材料開発のための計算化学の基礎と輸送物性シミュレーションの応用

〜 分子間相互作用の解析、力場の作成、分子動力学計算の基礎 〜

有力な計算化学手法である分子動力学法を材料開発に応用するための講座

・分子動力学シミュレーションを効果的に活用し、材料開発の効率化や期間短縮に応用しよう!

講師の言葉

 分子に働く力の情報を元に分子の運動をシミュレートする手法である分子動力学法は材料設計における有力な計算化学手法の一つであり、輸送物性の予測や支配要因の解明への利用が期待されている。古典分子動力学計算では分子に働く力を力場と呼ばれる実験データに基づく経験的なポテンシャルで評価する。このため、シミュレーションの精度は計算に用いる力場に依存する。また、力場のパラメータの不足でシミュレーションをできないことがしばしば問題となる。
 このセミナーでは ab initio 分子軌道法を用いた分子間相互作用の解析法、ab initio 分子軌道法を用いた力場パラメータの作成法、パラメータの精密化の方法、分子動力学計算を実行する際の初期構造の作成法、シミュレーション条件の設定方法、自己拡散係数の計算方法について解説する。また、分子動力学法を用いた輸送物性の計算例についても紹介する。

セミナー詳細

開催日時
  • 2016年05月31日(火) 10:30 ~ 17:30
開催場所
カテゴリー 化学・環境・異物対策
受講対象者 ・電子材料、有機材料、バイオ、高分子、創薬ほか関連部門の研究者、技術者 ・材料設計への分子動力学シミュレーションの利用を検討されている方 ・分子動力学計算に用いる力場の構築、精密化を検討されている方 ・有機分子の分子間相互作用の詳細の理解、ab initio 分子軌道法による分子間相互作用の解析法に興味のある方
予備知識 ・化学科の学部卒業程度の物理化学の知識
修得知識 ・分子動力学法を用いた自己拡散係数の計算方法 ・分子動力学計算の精度を決める要因 ・Ab initio 分子軌道法を用いた力場の構築、精密化の方法 ・分子間力の種類と性質(相互作用の強さ、引力の原因) ・Ab initio 分子軌道法を用いた分子間相互作用エネルギーの計算方法と計算精度
プログラム

1.材料開発に用いられている計算化学手法
  (1). 計算化学手法の利点
  (2). 分子軌道法と分子動力学法
  (3). 計算手法と計算負荷

2.分子間力(非結合相互作用)
  (1). 分子間力の種類
  (2). Ab initio 分子軌道法を用いた分子間相互作用の計算法
  (3). 基底関数系、電子相関の補正法と計算精度
  (4). 分子間相互作用の解析例

3.分子動力学計算に用いられる力場
  (1). 分子動力学計算に用いられる力場
  (2). 伸縮、変角、ねじれポテンシャル
  (3). 力場の利点と問題点

4.力場の作成、精密化
  (1). 力場ポテンシャルと分子動力学計算
  (2). Ab initio 分子軌道法を用いたポテンシャルの計算
  (3). 力場の作成、精密化の方法
  (4). Ab initio 計算を用いた力場の作成例

5.分子動力学計算の初歩
  (1). 初期構造の作成
  (2). 構造の緩和
  (3). 構造の解析、自己拡散係数の計算方法
  (4). 分子動力学計算の精度に影響を与える要因
  (5). シミュレーションの条件の設定方法

6.分子動力学計算の応用例
  (1). 超臨界二酸化炭素の物性
  (2). イオン液体電解質中のイオンの拡散

キーワード 計算化学 輸送物性 分子動力学法 Ab initio 分子軌道法 力場ポテンシャル 自己拡散係数
タグ 創薬・医薬品結晶界面活性剤化学化学物質シミュレーション・解析高分子触媒材料
受講料 一般 (1名):49,500円(税込)
同時複数申込の場合(1名):44,000円(税込)
会場
こちらのセミナーは受付を終了しました。
次回開催のお知らせや、類似セミナーに関する情報を希望される方は、以下よりお問合せ下さい。
contact us contact us
各種お問い合わせは、お電話でも受け付けております。
03-5322-5888

営業時間 月~金:9:00~17:00 / 定休日:土日・祝日