最新のバリア技術とデバイスへの応用・例

〜 酸素、水素、有機EL用水蒸気バリア、ハイバリア膜の製造・評価技術 〜

・有機ELなどの有機デバイスの長寿命化への応用が期待される最新のバリア技術を先取りし、応用するための講座

・世界最高水準のガスバリアフィルム技術や欧州の最新ハイバリア技術を学び、製品の品質向上や劣化防止へ応用しよう!

講師の言葉

第一部
 エンジニアリングプラスチックの耐熱性及びガスバリア性を向上させるため、層状珪酸塩(粘土)などがフィラーとして用いられてきた。粘土は耐熱性、耐薬品性、安全性、経済性の点で優れた材料であり、たとえ少量であってもフィラーとしての添加効果は有意である。我々が研究を進めているガスバリアフィルムはスメクタイト等の粘土を主成分とし、約1ナノメートルの粘土ナノシート多積層によりガスバリアを実現するものである。このたび、本材料を幅広く利用してもらうため、各種コーティング用ペーストをリリースすることにした。本講では、これらの材料、利用、将来展望について述べる。

第二部
 最近の日本を見ると、フレキシブルデバイスの研究開発も多額の国の補助金が投入されて盛んに行なわれているようです。しかし、実用化技術開発の担い手は依然として企業であり、単独で厳しい国際的な開発競争に曝されているのが現実と言えます。これは、日本にはドイツのフラウンホーファーやオランダのTNOのような実用化という点で企業が頼れる中間的技術開発機関がまだ十分には確立されていないことによります。また、Shared ResearchやAllianceが世界の流れであることを考えると、それらに不慣れな日本の将来が危惧されます。そのような状況下、欧州のフレキシブルデバイスの2大技術開発拠点であるドイツ、ザクソン州、ドレスデン市とオランダのアインドホーベン市のハイバリア膜関連の最先端技術開発動向詳細を聴講者の皆様に知っていただき、それぞれの技術開発や事業発展に役立てていただきたいと思います。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年10月05日(水) 10:30 ~ 17:30
開催場所 日本テクノセンター研修室
カテゴリー 加工・接着接合・材料
受講対象者 ・有機エレクトロデバイス、有機EL、ディスプレイ、情報機器、プリンテッドエレクトロニクス、照明、水素タンク、耐熱材、ハードコートほか関連企業の方 ・表面材料、プラスチックフィルム、フレキシブルデバイス関連メーカーの技術者の方 ・成膜装置メーカー、評価装置メーカーの方
予備知識 ・大学理工系学部出身者程度の基礎知識 ・特に無くてもかまいませんが、ドライ成膜技術については予備知識があると理解しやすいです
修得知識 ・ナノコンポジット材料に関する基礎、ナノコンポジット材料の成形、評価、バリア材の最新知識 ・世界の最先端を行く欧州のフレキシブルデバイス用ハイバリア膜の開発技術とその応用技術
プログラム

第一部 ナノコンポジットの基礎とガスバリア材、機能性コーティングの製品開発動向
     -酸素・水素・有機EL用水蒸気バリアと耐熱性、不燃性、低線膨張、放熱性、電気絶縁性

1.コンセプト
  (1).バリアフィルムと要求性能
     a.各種バリアフィルム
     b.バリアフィルムの市場
     c.バリアフィルムの製造方法とバリア性
  (2).粘土を主成分とするガスバリア膜開発コンセプト
     a.粘土とは
     b.高いガスバリア性
     c.粘土結晶の配向性
     d.粘土膜と他のバリア材の比較
     e.ガスバリア性能比較
     f.透明性

2.良いとこ取りをする材料設計
  (1).粘土を足すことにより何が期待できるのか
  (2).足せる特性、足せない特性
  (3).良いとこ取りになる場合とならない場合

3.粘土膜の製造
  (1).粘土の構造
  (2).天然粘土と合成粘土の成膜性比較
  (3).水熱処理による成膜性向上
  (4).添加物
  (5).製膜方法
     a.平坦膜
     b.立体形状への製膜

4.特性
  (1).種々の粘土膜の構造と特性値
  (2).ガスバリア性
     a.酸素ガスバリア性
     b.水素ガスバリア性
     c.水蒸気バリア性
  (3).耐熱性
  (4).不燃性
  (5).低熱線膨張
  (6).放熱性
  (7).自己修復性

5.応用例
  (1).有機EL用標準バリアシート
  (2).プリンテッドエレクトロニクス基板
  (3).量子ドットによる蛍光シート
  (4).複合材製水素タンク
  (5).太陽電池バックシート
  (6).産業用耐熱シール材
  (7).不燃照明カバー
  (8).防曇コーティング
  (9).金属保護膜
  (10).ハードコート保護膜
  (11).ハイレゾスピーカー用振動板
  (12).バイオプラスチックであるリグニンを用いたコンポジット材

6.まとめ

第二部 フレキシブルデバイス開発のためのハイバリア膜の開発技術とその応用-「欧州の最先端技術」

1.欧州のフレキシブルデバイス開発拠点
  (1).ドイツ(ザクソン州、ドレスデン市、他)
     a.有機エレクトロニクスの創生:TUD/IAAP
     b.実用化技術開発機関フラウンホーファーと関連企業
     c.実用化促進のための公的支援とクラスター組織OES
  (2).オランダ(アインドホーベン市、他)
     a.実用化技術開発のための連携:アインドホーベン工科大学とTNO
     b.会員制フレキシブルエレクトロニクス技術開発組織Holst Centre
     c.会員制太陽電池技術開発組織Solliance

2.ハイバリア膜製造技術
  (1).フラウンホーファーアライアンスPOLO(独)の量産技術
  (2).フラウンホーファーFEP(独)のキーコンポーネント技術
     a.高速矩形波パルスマグネトロンスパッ:DMS & RM
     b.高速magPECVD
     c.超高速:arcPECVD
     d.超高速プラズマ活性化蒸着HAD
     e.R2Rプロセス用特殊搬送技術
     f.前処理及び後処理技術(フラッシュランプアニーリング)
  (3).TUD、TNO、Holst Centreの成膜技術
     a.高速Spatial ALD
     b.R2R式高速Spatial ALD
     c.高速MW-PECVD
     d.超高速ETP-PECVD
  (4).ウエットケミカル法(ゾルゲル法)

3.ハイバリア膜の評価技術
  (1).フラウンホーファーIWSの水蒸気透過率測定器HiBarSens®
  (2).IAAPのCa法
  (3).フラウンホーファーFEPのR2R式欠点検出と残留水分管理
  (4).フラウンホーファーIWSのオンライン100%WVTR(対応値)評価技術
  (5).ハイバリア膜用水蒸気透過率測定法の国際標準化

4.デバイス技術への応用
  (1).フラウンホーファーFEPのフレキシブル有機EL照明
  (2).フラウンホーファーFEPの有機ELマイクロデイスプレイ
  (3).IAAP Spin-offベンチャーHeliatekのフレキシブルOPV
  (4).Holst Centreのフレキシブルデバイス技術
  (5).SollianceのOPV

5.欧州と日本の技術開発体制比較

6.ガラスとプラスチックへのコーティング国際会議

7.まとめ

キーワード バリア膜 バリアフィルム ガスバリア 成膜技術 PECVD ALD フレキシブルデバイス 有機EL 
タグ 精密機器・情報機器プラスチックディスプレイ材料LED・有機EL・照明
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
日本テクノセンター研修室
〒 163-0722 東京都新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命ビルディング(22階)
- JR「新宿駅」西口から徒歩10分
- 東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩8分
- 都営大江戸線「都庁前駅」から徒歩5分
電話番号 : 03-5322-5888
FAX : 03-5322-5666
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