化学および電気化学センシングの基礎と応用技術

〜 化学センサおよび電気化学センサの基礎技術、通信可能なモバイル電気化学デバイス、電気化学バイオセンシングの応用、人工嗅覚の実現技術 〜

・各種センサを用いたバイオセンシング技術を解説する講座

・ヘルスケア、食の安全、環境モニタリングなど広範囲にわたる計測が可能なセンシング技術を修得し、新製品や新サービスの開発に応用しよう! 

講師の言葉

<第一部>
 五感のうち、最もデバイス化が遅れているのが「嗅覚」です。人工嗅覚の実現を難しくしている大きな要因が、その測定対象である「ニオイ」の複雑さです。「ニオイ」とは、40万種類以上といわれる各成分が、任意の割合で数種から数千種混ざり合って形成されるものであり、さらにこれが時間的にも空間的にも絶えず揺らぎ続けます。この捉えどころの無い「ニオイ」を測り、人間が理解できる情報に変換する人工嗅覚の実現は、最高難度の科学技術課題のひとつといえます。
 本講義では、モバイルやIoTを前提とした人工嗅覚の実現に必要とされる要素を網羅したナノメカニカルセンサ、特に最近開発に成功した膜型表面応力センサ(Membrane-type Surface stress Sensor, MSS)について、その動作原理や特徴などについて、開発者の視点から詳細な説明を行います。さらに、最先端のハードウェア(センサ素子+感応膜やプロトタイプ機など)とソフトウェア(機械学習など)を統合する総合的な研究開発について、産学官連携体制や最新の成果をご紹介します。

<第二部>
 本セミナーでは、電気化学センサを用いたバイオセンシングについて紹介する。特に小型軽量でモバイル、通信可能な電気化学デバイスが可能になっており、これらを用いた各種バイオセンサについて紹介する。遺伝子センサ、免疫センサといったバイオセンサだけでなく、重金属、農薬、生菌数、抗酸化を測定するセンサなどについても紹介する。バイオセンサは、ヘルスケア、食の安全、環境モニタリングなど広範囲にわたる計測対象が可能であり、インターネットなどの情報通信技術と得られた多くの情報を解析するAI技術との融合による社会変革(Society5.0)の基礎となる有用な情報を提供することが可能である。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年12月01日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 化学・環境・異物対策
受講対象者 ・産・学・官を問わず、各種センサの開発者および新たなセンサを探している方 ・ヘルスケア・バイオ・食品・環境・医療・電子デバイスほか関連企業の技術者の方
予備知識 ・物理・化学・工学の基礎的な知識 ・電気化学の基礎知識
修得知識 ・電気化学センサの基礎    ・モバイル電気化学センシング技術 ・電気化学バイオセンシングと応用技術 ・モバイルやIoTを前提とした嗅覚センサの実現に向けた各種センサの特徴と課題 ・ナノメカニカルセンサ、特に「MSS」の動作原理と特徴 ・システムレベルで必要となるハード・ソフトの要素技術
プログラム

第一部 嗅覚 IoTセンサシステムの原理と周辺要素技術

1.嗅覚センサ
  (1).嗅覚センサの現状

2.MSSとシステム要素技術の研究開発
  (1).ナノメカニカルセンサとは?
  (2).カンチレバーからMSSへ
  (3).感応膜の設計と被覆
  (4).MSSの応用例

3.産学官連携による最先端技術の垂直統合
  (1).嗅覚IoTセンサのシステム/サービス
  (2).最先端要素技術

4.ハード(センサ)とソフト(機械学習)の融合
  (1).多次元データの解釈方法
  (2).応用例:お酒のニオイからアルコール度数の定量推定
  (3).情報計測による化学センサのパラダイムシフト

5.気体分子の新たな絶対量評価手法
  (1).相対的アプローチと絶対的アプローチの違い
  (2).流体熱力学質量分析(Aero-Thermo-Dynamic Mass Analysis).

6.まとめと今後の展望
  (1).現状と課題のまとめ
  (2).嗅覚センサにおける標準化の考え方
  (3).アプリケーションの可能性

第二部 電気化学センシングの基礎と応用技術

1.電気化学センサの基礎
  (1).電流−電位の測定
  (2).サイクリックボルタンメトリー
  (3).クロノアンペロメトリー
  (4).酵素センサ

2.モバイル電気化学センシング
  (1).プリンタブル電極
  (2).電気化学計測
    a.ウエラブル計測装置
    b.無線通信型
    c.電気化学発光計測装置

3.電気化学バイオセンシング
  (1).遺伝子センング
    a.ウイルスセンシング
    b.微生物センシング
    c.疾病センシング
  (2).免疫センシング
    a.ホルモン (インシュリン、妊娠ホルモン)
    b.炎症マーカー
    c.ストレスタンパク
  (3).重金属センシング
    a.フィルード試験用ポータブルセンサ
    b.飲料水・大気・土壌汚染センシング
  (4).生菌数センサ
    a.呼吸活性を指標とした生菌センサ
    b.飲料水、生鮮食品センシング
  (5).抗酸化センサ
    a. 電気化学発光センシング
    b. 機能性食品、飲料のセンシング
  (6).残留農薬センシング
    a.酵素活性阻害センサ
    b.有機リン系農薬など
  (7).スポーツセンシング
    a. 無線通信型バイオセンシング
    b. 汗中の乳酸モニタリング

4.その他

キーワード 電気化学センサ 嗅覚センサ バイオセンサ ナノメカニカルセンサ 環境モニタリング サイクリックボルタンメトリー 電気化学計測 遺伝子 免疫 重金属 機能性食品 農薬
タグ センサ医療機器計測器電気化学
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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