熱電発電技術と高効率化および最新技術

〜 熱電変換材料の基礎と開発のポイント、元素代替に基づいた低環境負荷化と低コスト化、標準化を目指した評価技術と応用 〜

・最新の熱電発電技術について材料、デバイス、標準化、国際動向の観点から網羅的に解説する講座

・変換効率11%の熱電変換デバイス開発に成功した講師の方が、超高効率化技術について解説する特別セミナー! 

講師の言葉

 我々は、一次エネルギーの大半を輸入に頼っているにもかかわらず、その多く(60%程度)を熱エネルギーとして損失している。熱電変換技術を用いれば、これら膨大な未利用熱エネルギーを利用価値の高い電気エネルギーに変換できる。我々のグループは、経産省やNEDOが進める「未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発」や「革新的エネルギー技術国際共同研究開発事業」などに参加して中心的な役割を演じ、産学官協力のもと、各国の研究機関と連携しながら、熱電発電技術の最前線で研究を進めている。
 最近、我々は、ナノテクノロジーを用いて、変換効率11%の熱電変換デバイスを開発することに成功した。さらに、希少・毒性元素を利用しない新しい熱電変換材料として硫化物の研究を進めている。また、材料・デバイスの評価技術の開発と標準化に関わる研究にも携わっている。2016年には、これら研究成果をもとに、産業技術総合研究所の認定ベンチャー「モッタイナイ・エナジー」を設立した。
 本セミナーでは、熱電変換技術の基礎、材料、デバイス、標準化について、我々の成果と共に、日本、米国、欧州における熱電変換研究の取り組みを交えながら紹介する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2017年04月27日(木) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 電気・機械・メカトロ・設備
受講対象者 ・熱電変換材料やデバイスの研究・開発に従事する方 ・未利用熱エネルギーの活用に興味のある方 ・ナノテクノロジーを用いたバルク体材料の研究・開発に興味ある方 ・希少元素・毒性元素の代替技術に興味ある方 ・省エネルギーやCO2排出量削減に興味のある方 ・新エネルギー分野での新テーマ、新事業を検討している方
予備知識 ・基礎から応用までをお話しますので、予備知識は必要ありません
修得知識 ・熱電変換材料とデバイス開発の基礎 ・熱電発電技術の最先端の研究開発動向、各国の取り組み
プログラム

1.熱電変換技術の基礎
 (1). 未利用熱エネルギーと熱電変換技術
    a.未利用熱エネルギーから利用価値の高い電気エネルギーを生み出す熱電変換技術
 (2). 熱電変換材料の基礎と開発のポイント
    a.ゼーベック効果とペルチェ効果:デモ機を交えてわかりやすく解説
    b.熱電性能指数:キャリア濃度制御とフォノン散乱の重要性を重点的に解説 
    c.フォノン・グラス-エレクトロン・クリスタル:熱電変換材料を開発するための基本戦略
 (3).既存の熱電変換材料
    a.100℃程度で使用できるビスマス・テルライド
    b.400℃程度で使用できるスクッテルダイトとラットリング効果
    c.400℃程度で使用できるハーフホイスラー化合物
 (4).熱電変換デバイスの基礎と開発のポイント
    a.熱電変換デバイスの構造
    b.電極材料、拡散防止層、電極の接合方法:日の目を見ないが、重要な技術

2.熱電変換技術の最前線1:超高効率化(効率10%以上)
 (1).低次元化による薄膜材料の高効率化
    a.超格子薄膜
    b.ナノワイヤー
 (2).ナノ構造制御によるバルク材料の超高効率化:プレス発表の内容を詳解
     http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151126/pr20151126.html
    a.ナノ構造の形成技術:電気的な特性には影響を与えず、熱伝導率のみを低減させるナノ構造
    b.電極材料の選定と評価:高温での原子拡散と反応を抑制
    c.発電特性の評価:実測とシミュレーション
 (3).結晶構造の高度制御によるバルク材料の超高効率化
    a.SnSeなど新規熱電変換材料:Nature誌に発表された注目の材料を実用化の課題も踏まえて解説

3.熱電変換技術の最前線2:元素代替に基づいた低環境負荷化と低コスト化
 (1).硫化物系材料:プレス発表の内容を詳解

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20141006/pr20141006.html

http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20130215/nr20130215.html
    a.銅硫化物系材料の性能向上:特徴的な結晶構造がもたらす非常に低い熱伝導率
    b.銅硫化物系材料のデバイス化:鍵を握る電極構造
 (2).その他の低環境負荷と低コストの熱電変換材料環境
    a.酸化物系材料:ナノブロック・インテグレーションという新しい材料設計指針
    b.シリサイド系材料:Mg2Si、MnSiyなど再度注目を浴びる熱電変換材料を紹介
    c.有機系材料:近年、急激に性能を向上させつつある有機系材料の最近の成果と課題について

4.各国の研究開発動向
 (1).日本
    a.NEDOが進めた高効率熱電変換システムの開発(2002〜2006年度)  
    b.経産省とNEDOが進める未利用熱エネルギーの革新的活用技術(2013年度〜現在(2022年度までの予定))
    c.経産省が進める日米等エネルギー技術開発協力事業並びに革新的エネルギー技術国際共同研究開発事業(2010〜現在(2019年度までの予定))
 (2).米国
    a.DOE Thermoelectric Waste Heat Recovery Program for Passenger Vehicles(2004年〜現在?)
 (3).欧州
    a.第7次欧州研究開発フレームワーク計画(FP7)(2017〜2013年度)
    b.ホライズン2020(2014〜2020年度)

5.標準化を目指した評価技術
 (1).熱電変換材料の評価技術
    a.ラウンド・ロビンテスト:IEA-AMT Thermoelectric Annexでの取り組み
 (2).熱電変換デバイスの評価技術
    a.産総研の取り組み:経産省受託研究「熱電変換デバイスの性能評価技術の開発」での成果を中心に
    b.他国の標準技術:ドイツと米国などの動向

6.応用への取り組み
 (1).用途別事例
    a.未利用熱エネルギーの活用:車、工場などからの廃熱
    b.再生可能熱エネルギーの活用:地熱、太陽熱など
    c.エナジーハーベスティング:低品質熱源、センサー応用
 (2).企業別の取り組み
    a.老舗からベンチャーまで

7.将来展望とまとめ

キーワード 熱電変換 ゼーベック効果 ペルチェ効果 キャリア濃度制御 フォノン散乱 フォノン・グラス-エレクトロン・クリスタル ビスマス・テルライド スクッテルダイト ラットリング効果 ハーフホイスラー化合物 超格子薄膜 ナノワイヤー 代替元素 ラウンド・ロビンテスト 
タグ エネルギーナノテクノロジー材料パワーデバイス蓄電電源・インバータ・コンバータ発電
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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