プラスチックトライボロジーの基礎と製品開発への応用

〜 トライボロジープラスチックの代表例、添加剤による改質法、材料選定のポイントと注意点 〜

・摺動性の高いプラスチック製品開発に活かすための技術を基礎から修得できる講座

・温度と時間によって変化するプラスチックの基本特性や複合材料の特徴・データを修得し、製品開発へ応用しよう!

講師の言葉

(第一部)
 プラスチックは、温度と時間によって違う顔を見せる生き物でもある。プラスチックを構成する高分子は、種類、構造、性質、用途も幅広く、大学等で学んだだけでは消化不良の感がある。そこで、受講者の皆様は全員ご経験等が異なるので、プラスチック材料の素材である高分子の特徴とトライボロジーとの関係をできる限りわかりやすくご説明申し上げる。各種企業の技術開発支援等を通して得た経験を含め、トライボロジー以外の分野にも応用できる「知識」より「知恵」を活かす考え方もご披露し、課題解決と新技術開発を目指す一助になれば幸いです。

 

(第二部)
 近年、金属やセラミックの代替材料としてエンジニアリングプラスチックが使用されています。摺動部材としては低摩擦係数、耐摩耗性、耐熱性を有するプラスチックが必要とされています。プラスチック単体のみならず、添加剤を配合することや、ポリマーアロイ化することで、摺動特性を向上させたグレードも使用されています。
 本講義では各種プラスチックの特性、複合材料の特徴、測定データ、アプリケーション事例を中心にご説明させていただきます。実際に使用されることの多いPA、POM、PTFEといったエンプラから、250℃以上でも使用可能なPEEK、PAI、PIの高耐熱スーパーエンプラまで幅広くご紹介いたします。材料選定の際にお役に立ちます情報をご提供させていただきます。

セミナー詳細

開催日時
  • 2018年05月14日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・プラスチック製品開発に携わる方 ・摩擦・摩耗・潤滑・トライボロジーに携わる技術者の方 ・素材選定にお困りの方やプラスチック摺動材料について知見を深めたい技術者の方
予備知識 ・特に必要ありません
修得知識 ・プラスチックの基本特性 ・摺動特性の理解 等
プログラム

第一部 溶融状態および成形後の高分子の形態・構造・物性とトライボロジー挙動との関係

 

1.高分子を専門的に学ぶ機会が少なかったトライボロジー技術者のための序論
  (1).高分子をわかりやすく理解するために
    a.高分子はどんな形をしているか? なぜ理解する必要があるか?
    b.長い高分子鎖は融液からどんな風に集まって固体になるか?
    c.固体高分子のガラス転移温度、融解温度の重要性とは?
    d.成形加工後のスキン構造、コア構造、ヒケ、反りの原因と高分子の性質との関係は?
  (2).高分子固体の微細構造を調べる方法
    a.走査型電子顕微鏡による高分子材料の一般的な観察方法
    b.透過型電子顕微鏡による高分子材料の一般的な観察方法

 

2.高分子材料のトライボロジーとハイブリッド平歯車への応用
  (1).高分子材料のトライボロジー研究の歴史
    a.トライボロジー全般の歴史
    b.高分子材料のトライボロジーの歴史
  (2).高分子材料の摩擦・摩耗特性を決めるものは何か?
    a.固体高分子のせん断による配向および表面破壊
    b.熱可塑性高分子の摩擦表面の塑性変形と摩耗粉の成長
    c.その他
  (3).透過電子顕微鏡(TEM)による高分子トライボロジー研究
    a.カーボンレプリカ法によるTEM解析
    b.ポリエチレンのトライボロジー
    c.ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂のトライボロジー
    d.熱硬化性樹脂およびDLCのトライボロジー
    e.POM系ポリマーアロイのトライボロー
  (4).ハイブリッド平歯車(金属平歯車表面に高分子をインサート成形)のトライボロジー
    a.金属歯車とプラスチック歯車の現状と課題
    b.インサート成形による金属円板表面の樹脂被覆法の開発
    c.ハイブリッド平歯車の開発研究

 

第二部 プラスチックトライボロジーの基礎と製品開発への応用

 

1. プラスチックについて
  (1).プラスチック全般について
    a.種類
    b.特徴
    c.成型方法
    d.使用例
  (2).プラスチックの摩擦
    a.摩耗種類とメカニズム
    b.摩耗特性

 

2.トライボロジープラスチックの開発
  (1).トライボロジープラスチックの代表例
    a.汎用プラスチック (UHMWPE、PET)
    b.汎用エンジニアリングプラスチック (PA、POM)
    c.スーパーエンジニアリングプラスチック (PTFE、PI)
  (2).添加剤による改質法
    a.無機系(炭素、BN, MOS2等)
    b.有機系 (テフロン)
  (3).トライボロジー特性に及ぼす因子
  (4).材料選定のポイントと注意点 (強度、耐熱性、使用環境等)
  (5).データ集
    a.測定例
    b.PVデータ
    c.摩耗、摩擦係数データ
  (6).適用事例の紹介 (軸受け、ローラー等)

キーワード プラスチックトライボロジー 摩擦・摩耗特性 ハイブリッド平歯車 インサート成形 添加剤
タグ プラスチックトライボロジー添加剤
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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