電子機器における熱設計の基礎と具体的手法および放熱技術とそのポイント 〜演習付〜

〜 熱伝達の基礎と熱設計における注意点、熱と空気の流れのイメージング法、伝熱促進技術の選択、電子機器における熱対策設計、伝熱形態ごとの具体的な熱対策例とポイント 〜

・「目に見えない」熱や空気の流れをイメージできるよう分かりやすく解説する講座

・伝熱形態に対応した具体的な熱対策設計技術を修得し、高信頼性製品開発に活かそう!

・伝熱工学や流体工学に関する一連の基礎知識も講習しますので、熱交換器や空調などの設計者や

 技術者にも有益な講座です

講師の言葉

 皆さんがご存知の通り、昨今の電子機器における高性能化と小型化の両立という相反する要求は、電子機器の熱問題を深刻にしています。ところが、いざ熱対策を施そうと思っても、一般的には電子機器の機能(=魅力)に直接つながる電気設計や機構設計が優先されますので、「目には見えてこない」熱設計はどうしても軽視されがちです。しかし、熱で不安定化する電子機器に、ユーザは最終的に満足するでしょうか。「冷えなかったからファンを後付けすればいい」という価格競争力の下がる設計で、競争力の高い製品ができるでしょうか。熱の「サイレントリスク」は必ず製品に忍び寄っています。確実に回避するための熱対策や放熱技術の知識は、これからの電子機器の設計者には必要不可欠なものです。
 ところが前述したように、熱や空気の流れは目に見えません。ゆえに想像するのが難しいといわれますが、わたしたちの身近な経験に置き換えるとハードルは高くありません。また、最近では数値シミュレーションを活用した熱設計が盛んで、これらは簡単に熱や空気の流れを「見える」ようにしてくれます。しかし、その結果は本当に正しいのでしょうか。

 解析結果の信頼性を担保するには、解析をプロデュースする設計者が、その妥当性を見抜くための知識が必要です。シミュレーションの結果に、設計者が「使われる」ようではいけません。
 そこで今回の講習では、電子機器を題材に、熱対策設計と放熱技術に関する基礎知識についての一連の講習と演習を行います。特に、受講者の皆さんが設計中に「目に見えない」熱や空気の流れをイメージできるように、基礎知識、熱や空気の流れの置き換え方、事例演習を通じてトレーニングしていただきます。特に、伝熱工学と流体工学の一連の基礎を改めておさらいし、これらの知識が熱対策設計にどのように繋がるかに重点を置いて講習と演習を行います。なお、本講座は電子機器を題材として講座を開講しますが、伝熱工学や流体工学に関する一連の基礎知識を講習しますので、熱交換器や空調などの設計者や技術者の皆さんにも有意義な内容にしたいと考えています.
 またこの講義の後半では伝導・対流・放射といった伝熱形態を実際の製品でどのように実現しているかを説明するとともに、最近の熱問題の動向や熱設計手法のトレンドを紹介いたします。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年09月01日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・電子機器や、熱交換器などの熱機器の設計に携わっておられる技術者、開発者の方、またはこれから携わろうとしておられる方 ・これから伝熱工学や流体工学の知識が業務上必要になる方 ・これまで伝熱工学や流体工学に苦手意識を感じている設計者の方、技術者の方 ・CFDシミュレーションによる熱設計に従事しておられ、信頼性評価の方法に悩んでおられる方 ・簡易熱設計技術 (1D熱設計技術) に興味のある方
予備知識 ・特に必要としません、基礎からわかりやすく解説します
修得知識 ・伝熱工学、流体工学の一連の基礎知識 ・機器内部における熱流体現象の捉え方と熱や空気の流れのイメージング技術 ・放熱設計における性能の簡易的な見積もり技術 ・製品の熱設計プロセス ・熱対策の具体的手法とポイント ・最近の熱課題とその対策方向性
プログラム

   

第一部:熱設計の基礎

1. 熱設計の基礎となる「熱流体工学」

  (1).伝熱工学の基礎

  (2).流体工学の基礎

  (3).熱伝達の基礎と熱設計における注意点

  (4).ファンの基礎

2. 熱と空気の流れのイメージングのための武器

  (1).電気回路とのアナロジーで考える

  (2).ドライブ(運転)に置き換えて考える

3. 熱と空気の流れのイメージトレーニング(記述式の演習)

  (1).真夏の自動車の車内

  (2).室内の空調

  (3).ラップトップコンピュータ

  (4).タブレットPC・スマートフォン

  (5).伝熱促進技術の選択

4. 放熱能力の簡易計算法

  ・電卓を使った演習

5. 電子機器の熱設計における最新技術動向

  (1).CFD解析の有効活用について

  (2).1DCAEという考え方と応用について

  (3).次世代の伝熱促進技術とは

第二部:電子機器における熱対策設計

1.製品の一般的な設計プロセスと熱設計   

2.伝熱形態ごとの具体的な熱対策例

  (1).熱伝導

     a.対策の考え方

      ・材料の熱伝導率とその他の性能

      ・接触熱伝達

      ・TIM

     b.携帯機器等における対策例

  (2).対流熱伝達

     a.対策の考え方

      ・自然空冷

      ・強制空冷

  (3).ファン

  (4).ヒートシンク

      ・情報機器等における対策例

  (5).物質移動

     a.対策の考え方       

       ・換気

       ・液冷

     b.高発熱機器等における対策例

  (6).放射熱伝達

     a.対策の考え方

     ・温度と放射率

     b.屋外装置等における対策例

  (7).その他の熱対策部品の考え方

     a.ヒートパイプ

     b.ペルチェ素子

3.最近の熱課題とその対策方向性

  (1).小型部品の放熱経路とその課題

  (2).モデルベースデザイン

 

キーワード 熱流体工学 熱設計 伝熱促進技術 熱対策例 熱対策部品 ヒートパイプパイプ  小型部品の放熱経路 モデルベースデザイン 
タグ エネルギーエネルギーマネジメントシステムモバイルコンピューティング基板・LSI設計流体解析
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
こちらのセミナーは受付を終了しました。
次回開催のお知らせや、類似セミナーに関する情報を希望される方は、以下よりお問合せ下さい。
contact us contact us
各種お問い合わせは、お電話でも受け付けております。
03-5322-5888

営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日