機械製図の基本原則と幾何公差・最大実体交差への応用

〜 国際化に対応した図形・寸法の新しい表記方法、幾何公差方式による不良率の削減、幾何公差の検証法、最大実体公差方式と解析活用のポイント 〜

・国際ルールに基づいた誤解を生じさせない図面を描くための実践講座

・製品の高精度化・高品質化により必要性が増している幾何公差や最大実体交差を学び、トラブルの未然防止、組立コストの増大を防止しよう!

講師の言葉

 ものづくりがグローバル化すると図面には誤解を生じない完璧さが要求されますが、現状ではそうはなっていません。
 我が国のものづくりが優秀なのは図面が優れているからではなく、図面が意図する要求事項を現場の創意工夫によって解決しているからです。しかし、ものづくりがグローバル化(国際水平分業化)して生産されるとなると、図面には誤解を生じない完璧さが要求されますが、現状ではそうはなっていません。
 国際ルールに基づいた図面を描く方法を身につけなければ、たとえ3D-CADを用いたところで、製造・測定現場と解釈の違いが生じ、国際的なトラブルの原因となります。
 とくに製品が高精度化・高品質化すると、従来の寸法公差方式では表記しきれない幾何偏差が原因となって組み立て可能性が失われてしまい、組み立てコストの増大を招きます。
 そのため、幾何公差方式を適用しない図面は“幼稚な図面”とまで言われています。
 しかしたとえ幾何公差方式を導入して完璧な図面になったとしても、幾何公差を検証するための定コストが増加するだけです。最大実体公差方式(マルエム)まで十分に理解した上で図面を描くことによって、初めて加工コストと測定コストの削減が可能となります。
 本講座ではまず、図面の最新動向を延べ、続いて幾何公差方式とくに機械製図テクニックの最高峰である最大実体公差方式をやさしく解説するとともに、具体的な事例を解きながら最大実体公差方式の実務への適用方法について学べます。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年06月30日(金) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・機械設計者の方 ・世界に通用する機械図面を描きたい実務者 ・最大実体公差方式を適用した製図法について修得し活用したい方
予備知識 ・ひと通りのJISを学んだ方 ・機械図面を作成それに基づいて加工したり、測定した経験がある方
修得知識 ・最新の製図方法を熟知した世界標準の図面が描く知識が得られる ・最大実体公差方式を適用した図面を描くことができる知識が得られます
プログラム

1.国際化に対応した図面の必要性
 (1).日本企業の図面に欠けているもの
   a.世界標準ではない
   b.あいまいな解釈
   c.国際水平分業に対応できない
 (2).JIS(=ISO)は常に進化している
    a. 図形の新しい表記方法
    b. 寸法の新しい記入方法
 (3).3D-CADへの表記方法
    a. ISO/TC10とISO/TC213の動向
    b. 3D-CADと2D-CADの互換性

2.寸法公差と幾何公差は「独立」している
 (1). 図面通りに加工したのに部品が組み立たない原因
   a. 寸法公差と幾何公差の混同について
   b.サイズ寸法は形状誤差を規制できない
   c. 独立の原則
   d. テーラーの原理
 (2).表面性状の表記
   a.加工方法と表面性状との関係
   b. 算術平均粗さと最大高さ粗さの相互関係
   c. 3次元表面性状による表記方法
 (3).幾何公差の表記
   a. 寸法公差方式のかかえる根本的な矛盾点
   b. 幾何公差方式を用いない図面は“幼稚な図面”
   c. 幾何公差方式による不良率の削減
 (4).普通公差
   a. 普通寸法公差と普通幾何公差
   b. 普通公差の表記方法

3.幾何公差の検証
 (1).測定のコストダウン
   a. 高価な測定機を用いる方法
   b. 測定治具を工夫する方法
 (2).単独形体の検証方法
   a. 真円度測定
   b.平面度測定
 (3).関連形体の検証方法
   a. 定盤・Vブロック・インジケータなどによる簡易測定
   b. マンドレルなどの簡易測定器(機能ゲージ)による測定

4.最大実体公差方式
 (1).寸法公差と幾何公差を相互依存関係にする
   a. 最大実体公差方式のメリット
   b. 動的公差線図の作成
   c. 100%の組立可能性が実現
   d. 機能ゲージによる測定のコストダウン
   e. 機能ゲージの設計方法
   f. ゼロ位置度公差方式の活用
 (2).包絡の条件
   a. ASMEルール#1との相違点
   b. 適用方法
 (3). 最小実体公差方式,突出公差域など

5.最大実体公差方式による公差解析(演習)
   ・演習問題と実務活用のポイント

6.まとめと質疑応答

キーワード 図面の国際化 3D-CAD 幾何公差 最大実体公差方式 公差解析 表面性状表記
タグ 規格・標準機械機械要素設計・製図・CAD
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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