強力超音波技術の工業的応用と振動系設計への活かし方

講師の言葉

　強力超音波の技術は１９５０年代あたりから広く実用的に使われるようになった。爾来、この技術は極めて広範な工業分野に応用されている。しかし、機械共振系である強力超音波振動系の設計が基本的task-dependentなものであり、系統的設計手法の構築は未だ十分に行われていないことはあまり知られていない。
　そのため、この技術の具体的な適用にあたって大きな困難を感じ、この有用な技術の積極的な応用をあきらめてしまうケースも多い。ここでは、現状における強力超音波技術を概観した上で、強力超音波振動系の設計指針をできる限り明確な形で具体的に教授する。
　特に、代表的な振動源であるボルト締めランジュバン型振動子及び大型超音波振動工具の設計に関する知見に重点をおいて解説する。また未解明の問題としての「跳躍・降下現象」についても述べ、この問題への当面の対処方法とともに、今後の学術的研究の方向性と、技術的解決の可能性などについても言及する。
　これらの内容について、実用的な観点から解説している例は多く見かけないことから、斯界の技術者にとって有益な講座となるであろう。

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