融点金属を対象に検討されてきましたが、最近では、鉄系材料等の高融点金属にも適用範囲が広がっています。また、摩擦攪拌は鋳造欠陥の除去や金属部材の部分硬化等、新規な表面改質プロセス(Friction Stir Processing: FSP)としても注目されており、国内外で盛んに研究開発が進められています。“摩擦攪拌”はこれまでになかったアプローチであり、適用分野が、自動車産業、航空機産業などへの分野に今後急速に増加していくのは間違いありません。
 本セミナーでは、摩擦攪拌の利用をこれから検討される方向けの基本的な内容から、高融点金属・異種材料のFSWおよびFSPに関する最新の研究事例を紹介し、FSW/FSPの基礎から応用について、平易に解説させて頂きます。 また、摩擦圧接はこれまでの多くの事例のある接合法ですが、近年の地球温暖化対策としての材料接合法として新たに注目し直されているとも言えます。この接合法についても異種材料の接合という観点から解説します。
 地球温暖化防止の観点から、部材の軽量設計、高機能化設計の要望が高まっています。企業においても、軽量化設計を試みられていますが、異種材の接合は一筋縄ではうまく解決できないことが多いと思われます。このセミナーでは部材軽量化・高機能化技術の一環として、異種材料の溶接・接合を中心テーマとして取り上げます。特に、適用例、部材設計などについても平易にお話しします。

セミナー詳細

開催日時
  • 2018年05月28日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・金属製品製造業、非鉄金属製造業および開発担当者 ・鉄鋼、自動車、航空機、車両、船舶、電子機器製造業および開発担当者 ・異種材料、高融点材料の接合技術者 ・電気自動車(EV)、ハイブリッド車開発関連技術者
予備知識 ・特に必要ありません
修得知識 ・摩擦攪拌接合プロセスの原理 長所、利用方法 ・摩擦攪拌接合プロセスを製品開発に利用する指針 ・摩擦攪拌接合機器仕様決定 ・摩擦圧接および摩擦攪拌プロセスの原理 ・摩擦圧接の利用方法
プログラム

1.なぜ 固相接合が必要か?
  (1).異種材料の溶融溶接と固相接合の相違
  (2).接合時の熱量低減の必要性
  (3).各種固相接合プロセスの概説

 

2.アーク溶接・レーザー溶接を中心とする溶融溶接の原理
  (1).溶接法の原理
  (2).欠陥生成
  (3).ひずみの生成
  (4).異種材料の溶融溶接(主に成分設計の点から)

 

3.固相接合の原理
  (1).拡散接合の原理
  (2).液相拡散接合の原理
  (3).ロウ付けの原理(厳密な意味では固相接合でない)
  (4).超音波接合の原理
  (5).異種材料接合への固相接合適用の考え方
  (6).摩擦圧接の原理と応用

 

4.摩擦攪拌接合(FSW)の接合機構とその特徴
  (1).摩擦攪拌接合(FSW)の接合機構とその特徴
    a.基本原理と特徴
    b.従来接合法との比較
    c.対象材料と組合せ
    d.継手の形状と種類
    e.適用事例(鉄道・航空機・自動車など)
  (2).摩擦攪拌接合(FSW)の国内外の開発・適用化状況
    a.研究開発動向の概要
    b.実用化の現状
    c.装置メーカの現状
  (3).摩擦攪拌接合(FSW)の実用化上のポイント
    a.被接合材の種類と接合性
    b.接合欠陥の発生原因と対策
    c.FSW中の材料の流動現象
    d.接合部の機械的特性及び品質
    e.FSW装置の構成及び特徴
     ・装置構成 回転ツール
    f.高融点金属への適用状況とポイント
     ・ハイブリッド化による高融点金属への適用
    g.異種金属の接合
    h.特許に関して
     ・TWIの特許政策 特許出願動向
  (4).スポットFSW
    a.基本原理と特徴
    b.従来の抵抗溶接法との比較
  (5).摩擦攪拌プロセス(FSP)について
    a.基本原理と特徴
    b.軽金属へのFSP
     ・合金化 鋳造品の補修処理
    c.高融点金属へのFSP
    d.最新のFSP研究事例(超硬合金の改質等)
  (6).摩擦現象を利用した表面改質・表面創製
    a.基本原理と特徴 
    b.これまでの開発状況
    c.摩擦攪拌接合(FSW)のMIG溶接化

 

5.摩擦圧接の基礎
  (1).基本原理と特徴
  (2).従来接合法との比較
  (3).対象材料と組合せ
  (4).機械的性質

 

6.今後の動向と課題

 

7.まとめ・質疑応答

 

キーワード 固相接合 溶融溶接 拡散接合 摩擦攪拌接合 FSW 異種金属 スポットFSW 表面改質 表面創製
タグ 異種金属金属加工金属材料溶接・接合
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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