「試作レスによる射出成形」に必要な総合的成形技術とトラブル対策

〜 不良ゼロ成形のための、ショートショット・ばり・シルバー・異物・転写不良・ウエルド不良・フローマーク・ボイドとひけ・寸法ばらつき・そり変形・成形品の破損等の未然防止技術とそのポイント 〜

・豊富で幅広い経験をもつ講師の知識・知見・体験に裏付けされた具体的な射出成形技術のノウハウとトラブル対策技術を実務に活用するための特別講座

・試作レスで量産金型を作り、不良発生のない量産成形をし、短納期生産とコストダウンを実現しよう!

・具体的な不具合に対し、どう対処すべきかを明確に解説し、実務にすぐに活かせることができます

講師の言葉

 射出成形で成形品を開発する場合に、「樹脂の丸棒や厚板から機械切削で設計した部品を機械加工して検討する」、「簡易金型による射出成形で試作品を作って検討する」、「設計した図面で光造形して部品を作り検討する」などによりデザインレビューが行なわれた時代があるが、近年では3Dプリンターの進歩により予定している樹脂グレードで試作品を3Dプリンターで作り検討することができるようになった。しかし国際競争に打ち勝って差別化を図り、優位性を確立する方策の1つとして、短納期生産およびコストダウンのために試作レスで量産金型を作り、不良発生のない量産成形を目指すことが検討されるようにもなってきた。このためには樹脂の成形性・形状設計・金型設計・成形機および周辺機器性能・成形条件設定・成形品品質評価技術の総合的技術の高いレベルが必要であり、常に5ゲン主義に基づく成形技術のレベルアップが必要である。すなわち成形不良対策として、成形技能士的なこれまでの経験や思いつきのようなQCストーリーに基づかない試行錯誤を繰り返えすような射出成形では、成形不良は根治しないし、また常識として重視されている成形技術の中には技術の進歩により、訂正すべきものもなしとはしない。

 試作レス成形では、寄与率が高いと考えられる要因に対して企画・設計段階で、重要部品の設計で行われるコンカーレント設計のように各部門の衆知を結集した検討が必要なのである。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年08月07日(月) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・樹脂による設計の担当者 ・工業部品に使用される樹脂グレードの開発担当者・成形品の性能評価の担当者などやこれらに関連しているセールスエンジニアの方
予備知識 ・樹脂についての一般的知識や樹脂による設計・評価などの実務経験があることが望ましい
修得知識 ・樹脂による部品設計で必要となる樹脂の基本的知識および成形品寿命向上対策としての樹脂グレード選定の最適化のための知識など
プログラム

1.選別なしでの不良ゼロ成形への道
  (1). 企画から量産までのプロセスとそれらの問題点
  (2).5ゲン主義による事例研究での原因究明
  (3). 寄与率の大きい要因の定量的原則(技術標準)の明確化
  (4). 明確化された各種要因で作成されたチェックリストの活用

2.ショートショットの未然防止
  (1). 成形品の厚みおよび必要流動距離に対する樹脂の流動長さの余裕度
  (2). ベント構造の最適化と樹脂からのガスによるベント閉塞のクリーニング
  (3). 射出成形機および周辺機器の性能に基づく成形条件のばらつき
  (4). 多数個取りキャビティでの同時充填性

3.ばりの未然防止
  (1). 金型構造設計と機械切削機器の工作精度
  (2). 樹脂の溶融粘度特性
  (3). 結晶化速度
  (4). 樹脂の金型鋼材に対する腐食性

4.シルバーの未然防止
  (1). 許容吸湿率の明確化と予備乾燥機の選定
  (2). 残留モノマーや熱分解ガスなどの樹脂からの揮発物
  (3). キャビティ内でのエアの巻き込み
  (4). ペレット吸湿率測定による管理の必要性

5.異物の未然防止
  (1). 異物の種類の分析鑑定技術の必要性
  (2). 長時間滞留による熱分解に基づく異物発生原理の理解
  (3). 異物発生対策とクリーニングの方法
  (4). 生産計画に於ける定期的クリーニングの必要性

6.転写不良の未然防止
  (1). 転写性に対する金型温度の寄与
  (2). 転写性と樹脂のガラス転移温度
  (3). 結晶化速度
  (4). 樹脂からのデポジットによる転写不良対策

7.ウエルド不良の未然防止
  (1). ウエルドを発生させないための成形技術
  (2). ウエルド発生位置の予測と対策
  (3). ウエルドが目立ちやすい樹脂のグレード

8.フローマークの未然防止
  (1). フローマークの種類および発生原因の把握
  (2). 形状設計に基づくものと樹脂の流動特性に基づくもの
  (3). ジェッティング発生の原理

9.ボイドとひけの未然防止
  (1). ボイドとひけの発生理由
  (2). 対策のための形状設計の原則
  (3). スプル・ランナ・ゲート設計による対策
  (4). ひけ防止対策としての発泡成形および中空体射出成形の活用

10.寸法ばらつきの未然防止
  (1). 成形収縮率と寸法公差
  (2). 成形機性能と寸法ばらつき
  (3). 成形条件管理と寸法ばらつき
  (4). 後収縮による寸法公差はずれとその対策

11.そり変形の未然防止
  (1). そり変形に対する成形収縮率の異方性
  (2). そり変形の寄与が最も大きい形状設計
  (3). ゲート設計とそり変形
  (4). 不均一厚み・非対称形状成形品の成形のための金型温調設計

12.成形品の破損の未然防止
  (1). 樹脂の限界を知っての過応力設計の防止
  (2). 成形品破損の主要因の分類
  (3). 加水分解する樹脂での破損対策
  (4). 破面解析の活用
  (5). 非結晶性樹脂でのソルベントクラック対策

キーワード 射出成形 成形不良 プラスチック 射出成形 プラスチック 熱可塑性樹脂 熱硬化性樹脂 金型設計 フローマーク ボイド ひけ
タグ プラスチック射出成形成形加工
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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